美しいメヌエット!
エステルハージ宮楽団コンマス、トマジーニのカルテット
複雑に織り成すモチーフ。転調、和声処理の高い練度。楽器間の掛け合いも絶妙。ハイドンの次はコレでキマリ!
イタリア、ペーザロに生まれたトマジーニはエステルハージ侯に見出されて才能を伸ばし、ハイドン楽長時代に宮廷楽団のコンサートマスターをつとめたヴィルトゥオーゾ、作曲家。ハイドンは彼に対して友人、また優秀な同僚として全幅の信頼を寄せていて、トマジーニの子供たちの名付け親にもなっています。
ここでは21ある弦楽四重奏曲から、最高傑作Op.8(1790年代ウィーンで出版)の2曲と初期のニ長調(1770年頃)を収録。
なかでも変ロ長調とニ短調に特徴的なメヌエットは、ハイドンが書いた魔法のようなそれに匹敵するほど魅力的。フィナーレも当時流行のトルコの軍楽を思わせる装飾音が出てきたり(変ロ長調)、ロンド(ニ短調)がジプシー風あるいはトルコ風のテンポの速い民俗舞曲だったりと実にユニーク。
また、第1ヴァイオリンに次いでチェロ・パートにウェイトが高い点は、やはり楽団の同僚で名手アントン・クラフトの存在も影響しています。こんなにも素晴らしい作品が埋もれていたとは何とも不思議。75'28"収録。
アロイジオ・ルイジ・トマジーニ(1741−1808)
■弦楽四重奏曲ニ長調 Ko 5
T. Allegro 8'42"
U. Andante 4'19"
V. Allegro 6'12"
TOTAL:19'18"
■弦楽四重奏曲変ロ長調 Ko 10
T. Allegro spirituoso 11'08"
U. Adagio ma non troppo 8'30"
V. Menuetto 3'48"
W. Presto 7'32"
TOTAL:31'04"
■弦楽四重奏曲ニ短調 Ko 11
T. Allegro spirituoso 6'35"
U. Andante sostenuto 9'59"
V. Menuetto. Allegretto 4'11"
W. Rondo. Allegro spirituoso 3'57"
TOTAL:24:47
ルイジ・トマジーニ四重奏団(ピリオド楽器使用)
ラースロー・パウリク(Vn)
エルジェーベト・ラーツ(Vn)
エーヴァ・ポシュヴァネツ(Va)
バラージ・マーテー(Vc)
録音:2003年5月16−20日、ハンガリー・トルダシュ、ルター派教会