シンジア・アルッザ

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99%のためのフェミニズム宣言

シンジア・アルッザ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784409241356
ISBN 10 : 4409241354
フォーマット
出版社
発行年月
2020年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
169p;20

内容詳細

私たちはまだ連帯できる――ほんとうの敵は資本主義だ


1%の富裕層ではなく、「99%の私たち」のために、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を。いまや世界中に拡がる女性たちの運動とも共鳴しながら、研究の第一線でも活躍するジェンダー学者たちが、性の抑圧をもたらす現代資本主義の終焉を呼びかける。分断を正確に認識することで、私たちはまだ連帯できる。


「99%のためのフェミニズムは反資本主義をうたう不断のフェミニズムである――平等を勝ち取らないかぎり同等では満足せず、公正を勝ち取らないかぎり空虚な法的権利には満足せず、個人の自由がすべての人々の自由と共にあることが確証されないかぎり、私たちは決して既存の民主主義には満足しない」(本文より)。



◎目次

1 新たなフェミニズムの波がストライキを再構成する

2 リベラル・フェミニズムは崩壊した──私たちは前に進まなければならない

3 私たちには反資本主義のフェミニズムが必要だ──99%のためのフェミニズム

4 私たちは社会全体の危機のさなかを生きている──そしてその根源は資本主義にある

5 資本主義社会におけるジェンダー的抑圧は、社会的再生産が利益目的の生産に従属していることに根ざしている──私たちはその順番を正しくひっくり返したい

6 ジェンダーに基づく暴力には多くの形があり、そのすべては資本主義と複雑に絡みあっている──私たちはそれらすべてと闘うことを誓う

7 資本主義はセクシュアリティを規制しようとする──私たちはそれを解放したい

8 資本主義は人種主義的・植民地主義的暴力から生まれた──99%のためのフェミニズムは、反人種主義かつ反帝国主義である

9 資本による地球の破壊から脱するために闘う──99%のためのフェミニズムはエコ社会主義である

10 資本主義は本物の民主主義や平和と両立しない──私たちの答えはフェミニスト的な国際主義である

11 99%のためのフェミニズムはすべてのラディカルな運動に反資本主義の反乱を呼びかける

【著者紹介】
シンジア・アルッザ : ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチ(the New School for Social Research)哲学科准教授

ティティ・バタチャーリャ : パデュー大学歴史学准教授

ナンシー・フレイザー : ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチ(the New School for Social Research)政治・社会科学科教授

惠愛由 : 1996年生まれ。同志社大学大学院文学研究科英文学専攻博士課程。専門は現代アメリカ文学、ジェンダー表象研究。BROTHER SUN SISTER MOONでベースとボーカルを担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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資本主義批判としてのフェミニズム・マニフ...

投稿日:2021/03/01 (月)

資本主義批判としてのフェミニズム・マニフェスト。いわゆるリベラリストは先進国白人エリート女性の視点にもとづく対案を示すばかりで、貧困の克服など構造的かつ根本的な改革にはつながらない。他方で旧来の左派は階級闘争志向が強く、再生産労働(セカンドシフト、家事労働)への問題意識が不十分であった。南米やポーランドにおける「ストライキ」の意義は、女性に押し付けられた無償の再生産労働の重要性を顕在化させた点にあり、また人種と階層を問わず連帯できることを示したことにある。 ジェンダー、フェミニズムを考える上でよりラディカルな視点を与えてくれる一冊。

ポアンカレ さん | 東京都 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • とよぽん さん

    なぜ99%という数字が出ているのだろうと思って読み始めた。さほどページの多い本ではないが、読み終えるまでかなり時間がかかった。(用語が難しいから?) フェミニズムの問題を解決するためには、資本主義、新自由主義を変えなければならないと力説されている。所々にキラッと輝く鋭い言葉があり、特に社会的再生産について、いろいろ考えさせられた。世界のあらゆる差別を、どうすれば解消できるのだろうか。

  • ネギっ子gen さん

    アメリカを拠点とする3名のフェミニストによる共著。冒頭に、マニフェスト。11の章立てに、長い「あとがき」がついて、詳細な解説に「訳者のあとがき」。【ジェンダーに基づく暴力には多くの形があり、そのすべては資本主義と複雑に絡み合っている】 1%の富裕層ではなく、「99%の私たち」のために、世界中に拡がる女性たちの運動とも共鳴しながら、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を目指す闘いをすることを宣言する。本書は、下段の注釈や重要なフレーズはゴチックの工夫等で意外と読みやすかった。エキサイティングな読書でした。⇒

  • わん子 さん

    資本主義社会は年代を追うごとに変容し、今はネオリベラリズム=新自由主義社会だそうだ。経済の金融化、自己責任論、社会保障の民営化による弱者(有色人種、女性、性的マイノリティ、低賃金のエッセンシャルワーカー 等々)への経済的心理的構造的抑圧そして抑圧側の差別意識の助長。資本主義は私達が富を享受する仕組だと思わされること自体がネオリベの狡猾さ。資本主義の否定なんて過激?いやいや、誰かを抑圧することでしか生きられないなんてまっぴらだろ!人間らしく生きることを考えたら当然の帰結とも言える魂の希求なんではないかな。

  • katoyann さん

    気鋭の学者3人による反資本主義フェミニズムのマニフェストである。「体制の一員になる」リーン・イン・フェミニズムは能力主義を礼賛し、ガラスの天井を破るとして、企業幹部や経営者、または政治家になる女性を応援してきた。しかし、一部の特権階級の女性のために家事と育児が女性の移民労働者に外注されるという新たな搾取が生じる。つまり資本主義体制を維持するエリート女性のために大多数の女性が抑圧される。それはまた福祉予算を縮小する新自由主義を追認する。その結果、大多数の女性の貧困が生じる。資本主義打倒を訴える刺激的な一冊。

  • nbhd さん

    いろいろ考えさせられた。この宣言は、「女性も競争に参加して、高い生産性をあげることが女性の地位向上につながる」とする“リーン・イン・フェミニズム”を批判の対象としている。女性男性問わず、様々な困難の原因は資本主義にある。リーン・インの人たちが、多様性を盾に(←これが厄介)「これが私の生き方なのよ!」と主張すると、資本主義にさらに拍車がかかり、99%は困る。だから、戦うのだ!と宣言している。マルクスばりに力強い。

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