グリーグの後継者、シンディングのヴァイオリン作品集
クリスティアン・シンディングはピアノのための小品『春のさざめき(春のささやき)』の作曲者として知られるものの、生前はピアノ五重奏曲、ピアノ協奏曲、交響曲第1番、ヴァイオリン協奏曲第1番といった後期ロマンディシズムのスタイルの作品で人気を集めていました。ロマンティシズムの衰退とともに忘れられていた彼の音楽は、近年、ふたたびコンサートや録音で取り上げられるようになりました。ヴァイオリンとピアノの教育を受けた彼のヴァイオリン曲にも光が当てられ、シンディングのロマンディシズムが好きだというヘンニング・クラッゲルードとクリスチャン・イーレ・ハドランが国立図書館所蔵の楽譜で演奏した録音は、その瑞々しい音楽で大きな注目を集めました。
ヨーナス・ボートストラン[1973-]とヨルン・フォスハイムによるアルバムでは、初録音の作品を含む7つの曲と曲集が演奏されます。2つのアレグロの楽章が抒情的な「ロマンス」の楽章をはさむ古典的ソナタの形式による『ヴァイオリン・ソナタ』。ノルウェーをたびたび訪れていたアンリ・マルトーが初演した『4つの小品 作品43』。当時ジャンルとして人気があり、ピアノ共演版と管弦楽共演版が作られた『伝説曲』。「エレジー」「バラード」「アルバムのページ」といったタイトル通りの曲を集めた2つの『4つの小品』(作品61と81)。「非の打ち所がない」4つの曲(楽章)で書かれ「ソナタ」の深みをもつといわれる『組曲ト短調』は、初CD録音の作品です。(輸入元情報)
【収録情報】
シンディング:ヴァイオリンとピアノのための作品集
Disc1
● ヴァイオリン・ソナタ(ホ長調) Op.27
● 4つの小品 Op.43(前奏曲/バラード/子守歌/祭り)
● 伝説曲 Op.46
Disc2
● 4つの小品 Op.61(前奏曲/エレジー/バラード/マズルカ風に)
● 2つのロマンス Op.79(ロマンス第1番/ロマンス第2番)
● 4つの小品 Op.81(アリア/アルバムのページ/ロマンス/ヴィヴァーチェ)
● 組曲ト短調 Op.96(アレグロ/アンダンテ/アレグレット/コン・フオコ)
ヨーナス・ボートストラン(ヴァイオリン)
ヨルン・フォスハイム(ピアノ/Steinway D0274, 1893 New York, restored in 2010)
録音時期:2019年9月30日〜10月2日、2020年3月5-7日、4月6,7日
録音場所:オスロ、ソフィエンベルグ教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作、録音:ヨルン・ペーデシェン