平均律クラヴィーア曲集 第2巻　フレデリク・ハース（チェンバロ）（2CD）

バッハの傑作を独自の配列で。その真意に迫る静かな興奮が伝わる

多くの傑作と向き合いながら、全曲録音のようなアルバム作りには必ずしも興味がないというフレデリク・ハース。バッハの『平均律』も第1巻の録音ありきではなく、ただ第2巻だけを選び録音したのは、散発的にできた作品を集めた第1巻とは違い「バッハが最初から曲集としての総体を意識してまとめたものだから」とのこと。しかも彼は、調性順に並んでいるオリジナルの曲順は「あくまで当時の編纂習慣にあわせただけ」と考え、調性理論に敏感だったバッハの真意に迫る脱構築的手段として、独自に並べ替えて収録しています。
　そのため通しで聴いたときに新鮮な印象を受ける方も多いはず。バッハが記した以上には装飾音を盛り込まないというスタイルも、この作曲家が「装飾音を必要とするときには細かく書き込む」という傾向を尊重してのこと。「いかに無批判な“崇めるべき聖典”というレッテルから自由になるか」を徹底して考え抜いた演奏には、静謐な響きの味わいを越えた静かな興奮が息づいています。（輸入元情報）

【収録情報】
● J.S.バッハ：平均律クラヴィーア曲集 第2巻

Disc1
01. 前奏曲 ハ長調 BWV.870
02. フーガ ハ長調 BWV.870
03. 前奏曲 イ長調 BWV.888
04. フーガ イ長調 BWV.888
05. 前奏曲 イ短調 BWV.889
06. フーガ イ短調 BWV.889
07. 前奏曲 嬰ハ長調 BWV.872
08. フーガ 嬰ハ長調 BWV.872
09. 前奏曲 変イ長調 BWV.886
10. フーガ 変イ長調 BWV.886
11. 前奏曲 ホ短調 BWV.879
12. フーガ ホ短調 BWV.879
13. 前奏曲 嬰ト短調 BWV.887
14. フーガ 嬰ト短調 BWV.887
15. 前奏曲 ニ長調 BWV.874
16. フーガ ニ長調 BWV.874
17. 前奏曲 ヘ短調 BWV.881
18. フーガ ヘ短調 BWV.881
19. 前奏曲 変ロ短調 BWV.891
20. フーガ 変ロ短調 BWV.891
21. 前奏曲 ロ短調 BWV.893
22. フーガ ロ短調 BWV.893
23. 前奏曲 ホ長調 BWV.878
24. フーガ ホ長調 BWV.878

Disc2
01. 前奏曲 嬰ハ短調 BWV.873
02. フーガ 嬰ハ短調 BWV.873
03. 前奏曲 嬰ヘ短調 BWV.883
04. フーガ 嬰ヘ短調 BWV.883
05. 前奏曲 ヘ長調 BWV.880
06. フーガ ヘ長調 BWV.880
07. 前奏曲 ニ短調 BWV.875
08. フーガ ニ短調 BWV.875
09. 前奏曲 ト短調 BWV.885
10. フーガ ト短調 BWV.885
11. 前奏曲 変ホ長調 BWV.876
12. フーガ 変ホ長調 BWV.876
13. 前奏曲 変ロ長調 BWV.890
14. フーガ 変ロ長調 BWV.890
15. 前奏曲 ト長調 BWV.884
16. フーガ ト長調 BWV.884
17. 前奏曲 ハ短調 BWV.871
18. フーガ ハ短調 BWV.871
19. 前奏曲 嬰ヘ長調 BWV.882
20. フーガ 嬰ヘ長調 BWV.882
21. 前奏曲 嬰ニ短調 BWV.877
22. フーガ 嬰ニ短調 BWV.877
23. 前奏曲 ロ長調 BWV.892
24. フーガ ロ長調 BWV.892

　フレデリク・ハース（チェンバロ）
　使用楽器：パリのエムシュ工房1751年製作によるオリジナル楽器

　録音時期：2016年4月1-3日
　録音場所：ブリュッセル、フラジェー第1スタジオ
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）