Inviolata〜リュートとビウエラによるモテットとミサ曲　ジェイコブ・ヘリングマン

Inviolata〜リュートとビウエラによるジョスカン・デ・プレ

今年（2021年）没後500年を迎えたジョスカン・デ・プレの聖母マリアにちなむモテットとミサ曲を、リュートまたはビウエラ1台で演奏したアルバム。ルネサンス時代にはポリフォニーの声楽曲をリュートなどに移して演奏することが行われており、当時国際的な名声を博していたジョスカンの作品には、同時代やその次の世代の作曲家たちによる編曲が多数あります。ジェイコブ・ヘリングマンはそれらと共に自らの編曲も披露しています。
　アメリカ育ちのヘリングマンはギター演奏家でしたが、1986年にヤコブ・リンドベルイの録音を聴いてリュートに魅了され、翌87年にロンドンへ渡り王立音楽大学でリンドベルイに師事。その後「古楽のメッカ」ロンドンで様々なグループの通奏低音やリュート歌曲の伴奏で活躍し、その過程でジョスカンの音楽に深く魅了されていきます。2000年には今作と同様の企画によるジョスカン・アルバムをリリース。その後も探求を重ね、20年余りを経ての第2作としてここに結実しました。
　ヘリングマンは自身のウェブサイトで「聴く人の心の安らぎとなるように」との願いを綴っています。現代屈指のリュート奏者による500年前の偉大な作曲家とリュート演奏家たちへの静かなオマージュです。（輸入元情報）

【収録情報】
ジョスカン・デ・プレ：
1. アヴェ・マリア、清らかなおとめ／編曲：ジェイコブ・ヘリングマン[1964-]
2. 汚れなく、罪なく、貞節なるマリア／編曲：ハンス・ゲルレ[c.1500-1570]
3. ミサ曲『祝福された聖処女』より「キリエ1によるグロサ」／アロンソ・ムダーラ[c.1510-1580]
4. ミサ曲『祝福された聖処女』より「キリストよ、憐みたまえ」／編曲：ヘリングマン
5. ミサ曲『祝福された聖処女』より「キリエ2」／編曲：ヘリングマン
6. ミサ曲『祝福された聖処女』より「キリエ2によるファンタジア」／エンリケ・デ・バルデラーバノ（1547年頃活躍）
7. ミサ曲『祝福された聖処女』より「Mariam coronans」によるプレリュード／編曲：ヘリングマン
8. ミサ曲『祝福された聖処女』より「聖霊とともに」によるグロサ／編曲：ムダーラ
9. ミサ曲『祝福された聖処女』より「聖霊とともに」／編曲：ハンス・ノイジドラー[c.1508/9-1563]
10. サルヴェ・レジーナ／編曲：ヘリングマン
11. フェーブスの輝きに／編曲：ヘリングマン
12. スターバト・マーテル／編曲：シモン・ギンツラー[c.1500-af.1547]

　ジェイコブ・ヘリングマン（リュート＆ビウエラ）

　使用楽器：
　1999年マイケル・ロウ製作6コース・リュート、ハンス・フライ・モデル　16世紀前半（1,2,11,12）
　2016年マーティン・ヘイコック製ヴィウエラ・デ・マーノ（3-8）
　1997年アンドルー・ラザフォード製作6コース・リュート、ゲルレ・モデル　1580年頃（9.10）

　録音時期：2016年12月20日（2）、2017年5月8日（12）、2018年1月29日（9,10）、2019年2月25日（3-8）、2020年3月9日（1,11）
　録音場所：St Cuthbert's Chapel, Ushaw College, near Durham, UK
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）