Crossing Borders〜ブラームス、ドビュッシー、ヴェレシュ
ユージェニー・ルッソ
1954年生まれのベテラン・ピアニスト、ユージェニー・ルッソ。彼女は以前、クララ・シューマンのピアノ曲と、コープランドのピアノ曲という、両極端なレパートリーを録音している人です。今作ではブラームスからエゴン・ヴェレシュまでのロマン派から近代に渡る小品を集めた1枚で、作品ごとに表情を変化させながら各々を弾き分けています。
1曲1曲が味わい深いブラームスの後期の小品集、まるで絵画を見ているようなドビュッシーの『映像』、そして不確定な要素が却って面白いエゴン・ヴェレシュ[1885-1974]の『6つの小品』(ブラームスの作品と比べてみてください)、そして最後に置かれた同じくヴェレシュの『ダンス』。崩壊していく調性や躍動的なリズムなど、時代が要求するものをみたしつつ、音の本質を追求していくことで制約を乗り越えていったこの時代の音楽の一端を覗き見できるような1枚です。(Orland Records)
【収録情報】
● ブラームス:8つの小品 Op.76 (1878)
奇想曲 嬰へ単調
奇想曲 ロ短調
間奏曲 変イ長調
間奏曲 変ロ長調
奇想曲 嬰ハ短調
間奏曲 イ長調
間奏曲 イ短調
奇想曲 ハ長調
● ドビュッシー:『映像』第1集 (1905)
水に映る影
ラモーを讃えて
運動
● ヴェレシュ:6つの小品 Op.26 (1919)
静かに
モデラート
レント
アレグレット
アダージョ
力強く
● ヴェレシュ:3つのダンス Op.10 (1912)
ユージェニー・ルッソ(ピアノ)
録音時期:2000年8月
録音場所:アントン・ブルックナー・プリヴァトゥニヴェルシテット大ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)