いわゆるお国物ではないため、産地の香りや、直送の鮮度はないが、マゼールが鬼才と呼ばれていた頃の若き血潮と、それに呼応するＶＰＯの熱気が、紛れもない名熱演を生んだ。特に３番以降が秀逸である。

「くるみ割り人形」は演奏が曲を完全に超えており、まるでチャイコフスキーの一大交響詩を聞いているようだ。強奏時の迫力は圧倒的であり、改めてムラヴィンスキーの偉大さを認識した。（なお、シベリウスの交響曲第７番は曲そのものに余り関心がなく、コメントを差し控える。）

ヴィータサロの音色で深く心に沁み込んでくる。

やわらかく美しい音色のVPOと若くてエネルギッシュなマゼールの組み合わせが、独特の演奏を作り出しています。やる気のあるときのVPOの良さを満喫できるという点で、シベリウスが特に好きでない人にもお勧め。

ＬＰ盤が完全復活。音質が大幅に向上。向上してむしろ粗がでる場合が多いが、このシリーズではむしろ逆で、「タピオラ」などは、ハンニカイネン盤に迫る高密度の演奏であることに気づく。必聴の価値のある１枚である。ー２点は、さすがに録音が古いので

演奏の熱気にいつしか音の悪さを忘れる。シベリウスとブラームスは、ヌヴーを聴きたくなることが一番多いんです。

下の方も書いてらっしゃいますが、シベリウスではなく、現代随一のオーケストラサウンドとして抜群、痛快です。惜しむらくは、２番の初出時にカップリングされていた管弦楽曲（特にフィンランディア）が聞けなくなったこと。残念です。

マゼールの冷徹さがいい方向に働いた名演。録音のせいもあるだろうが、ピッツバーグｓｏ．の響きがマゼール一回目のウィーンｐｏ．に比べて、さらにシベリウスらしさを感じさせる。（余談になるが、ＬＰで愛聴しているプレヴィン／ピッツバーグｓｏ．の第２番のＥＭＩ盤はＣＤ化されているのだろうか？）いずれにしても、この名演がこの価格で買えるとは…嬉しい限りである。

力強く熱い演奏。各楽器の音に表現力があり、メリハリのある指揮で、繊細な表現も美しい。かなり強気な３番と５番がおもしろくてすばらしいし、小品の演じ分けもとても巧い。それらをよく捉えた録音も優秀。

第２番は、ただ暗く重くて単調．何回聴いても??? 　期待していたのに一体どうしたの？ 同時期に再発売されたマゼール/ピッツバーグＳＯも暗くて陰鬱だけれど、まだそれなりに楽しめます。(マゼールならＶＰＯの方がもっといい）他の曲もイマイチで、ヤンソンスらしくない。シベリウスは、不向きか？ 第５番も、もっと明るくいきましょうよ！