サティ好き必見!
全く新しい見地から魅力を再認識させてくれるアルバム!
1989年生まれのアルメニア系フランス人ピアニスト、フランソワ・マルディロシアンによるサティの新鮮な切り口アルバムの登場です。タイトルは「サティとジムノペディストたち」で、サティ作品に加え彼の精神的子供たちの曲も集めた興味深い内容となっています。
『グノシエンヌ』はなんと全8 曲。第6番までは知られていますが、第7番は『星の息子たち』第一幕から、第8番はイギリスのサティ研究家が発見した『踊りのための小序曲』が改名したもの。すべて網羅されているのは大歓迎と申せましょう。
ディスク2も貴重な作品の連続。あまり知られていない作曲家も含まれますが、いずれもサティの影響が感じられる美しいものばかり。ファルジュの『サティヴァーサリーおめでとう』はマルディロシアンの2022年の誕生日に即興演奏して大いに受け、彼のおねだりで記譜したという曲。またマルディロシアンに捧げられたセバスティアン・ガンデラの『回想』と『シオランとの一夜』も雨の月曜日や暗い日曜日にぴったりの美しい世界が広がります。
注目なのがベルギーのシュールレアリスム画家エドゥアール・レオン・テオドール・メザンス[1903-1971]の作曲。彼は15歳の時サティと会い、意気投合してお互いの人脈を紹介し合います。彼の音楽的才能を伺え興味津々です。またアメリカの大物ジョン・ケージは生涯を通じてサティを敬愛しましたが、ジム・テニーのコンサートにいたずらで紛れ込ませた贋作も才気煥発。本人はサティへの愛ゆえと弁解しています。また、ラヴェルやファリャの作品普及に努めた名手リカルド・ビニェスの作曲も貴重。まさにサティ的です。
マルディロシアンはサティ作品の大半を1900年製ブリュトナー、『ジュ・トゥ・ヴ』のみ1923年製プレイエルのアップライト・ピアノで、ディスク2も1900年製スタインウェイAと1931年製ボールドウィンDで弾き分けるこだわりぶり。サティ本人が聴いたであろう音世界を再現しています。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1
サティ:
01. 快い絶望
02. 3つのジムノペディ
03. 8つのグノシエンヌ
04. 冷たい小品(全6曲)
05. 犬のためのぶよぶよした本当の前奏曲(全3曲)
06. スポーツと気晴らし(全20 曲)
07. 最後から2 番目の思想(全3 曲)
08. ジュ・トゥ・ヴ
Disc2
09. ドミニク・ラワルレ:静寂の声を聞け/色の影/サティエリック音楽
10. ドニ・ファルジェ:サティヴァーサリーおめでとう
11. ギャヴィン・ブライアーズ:新グノシエンヌ第1番(サティによる)
12. セバスティアン・ガンデラ:カード対戦者の対話/回想/シオランとの一夜
13. ウィリー・ドルトゥ:2つの短い小品
14. E.L.T.メザンス:贈り物(エリック・サティへ)/コンポジション第4/舞曲
15. ジョン・ケージ:エリック・サティのための小石の全面、そして(公案としてジム・テニーに密かに贈られた)
16. アンリ・クリケ=プレイエル:エリック・サティを模した3つの小品
17. リカルド・ビニェス:挽歌または古代の葬儀(エリック・サティの思い出に)
18. エイドリアン・ナイト:さまざまな職業(全7 曲)
19. タイユフェール:夢
フランソワ・マルディロシアン(ピアノ)
使用楽器:
1900年製ブリュトナー(01-07)、1923年製プレイエル・アップライト(08)
1900年製スタインウェイA 188(19-13)、1931年製ボールドウィンD(14-19)
録音時期:2023年3月9-11日
録音場所:モントーバン、サル・シフラ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
ディジパック仕様