『チェネレントラ』全曲　ユロフスキー＆エイジ・オブ・インライトゥメント管、ドノーセ、コルベッリ、他（２００７　ステレオ）（２ＣＤ）

ロッシーニ『チェネレントラ』
ユロフスキーがピリオド・オーケストラを指揮
優秀なロッシーニ歌手たちによるライヴ！

2007年のグラインドボーン音楽祭でのロッシーニ『チェネレントラ』のライヴ録音。この舞台は2005年に新制作されたもので、映像ソフトもすでに発売されていますが、今回のCDは、その時の好評を受けて2007年に再演がおこなわれた際のライヴ録音となります。

【古楽器オケの起用】
この再演の最大の特徴は、なんと言ってもオーケストラが、前回のロンドン・フィルから、古楽器オケ「エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団」に変更になったという点。
　ロッシーニの『チェネレントラ』の作曲は、ベートーヴェン中期の終わりくらいに当たる1816年という時期におこなわれており、当時の演奏スタイルもそれに近いものがあったと思われるため、今回の古楽器オケの起用は、軽やかさや切れ味の表現、楽器の音色という点でも注目されるところです。
　ユロフスキーはこの頃からエイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団と関係を深めており、モーツァルトのドン・ジョヴァンニ(映像)、ベートーヴェンの交響曲第4番＆第7番(映像)、マーラー：葬礼(CD)、メンデルスゾーン：ヴァイオリン協奏曲(CD)をリリース済みで、どれも高い評価を得ていました。

【優秀な歌手陣】
主役アンジェリーナ役のルクサンドラ・ドノーセ、ドン・ラミーロ役のマキシム・ミロノフ、クロリンダ役のラクエラ・シーラン、ティスベ役のルチア・チリッロは2005年上演と同じで、ドン・マニーフィコ役には大ベテランのバッソ・ブッフォ、アレッサンドロ・コルベッリを起用。彼は2009年にはＭＥＴでもマニーフィコ役を歌っています。偽王子を務めるダンディーニ役には、小洒落た歌い口で人気の高いロッシーニ・バリトン、ピエトロ・スパニョーリ。この軽妙だけれどかなりインチキ臭いダンディーニ役は絶品です。アリドーロ役のウンベルト・キウンモは、ヘンデルなどバロック・オペラでも活躍する人。

【ユロフスキーのロッシーニ】
ヴラディーミル・ユロフスキーは、1997年、25歳のときにロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルで大作『モイーズとファラオン』の指揮を任されており、颯爽としたロッシーニを聴かせて評判となっており、そして2005年の『チェネレントラ』でも高い評価を獲得、再演の200年上演では、古楽器オケを駆使して音楽的解釈のさらなる徹底を図っています。（ＨＭＶ）

【収録情報】
・ロッシーニ：歌劇『チェネレントラ』全曲

　ルクサンドラ・ドノーセ（S アンジェリーナ）
　マキシム・ミロノフ（T ドン・ラミーロ）
　アレッサンドロ・コルベッリ（Bs ドン・マニーフィコ）
　ピエトロ・スパニョーリ（Br ダンディーニ）
　ウンベルト・キウンモ（Bs アリドーロ）
　ラクエラ・シーラン（S クロリンダ）
　ルチア・チリッロ（Ms ティスベ）
　グラインドボーン合唱団
　エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団
　ヴラディーミル・ユロフスキー（指揮）

　録音時期：2007年6,7,8月
　録音場所：イギリス、グラインドボーン歌劇場
　録音方式：ステレオ（デジタル／ライヴ）