モーツァルト(1756-1791)

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Hi Quality CD 輸入盤

『魔笛』英語版全曲 ブルーノ・ワルター&メトロポリタン歌劇場、アマーラ、ピーターズ、ハインズ、他(1956 モノラル)(2CD)

モーツァルト(1756-1791)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
EPITA033
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
Hi Quality CD
その他
:
限定盤,輸入盤

商品説明


ワルターの、『魔笛』の、最高の名演、極上音質でUHQCD化!

「ワルターの全レコードを上廻る絶品であり、これを聴かずしてワルターを語ることは不可能」(宇野功芳)

ワルターはその芸術活動の大半をオペラ公演に捧げた人でした。1951年に公の形でメトロポリタン・オペラに別れを告げたものの、56年、「モーツァルト200年祭に『魔笛』公演の指揮を」というビング支配人の熱心な誘いに、「『魔笛』はモーツァルトの遺言」と捉えていたワルターは快諾、念頭にあった「自らの芸術活動の遺言を残すこと」を考え合わせ、この歴史的公演のステージに復帰したのです。
 本公演は全米にこの名作の理解を深めてもらうため英語歌唱で行われました。台詞も英語になることから、ワルターとビングが配役・歌手の選考を行い、最終的にはほぼ全員がアメリカ人のキャストに。メットの新旧スター歌手が勢揃いしております。
 歌手の単なる伴奏程度に終わっている指揮が多い中で、ワルターは違います。この歴史的名演の真価を日本で初めて伝え広めたのは宇野功芳氏でした。

「(前略)ワルターは『魔笛』をモーツァルトの遺言と考えており、しかも56年3月3日といえばニューヨーク・フィルによる『ジュピター』(3月5日)や『レクイエム』(3月10日)のレコーディングの直前、彼の芸術の頂点を示した時期である上に、実演録音でもある。事実、これはワルターの全レコードを上廻る絶品であり、これを聴かずしてワルターを語ることは不可能とさえ言えるだろう。(中略)
 『序曲』からして、彼のステレオ盤、モノーラル盤とは別人のごときえぐり方である。生々しい響きとダイナリズム、激しい気迫、それはむしろ1928年のSP盤に近いが、同じようにアッチェレランドをかけ、若いころのワルターにしばしば見られるところの、せかせかした、あせるようなリズム(それはこの『魔笛』全曲のいたるところに聴かれる)を刻んでも、それがマイナスとなるよりはプラスに作用し、音楽に血肉をあたえる結果となっているのだ。(中略)
 ワルターの『魔笛』ほどオーケストラがものを言っている演奏は他にあるまい。弦も木管も、あらゆる声部が歌いぬく。モーツァルトが散りばめたすべての旋律が人間の声のように歌い尽くされる。それに立体的で豊麗なハーモニーがつけられ、一方においては威厳に満ちた、激しいダイナリズムが対比される。フレーズも余韻に充ちて消えるかと思えば、スタッカートできっぱりと切られる。このように柔と剛、女性的なものと男性的なものが、少しも反発し合うことなく、見事に溶け合って、ワルターの表現をいよいよ多彩なものにしているのである。(中略)
 ワルターのもう一つの特徴は、劇音楽に対する彼の才能の現われである。ドラマの持つ感情や意味を音楽化する力において、ぼくは少なくとも『魔笛』に関するかぎり彼以上の人を知らない。たとえばパパゲーノの『恋人か女房か』のアリアで重要な働きをするグロッケンシュピールが初めはごくかすかに、遠くから聞こえてくる。それが二番、三番と歌われるにつれて、しだいに強く、音色も明るく、まるでオペラ・ハウスの天上といわず客席の後方といわず、いたるところに配置されたグロッケンシュピールがいっせいになり出すかのごとき幻想にかられる。(中略)
 さらに『二人の武士』のユニゾンを彩る、あのバッハ的な音のからみを、ワルターは何と厳しいアクセントで悲劇的に演奏していることだろうか。パパゲーノが笛を吹きながら歌う『首つりのアリア』がなんと速いテンポで、彼のせっぱつまった気持を伝えることだろうか。(中略)
 実際、『二人の武士』から『タミーノとパミーナの試練』、『首つりのアリア』『パ・パ・パの二重唱』を経て『終曲』にいたる部分は、『魔笛』全曲でも最も感動的な音楽の連続であるが、ワルターの表現もここを全曲の山として、身動きが出来ないほどの緊張力で一貫させる。『パ・パ・パの二重唱』のアッチェレランド、二人の恋人同志の愛の讃歌は、きわめて精神的に高いものとなって、聴く者をいや応なく、音楽の興奮の渦の中に押し流してしまう。そしてザラストロの登場、壮麗な合唱がアンダンテで歌われ、次いでアレグロに変る部分のオーケストラの前奏を聴けば、ワルターの絶好調を知るであろう。(中略)
 歌手はタミーノ、パミーナ、夜の女王の3人がかなり良いが、特筆すべき程ではなく、しかも英語で歌われている。だが目立って聴き劣りのする人もなく、全体にバランスがとれていることと、一人一人にワルターの指示が行き届いて、全員が同じように感情を豊かにこめて歌っているのが良い。英語も聞き進むに従って気にならなくなる。コーラスもオーケストラもむしろ平凡だが、すべてが完全にワルターの手足となり、まとまったチームとなって充実した演奏をくりひろげる。かえってスターが居ないだけに、ワルターの『魔笛』がいっそう純粋に味わえるのだとも言えるだろう。」
『ブルーノ・ワルター〜レコードによる演奏の歩み』(宇野功芳著 音楽之友社1972年刊)

幕の間の休憩時間はともかく、幕中は途切れなしに収録されており、この頃の放送録音としては非常に鮮明な音質!高音域から低音域までしっかり伸びており、ノイズもきわめて少なく聞きやすいレベルです。従来の海外盤に勝るとも劣らない極上の音質が最新リマスターとUHQCD化によってさらにパワーアップ。ワルターの、『魔笛』の、最高の名演をご堪能ください。

なお本公演は英語歌唱ですが、台詞の場面も含む原語(ドイツ語)の歌詞・対訳をトラックNoも入れてPDFファイルで販売元(キングインターナショナル)のHP(WEBサイト)に掲載します。プリントアウトも可能です。ブックレットに記載するパスワードを入力してください。(販売元情報)

【収録情報】
● モーツァルト:歌劇『魔笛』全曲(英語歌唱)


 ルシーン・アマーラ(ソプラノ:パミーナ)
 ブライアン・サリヴァン(テノール:タミーノ)
 ロバータ・ピーターズ(ソプラノ:夜の女王)
 ジェローム・ハインズ(バス:ザラストロ)
 セオドア・アップマン(バリトン:パパゲーノ)
 ローレル・ハーリー(ソプラノ:パパゲーナ)
 ポール・フランク(テノール:モノスタトス)
 ジョージ・ロンドン(バス:弁者)、他
 メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
 ブルーノ・ワルター
(指揮)

 録音時期:1956年3月3日
 録音場所:ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場
 録音方式:モノラル(ライヴ)

 Produced by Epitagraph(原盤:エピタグラフ)
 国内製作
 日本語帯・解説付き(解説:山崎浩太郎)

内容詳細

ワルター指揮、メトロポリタン歌劇場のオーケストラと合唱団によるモーツァルトの歌劇「魔笛」を収録。オペラの指揮に生命をかけたワルター。一度離れたメトロポリタン・オペラに、強いリクエストで戻った1956年の歴史的名演が味わえる。(CDジャーナル データベースより)

ユーザーレビュー

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素晴らしいです。感動しました。 今まで発...

投稿日:2023/04/30 (日)

素晴らしいです。感動しました。 今まで発売された盤は聴いていないので録音の状態の比較はできませんが、私には古い録音でありながら、違和感は殆どありませんでした。勿論古い録音なので限界はありますが。 演奏は素晴らしいです。各声部が豊かになっており、全体が瑞々しく、しっとりとしていて暖かい世界観に包まれています。 ワルターの時代の「魔笛」というのは、こういう世界だったんだなぁと。「モーツァルトの遺言」という言葉が、フィナーレのパバケーノの二重唱からラストの合唱まで、実にしっくりする演奏です。明るいのに涙を誘う不思議な音楽です。

ランスロット さん | 東京都 | 不明

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モーツァルト(1756-1791)

1756年:ザルツブルクで誕生。 1761年:最初の作曲(『アンダンテ ハ長調 K.1a』)。 1782年:オペラ『後宮からの誘拐』初演。 1783年:大ミサ曲ハ短調 K.427(417a)を上演。 1785年:弦楽四重奏曲集(ハイドン・セット)をハイドンに献呈。 1786年:オペラ『フィガロの結婚 K.492』初演。 1787年:父レオポル

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