フランク:交響的大曲、ヴィドール:ヴァルプルギスの夜
セザール・フランクの『交響的大曲』は交響曲を志向した約30分のオルガン曲で、終盤に壮麗な大フーガを含む切れ目ない構成で書かれています。オルガニスト、クリスティアン・シュミットは、オルガンとオーケストラの協奏的レパートリーの不足を嘆き、この名作の編曲をジグモンド・サットマリーに依頼しました。サットマリーは、ヴィドールやヴィエルヌの交響曲以上に形式的に興味深い「道を切り開く作品」として敬意を払い、オルガンとオーケストラに響きを分担させて色彩とニュアンスを広げることで、フランク作品のもつ交響的なインパクトを一層際立たせています。
シャルル=マリー・ヴィドール[1844-1937]は、フランクの後任としてパリ音楽院で教鞭を執り、多くの優れた弟子を育てました。作曲家としてもオルガン曲に限らず交響曲や室内楽など幅広い作品を残しています。1876年のバイロイト訪問でワーグナーに強く影響を受け、1879年には荘厳な『詩篇112編』を発表。初演の成功により、ロンドン・フィルハ−モニー協会からゲーテの「ファウスト」に基づく交響詩を委嘱され、『ヴァルプルギスの夜』を作曲しました。作品は1883年に初演。独自の色彩感が評価されましたが、既存のゲーテ作品の影響もあり反響は思わしくなかったため、ヴィドールは1888年に大幅な改訂を行っています。
アルバムにはフランクの『アイオロスの人々』も収録。(輸入元情報)
【収録情報】
1. フランク:交響的大曲 嬰ヘ短調 Op.17(サットマリー編、オルガンとオーケストラ版)
2. フランク:交響詩『アイオロスの人々』
3. ヴィドール:交響詩『ヴァルプルギスの夜』
クリスティアン・シュミット(オルガン:1)
バンベルク交響楽団
ファビアン・ガベル(指揮)
録音時期:2023年5月30日〜6月2日
録音場所:バンベルク、ヨゼフ・カイルベルト・ザール
録音方式:ステレオ(デジタル)