ファル:『イスタンブールのバラ』
トルコ人の娘ギュルは、フランス人作家「アンドレ・レイ」が描くヨーロッパの情景に憧れて、手紙をやりとりしています。ある日、彼女は父カメク・パシャからトルコ国務大臣の息子であるアハマド・ペイとの婚約が決まったことを知らされます。しかし彼女はアンドレ・レイへの思いを断ち切ることができません。結婚式の夜、夫であるアハメド・ペイに「私は家族の伝統のためにあなたと結婚しただけだ」と告白したギュルに「アンドレ・レイならスイスにいるはずだ」と教えるアハメド・ペイ。スイスまで出かけたギュルを待っていたのは、なんと夫その人。実は「アンドレ・レイ」はトルコを改革したいと考えたアハメド・ペイのペンネームだったのです。2人はあらためて愛を誓い合うのでした。
レオ・ファルは、レハール、カールマン、オスカー・シュトラウスと並ぶほどの人気を博したオペレッタの作曲家でした。トルコを舞台にしたこの作品、東洋風の旋律とワルツが美しく融合した甘いメロディに満ちています。1916年にウィーンで初演され大成功を収めましたが、第一次世界大戦による国際情勢の悪化から次第に忘れられてしまい、現在ではほとんど演奏されることがありません。今回の上演は、名指揮者シルマーの指揮のもと、芸達者な歌手たちが素晴らしい歌唱を聴かせます。極上の旋律をお楽しみください。(輸入元情報)
【収録情報】
● ファル:喜歌劇『イスタンブールのバラ』全曲
アハメド・ベイ…マティアス・クリンク(テノール)
コンジャ・ギュル(カメク・パシャの娘)…クリスティアーネ・カイザー(ソプラノ)
フリードリン(粉ひき親方の息子)…アンドレアス・ヴィンクラー(テノール)
ミディリ・ハヌム…マグダレーナ・ヒンタードブラー(ソプラノ)
ビュル=ビュル…エレオノーラ・ヴァッキ(メゾ・ソプラノ)
カメク・パシャ閣下…クリストフ・ハルトコップ(バリトン)
ジャミレ…ハンネ・ヴェーバー(アルト)
ホテルのマネージャー…ミヒャエル・グランチュニヒ(語り)
ハンブルクの粉ひき親方…ヴォルフガンク・クローゼ(バス)
バイエルン放送合唱団
ミュンヘン放送管弦楽団
ウルフ・シルマー(指揮)
録音時期:2014年5月9-11日
録音場所:ミュンヘン、プリンツレゲンテン劇場
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)