シマノフスキ:スターバト・マーテル、ペンデレツキ:ディエス・イレ、哀歌
ミヒャエル・ギーレン&ウィーン放送交響楽団
オーストリア放送のアーカイブ録音より、ミヒャエル・ギーレンが得意とする近現代作品集の登場。今回のアルバムに収録された3つの作品は異なる音楽語法を用いた「哀歌」であると言えるでしょう。ギーレンはどの作品においても、決して音楽に没入することはなく、作品の持つ追悼の念を理知的に表現しています。
1926年に書かれたシマノフスキの『スターバト・マーテル』は、中世ラテン語のテキストをポーランド語に翻訳したものが用いられた作品。イエスを亡くした母マリアの悲しみが描かれています。ペンデレツキの3部構成の『ディエス・イレ』は1926年の作品。アウシュビッツ強制収容所の犠牲者を追悼するために書かれたため「アウシュビッツ・オラトリオ」の副題を持っています。アルバムの最後には52の弦楽器のための『広島の犠牲者に捧げる哀歌』が置かれています。トーンクラスターなどの技法と幅広いダイナミクスが特徴で、20世紀を代表する作品のひとつです。とりわけ最後の場面でのfffからppppへのフェードアウトはギーレンの手腕が冴える聴きどころです。歌手たちも当時最高の顔ぶれが揃えられており、見事なアンサンブルを聴かせています。(輸入元情報)(写真 輸入元提供)
【収録情報】
1. シマノフスキ:スターバト・マーテル Op.53
Stala matka bolejaca(御母は悲しみに暮れ)
I ktoz widzac tak cierpiaca(かくも責め苦を負う)
O Matko, zrodlo wszechmilosci(さあ、御母、愛の泉よ)
Spraw, niech placze z Toba razem(私の命ある限り)
Panno slodka, racz mozolem(乙女の中のいと清き乙女よ)
Chrystus niech mi bedzie grodem(キリストよ、私がこの世を去る時には)
2. ペンデレツキ:ディエス・イレ
I. Lamentatio
II. Apocalypsis
III. Apotheosis
3. ペンデレツキ:広島の犠牲者に捧げる哀歌
エレナ・モシュク(ソプラノ:1)
アネッテ・マルケルト(アルト:1)
アントン・シャリンガー(バリトン:1)
シネ・ノミネ合唱団(1)
エヴァ・イジュコフスカ(ソプラノ:2)
ザコス・テルツァキス(テノール:2)
スティーヴン・ロバーツ(バリトン:2)
ウィーン・コンサート合唱団(2)
ウィーン放送交響楽団
ミヒャエル・ギーレン(指揮)
録音時期:2000年1月28日(1)、1995年3月31日(2,3)
録音場所:ウィーン、コンツェルトハウス
録音方式:ステレオ(ライヴ)