チャイコフスキー(1840-1893)

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DVD

『イオランタ&くるみ割り人形』 デ・ベア演出、O.M.ヴェルバー&ウィーン・フォルクスオーパー、ウィーン国立バレエ、ゴロヴニョーワ、他(日本語字幕・解説付)

チャイコフスキー(1840-1893)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
KKC9845
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD

商品説明


日本語解説付き
チャイコフスキーの名作2篇に基づく
2022年ウィーン・フォルクスオーパーのメッセージ性あふれる斬新な舞台を映像化!


1891年、最晩年のチャイコフスキーはオペラ『イオランタ』とバレエ『くるみ割り人形』を併作し、ひと晩のコンサートで二本立て上演するよう指示しました。しかし長くなりすぎるのと採算性の理由から、現在では別々に上演されるのが慣例となっています。それを今回、オランダの女性演出家ロッテ・デ・ベアとイスラエル出身の指揮者オメール・メイア・ヴェルバーが両作をひと晩で上演できるよう新制作。といっても別々ではなく「ふたつの歯車のようにかみ合う」ひとつの作品に融合しているのに注目です。
 チャイコフスキーは、オペラは現実の人々、バレエは空想の世界と明確にすみ分けしていましたが、この上演はそれらがシーンごとに綯交ぜとなっていて幻想的な舞台となっています。『くるみ割り人形』の小序曲に始まり、イオランタとくるみ割り人形の邂逅が示され、後半から現代音楽のような『イオランタ』序奏と重なります。盲目の王女イオランタはソプラノのゴロヴニョーワが歌唱と演技を見せつつ、『くるみ割り人形』のナンバーになると同じ衣装で似た容姿のミラ・シュミットがキレッキレのダンスを披露。全体に伝統的なバレエを基本にしながらもモダン・ダンスの要素も採り入れて新鮮、引き込まれます。
 『イオランタ』の原作は15世紀プロヴァンスを舞台としていますが、ここではルネ王がスーツ姿、イオランタに絡む2人の若者もブレザーとセーターで現代劇を繰り広げます。一方『くるみ割り人形』は動物や人形などの被り物中心。『花のワルツ』『こんぺいとうの踊り』『アラビアの踊り』などを楽しく演じ、『グランド・アダージョ』ではチャイコフスキーの感動的な音楽とあいまって幻想的なクライマックスを作ります。
 完全版の『イオランタ』ではないものの、主役を演じる1980年生まれのソプラノ、ゴロヴニョーワ、ドイツ・オペラのイメージが強いバスのステファン・チェルニー(ルネ王)、モスクワ・ノーヴァヤ・オペラのスター、テノールのゲオルギー・ヴァシリエフ(ヴォーデモン)いずれも好演。舞台美術の斬新な美しさとともに見とれます。
 2022年ウィーン・フォルクスオーパーのライヴですが、ロシアの象徴チャイコフスキー作品を題材に、ネズミと人形の愚かな戦い、闇の中に生きるイオランタが自らの力により光を得る大団円は現在の世界情勢に対する希望が込められたメッセージ性を感じさせます。(輸入元情報)

【収録情報】
● イオランタ&くるみ割り人形〜チャイコフスキーのオペラとバレエに基づくシアター・ピース


 イオランタ:オレーシャ・ゴロヴニョーワ(ソプラノ)/ミラ・シュミット(バレエ)
 ルネ王:ステファン・チェルニー(バス)
 ヴォーデモン:ゲオルギー・ヴァシリエフ(テノール)
 ロベルト:アンドレイ・ボンダレンコ(バリトン)
 エブン=ハキア:シモン・コマサ(バリトン)
 アルメリック:ダヴィド・ケルバー(テノール)
 ベルトラン:平野 和(バス・バリトン)
 マルタ:ステファニー・メートランド(コントラルト)
 ブリギッタ:アニタ・ゲッツ(ソプラノ)
 ラウラ:アネリー・ソフィー・ミュラー(メゾ・ソプラノ)
 ウィーン国立バレエ団
 ウィーン国立歌劇場バレエ学校

 ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団
 オメール・メイア・ヴェルバー
(指揮)

 演出:ロッテ・デ・ベア
 舞台美術:カトリン・レア・ターグ
 衣装:ヨリネ・ファン・ベーク
 照明:アレックス・ブロック

 収録時期:2022年
 収録場所:ウィーン、フォルクスオーパー(ライヴ)
 映像監督:フェリックス・ブレイザハ

 収録時間:97分
 画面:カラー、16:9
 音声:PCM Stereo、DTS 5.0
 歌唱言語:ドイツ語
 字幕:独日英韓
 NTSC
 Region All

 輸入盤・日本語帯・解説付き

ユーザーレビュー

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ウィーン・フォルクスオーパーと東京二期会...

投稿日:2025/03/12 (水)

ウィーン・フォルクスオーパーと東京二期会の共同制作、日本での公演は今年7月、東京と名古屋で行われる。『イオランタ』と『くるみ割り人形』はもともとダブルビルプログラムとして作曲された作品で、現代でもパリのチェルニャコフ演出のように一緒に上演されることはあるが、現代の観客にとって、この二本立てはいささかヘヴィであるのも確か(『神々の黄昏』よりは短いけど)。特に現代においては観客として想定されるお子様向けとは到底言えない。そこで演出家ロッテ・デ・ベアが振付家アンドレイ・カイダノフスキー(この人の名前がHMVレビューでは落ちている)、指揮者オメル・マイア・ヴェルバーと協力して作ったのが、この二作を完全に合体させてしまおうという大胆なプロジェクト。両作を解体、結合させて、真ん中に休憩を挟んで実上演時間80分あまりという子供でも飽きずに見られる長さになったが、これが何とも良くできているのには感嘆あるのみ。昨秋『影のない女』を無残に切り刻んでしまったペーター・コンヴィチュニーの杜撰で投げやりな演出とは対照的(実は彼はデ・ベアの師匠なんだけど)。 冒頭の女声だけによる状況説明部分は大幅に刈り込んでいるが(オペラのナンバーで言えばNo.2は全部カット、イオランタのアリオーソは残っているが、No.1とNo.3も必要最小限に縮減)、軸になるのは『イオランタ』の方で、以後はオペラのストーリー通りに進行。そこに随時、『くるみ割り』の音楽が、元のストーリーやコンテクストとは切り離されて挿入され、ヒロインの心象風景をバレエで描き出すという仕掛け。もちろんオペラとバレエは全面的に相互浸透しており、オペラの人物がバレエに出たり、オペラのナンバーにバレエが加わったりする。たとえば、レネ王は悲痛なアリアを歌い終わると、鼠の被り物を付けて、バレエ場面で鼠の王様を演ずるが(ただし音楽は「雪のワルツ」)、これは悪意はなくても彼は娘の成長を邪魔する人物になっているという演出家の解釈。ちなみに、歌詞はすべてドイツ語で歌われており(日本人歌手たちはロシア語で歌うようだ)、オペラの人物たちが全員、現代の服装なのに対し、バレエ場面は伝統的な『くるみ割り』以上に幻想的。最も感心したのは、イオランタとヴォデモンの出会いの直後、『くるみ割り』のグラン・パ・ド・ドゥ(アダージョ)に変わって前半(第一部)が終わった後、後半冒頭で故意に出会いの場面を繰り返して(なぜなら、一番重要なシーンだから)、あの感動的な二重唱に入るところ。しかも二重唱が終わると直ちにバレエに移って、自分の運命を知ってしまったヒロインの動揺を表現する(鼠たちとの戦争の音楽)。ここなど、元のオペラの台本に不足している部分を完全に補完してしまっている。題名役ゴロヴニョーワはバレエ版のミラ・シュミットに比べると可憐、清純といったイメージは薄いが、現代的な芯の強い女牲になっている。その他、ヴォデモン、レネ王、エブン=ハキヤ、すべて好演。特筆すべきはヴェルバーの貢献で、彼がやっているらしい音楽部分の編曲も面白いが、本業の指揮も緩急自在、実に切れ味鋭い。今年秋からはハンブルク州立歌劇場の首席指揮者と、とんとん拍子に出世しているのも当然か。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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チャイコフスキー(1840-1893)

1840年:ロシアのウラル地方ヴォトキンスクで鉱山技師の次男として誕生。 1859年:法務省に勤務。 1861年:アントン・ルービンシュタインが設立した音楽教室(1962年にペテルブルク音楽院となる)に入学。 1863年:法務省を退職。 1866年:交響曲第1番『冬の日の幻想』初演。初のオペラ「地方長官」を完成。 1875年:ピア

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