ショスタコーヴィチ(1906-1975)

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CD 輸入盤

マーラー:交響曲第10番〜アダージョ&プルガトリオ(メンゲルベルク版)、ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン&香港フィル

ショスタコーヴィチ(1906-1975)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
8574372
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


マーラー演奏の伝統を継承するズヴェーデンのマーラー10番

「1924年、マーラーの交響曲第10番の第1、第3楽章(クシェネク版)をシャルクが初演した直後、メンゲルベルクもまた、作曲家ドッパーとともに独自のバージョンを作り、両楽章を演奏していた。当盤はその楽譜による世界初録音だ。随所に加えられた改編は大胆で、特に第3楽章は、クック版を聞き慣れた人なら衝撃を受けるだろう。この曲の演奏史においても、メンゲルベルクのマーラー観を知るうえでも興味が尽きない録音だ。」
〜増田良介〜


2019年12月13日と14日、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデンの指揮する香港フィルは「”9番”の呪縛を越えて」と題するコンサートを行いました。前半がマーラーの交響曲第10番よりアダージョ(第1楽章)とプルガトリオ(通常は第3楽章、メンゲルベルク版では第2楽章と表記)、後半がショスタコーヴィチの交響曲第10番という重量級のプログラムで、特に注目を集めたのがウィレム・メンゲルベルク[1871-1951]の校訂版を使ったマーラー。
 マーラーが未完成で遺した第10番について、アルマ・マーラーはベルクとクレネク(クシェネク)のサポートを受け、アダージョとプルガトリオはほぼ演奏可能な状態と判断、クレネクに補筆を依頼しました。アルマはメンゲルベルクに初演を託したかったようですが、実際は1924年10月12日にフランツ・シャルク指揮ウィーン・フィルにより初演されます。同年11月27日にはメンゲルベルク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団がオランダ初演を行いましたが、この際にメンゲルベルクはマーラーの遺した資料に加えてシャルクが初演に使ったスコアを提供され、アルマから独自の改訂を行う同意を得ました。メンゲルベルクは、コンセルトヘボウ管の副指揮者で作曲家だったコルネリウス・ドッパー[1870-1939]をアシスタントとしてスコアをブラッシュアップ。そのスコアはハーグのメンゲルベルク・アーカイヴに、パート譜はコンセルトヘボウ管のライブラリーに保存されています。
 大手楽譜出版のショット社はメンゲルベルク財団及び音楽学者マリヌス・デーヘンカンプとの共同作業で、この「メンゲルベルク版」を校訂して出版。その初演を託されたのがアムステルダム生まれで、コンセルトヘボウ管のコンサートマスターを務めたズヴェーデンでした。彼は香港での初演の翌2020年1月8日に、メンゲルベルク自身がこの曲を指揮したコンセルトヘボウ管とともにアムステルダムで演奏しました。
 注目度という点ではマーラーが勝ってしまいますが、地元紙が「正確無比な演奏が非情さと恐怖さえ呼び覚ます」と評したショスタコーヴィチの第10番の演奏も素晴らしい出来栄えで、このコンビのベスト・ディスクのひとつとなることでしょう。ちなみにショスタコーヴィチは1942年にマーラーの10番の補筆を依頼されましたが断っています。(輸入元情報)

【収録情報】
1. マーラー:交響曲第10番嬰ヘ長調(1910)〜メンゲルベルク&ドッパーによる演奏会用版

 I. Adagio (24:44)
 II. Purgatorio (4:19)

2. ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調 Op.93(1953)
 I. Moderato (22:14)
 II. Allegro (4:32)
 III. Allegretto (12:01)
 IV. Andante - Allegro (13:35)

 香港フィルハーモニー管弦楽団
 ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指揮)

 録音時期:2019年12月13,14日
 録音場所:Hong Kong Cultural Centre
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
 世界初録音(1)


ユーザーレビュー

総合評価

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これは元気なオーケストラである。献身的で...

投稿日:2023/10/07 (土)

これは元気なオーケストラである。献身的で一生懸命。技術も素晴らしい。香港フィル。噂には聞いていたが、アジアには素晴らしいオーケストラがたくさんあるものだ。中国本土のオーケストラの録音は不定期にしか、発売されないのが残念だが、きっと素晴らしいと思う。スヴェーデンが、中国(香港フィル)と米国(ニューヨークフィル、ダラス響)を兼務することにも興味を持った。架け橋のような気がした。香港フィルでショスタコーヴィチ。ソビエト社会主義に翻弄された彼の音楽が香港という地で奏でられる意義と幸いさを思う。シリーズをひっそりと応援したい。潤いある録音。音楽に国境はなく、音楽を通じて人は仲間になれる。いろんな思いが錯綜した。

おとちゃん さん | 大分県 | 不明

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このCDのウリが5分にも満たないメンゲルベ...

投稿日:2023/01/13 (金)

このCDのウリが5分にも満たないメンゲルベルクにより校訂されたプルガトリオだというのも、ショスタコさんにも申し訳ない気がしないでもありません。しかし、これだけでも購入して良かったと思う内容でした。ナクソスにしては珍しく6ページのライナーノートが用意されています。テレビ番組でハイティンクがメンゲルベルクの書き込み満載の「大地の歌」のスコアを勉強している模様を見たことがあります。ハイティンクが「このスコアの書きも身を見るとさぞかし素晴らしい演奏会であったはずだ」と語っていました。メンゲルベルクの指揮する10番、聴いてみたかった。。。

jin さん | 長野県 | 不明

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「わたしの交響曲は墓碑である」という“証言”の中の言葉によって象徴されるショスタコーヴィチの音楽と生涯への価値観の変質は、今もって盛んな議論と研究、演奏解釈によって再認識過程の最中にあるとも言えますが、作品によってはすでに演奏年数も75年に及び、伝統と新たな解釈の対照がごく自然におこなわれてきているとも言えそうです。 圧政と戦争の象徴でもあったソビエト共産主義社会の中に生き、そして逝ったショスタコ

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