交響曲の迫力が凄い！ティンパニ（スネギリョ−フらしい）の目が覚めるような強打は他では聴くことが出来ない。ソリストがオイストラフであれアルゲリチであれ対等に渡り合い自分の音楽にしてしまうコンドラシンはただものではない、と思う。

一糸乱れぬアンサンブル、凝縮されたエネルギー、全くスキの無い演奏にただただ感動。惜しむらくはホールトーンと聴衆。ハーモニーの無いペラペラ音響の東京文化会館は最悪。当時もしサントリーホールがあったらなと思う。それとフィニッシュと同時に雄叫びをあげた聴衆。あと２秒待って欲しかった。

ロストロポーヴィチは優れたチェリストであると同時に優れた指揮者である。それは、70年代のチャイコフスキーの演奏からも明らかだ。指揮は本業ではないから…という評価は間違っている。ムラヴィンスキーやコンドラシンの呪縛から逃れ、熱く、個性的なこの全集にもっと注目してしかるべきだ。この中ではＮＳＯとの演奏が素晴らしい。とりわけ、音響的な迫力から言ったらこの全集が一番だ。

演奏、録音自体の質は、平均以上の出来。バルシャイの棒ということで、期待大だった割には堅実すぎて面白みにかけ、拍子抜けしてしまった。しかしながら、この値段破格！値段以上の価値はあります。

映画仕立てにしたのはいいのですが、肝心のオペラではどんなものなのか分からなくなってしまってます。俳優と歌にほんの少しのずれがある所もあり気になります。 それよりも一番のマイナス点は映画仕立てのせいで、オペラのいくつかのシーンが何カ所かカットされているようなんです。このＣＤも購入し、（日本盤はありませんから、英語を含め４カ国語の）解説を読むと、元のオペラとの違いが見つかります。曲もオペラでのシーンと違う場面で使われている所もあるようです。 ですから、この物語を知るという事では申し分のない映像作品ですが、

昔あるピアノの本で　有名なピアニストＮ女史の現代音楽についての痛烈な批判を見たことがある。その時私は単にこの人が勉強不足だと思った。そして今そのことを確信した。このＣＤを聴いても　以前と同じ考えならコンクールの審査員なんか辞めたら。

あまり話題にならないのが不思議だが,ロストロのショスタコーヴィチは情熱的ですばらしい。独特のテンポ感やアゴ−ギクがあり、決して凡庸ではない。バーンスタインがタメとコブシで共感を表すとすれば、ロストロには激情や勢いという要素がある。ただし、作品によって出来にむらがあり、情熱が空回りすることも。しかしこの2曲は成功している。

比較的早い時期から、ｼｮｽﾀｺを取り上げていたｵｰﾏﾝﾃﾞｨの豪快な演奏。それも、何かと物議を醸し出していたﾀｺ４ですが、ﾌｨﾗﾃﾞﾙﾌｨｱの鳴りップリが見事です。最近では、ﾁｮﾝの演奏が良いそうですが、この演奏が下地となっていること確実です。

とにかく凄い演奏。弱音から爆音！までの幅がとてつもなく大きく、もっと広い部屋で、そしてもう１ランク上の装置で聴くと、もっと感動できるに違いない。いや、それより是非実演で聴いてみたいと思う。表現のニュアンスも、自然だがさりげなく凝っていて、「レニングラード」ってこんなに名曲だったのかなと改めて感心した次第。「シェエラザード」、「アレクサンドルネフスキー」、に続く名演奏、ゲルギエフ絶好調！！

全集としての価値は高いと思う。むらのないハイレベルの演奏・録音で、初心者にもお勧めできる。演奏家にとっても、ギャラは安いだろうが大勢の人に聴いてもらえることで、満足なのではないか。ブリリアントさん、これからも頑張って！一生懸命応援します。これをベースにして、より個性的なカラヤンの１０番とか、ゲルギエフの７番とか、ムラヴィンスキーの５番とか、ザンデルリンクの１５番とか（以上がお気に入り）聴いてみるといいと思う。