長富彩/イスラメイ〜100年の時を経て甦る、ピアノの黄金時代
ハンガリー、そしてアメリカ。行くところに旋風を巻き起こし、ダイナミックかつ繊細。溢れるドラマと歌心で、万人を魅了するピアニスト。音と色彩に対して驚くべき鋭い感性を持つピアノ界の新星が誕生!
長富彩は、通常(ジュニアコンクール→音楽高校・大学→コンクール入賞)とは違う独自の道を行くピアニストです。ほとんど体当たり的な海外渡航(ハンガリー/アメリカ)による音楽武者修行の中、演奏の素晴らしさが各地で評判となり、リサイタルをひらきました。また、リサイタルの映像をアップしたYoutubeに目をとめた関係者がシカゴのコンサートホールでのリサイタルを主催。それが更なる評判を呼び、同じシカゴの大ホールでのコンサートが決定するなど、多くの音楽ファンを魅了するカリスマ性を、若くして備えている希有なアーティストです。
【使用ピアノ CD368について】
スタインウェイ&サンズ社は、1853年ニューヨークに設立されたメーカーです。パデレフスキー、ラフマニノフ、ルビンシュタイン、ホロヴィッツ、グレン・グールドなど世界的な巨匠たちが愛用したピアノ、ニューヨーク・スタインウェイ。自由とお金を求めてニューヨークに集まってきた、ロシアやヨーロッパの巨匠たち。彼らがピアノに求めた音色、タッチ、及びその反応に答えるべく、スタインウェイは、次々に改良を加え、近代ピアノの構造を完成させました。
この録音で使用された1912年製のCD368(CDとは、Concert D型の略)は、スタインウェイ本社コンサート部の貸出用として当時活躍していた楽器。1900年代初頭のスタインウェイは、ゴールデンエイジと呼ばれるほどクオリティが高く、それは先に述べたように巨匠達の時代真っ只中であり、近代クラシックの黄金時代の楽器だからです。1800年代のロマン派独特の香りを残し、太い重低音と輝かしい高音、メロウな中音域、豊かな色彩を持つこの楽器は、多くの巨匠達と過ごしてきたキャリアの余裕すら感じられます。まさにクラシック黄金時代のすべてを語ってくれることでしょう。(日本コロムビア)
【収録情報】
1. チャイコフスキー:花のワルツによるパラフレーズ(グレインジャー編曲)
2. サン=サーンス:白鳥(ゴドフスキー編曲)
3. バラキレフ:イスラメイ
4. グリンカ:ひばり(バラキレフ編)
5. ファリャ:アンダルシア幻想曲
6. グリフス:スケルツォOp.6-3
7. スクリャービン:幻想曲Op.28
8. ラヴェル:ラ・ヴァルス
長富彩(ピアノ)
使用楽器:1912製ヴィンテージ・スタインウェイ使用(Steinway CD368)
録音時期:2009年12月3-5日、2010年8月11日
録音場所:千葉県印旛郡栄町、ふれあいプラザさかえ文化ホール
録音方式:デジタル(セッション)
【長富彩 Aya Nagatomi】
1986年生まれ。2002年東京音楽大学付属高校ピアノ演奏コースに特待生奨学金を得て入学。05年王子ホールにて留学記念リサイタルを開催し好評を博す。同年よりハンガリー国立リスト音楽院へ留学。教授でありバルトークやリスト研究の大家のジョルジュ・ナードルに師事する。ハンガリー国内でもリサイタルや室内楽演奏会などで演奏活動も始める。
日本では、2007年にアクロス福岡、ムラマツリサイタルホール(大阪)をはじめ高松、東京でリサイタルを開催し大盛況を得る。08年に米国イリノイ州にあるラトキンホールにて開催したリサイタルが大きな反響を呼び、これを機に演奏依頼が殺到し、米国での演奏活動を開始する。現在は引き続き欧米にて研鑽を積み、ニューヨーク及びイリノイ州、ロサンゼルスでのリサイタルやピアノ協奏曲等、多数の活動が予定されている。
2008年、ニュージャージ州のプリントン大学でのシンポジウムに奨学生として参加し、エドナ・ゴランスキーにターブマン奏法を受講する。2009年、ニューヨークのスタンウェイホールにてリサイタルを成功に導く。ヴァイオリンの大谷康子やチェロのベアンテ・ボーマン等と共演。御邊典一、小高明子、ジョルジュ・ナードル、エドナ・ゴランスキーに師事。(日本コロムビア)
86年生まれ、ハンガリー国立リスト音楽院に学び、日米での成功が話題を呼んでいるピアニストの本格デビュー盤。超絶技巧作品を並べた選曲ながら味わいは淡麗、響きを混濁させず細部を丁寧に描き込む力量は◎。1912年製スタインウェイの古風な音色も聴きごたえあり。★(友)(CDジャーナル データベースより)