『から騒ぎ』『吸血鬼』　クラウス・ジモン＆ホルスト・シンフォニエッタ

コルンゴルト：『から騒ぎ』『吸血鬼』

20世紀初頭のオーストリアで「神童」として次々と作品を発表、脚光を浴びたコルンゴルト。1927年に初演した歌劇『ヘリアーネの奇跡』の成功でその名声は絶頂に達します。その頃、ヨハン・シュトラウスの歌劇『こうもり』をミュージカルに編曲したものが、ニューヨークのブロードウェーで公演され成功したことでハリウッドに進出。彼が最も得意とした歌劇、劇音楽の手法と華麗なオーケストレーションを映画音楽に採り入れたことで、「ハリウッド映画音楽の創始者」として多大な功績を残すことになります。
　このアルバムには、彼のウィーン時代の2作の劇音楽を収録。『から騒ぎ』は同名のシェイクスピアの劇のための音楽で、豊かな表現力と鮮やかな場面描写、濃厚なオーケストラの響きを伴うコルンゴルトの最も人気を博した作品のひとつです。かたや1922年の『吸血鬼、または密猟者』はほとんど知られていない作品ですが、こちらもドラマティックな展開と後の華やかな映画音楽を思わせる豊潤な音色が楽しめます。『から騒ぎ』で『バルタザールの歌』を歌うのはバロック作品を中心に幅広いパートリーを持つテノールのハンス・イェルク・マンメル。ハープの伴奏による典雅な歌唱が作品の雰囲気を盛り上げています。（輸入元情報）

【収録情報】
コルンゴルト：
● 劇付随音楽『から騒ぎ』 Op.11 (1918-19)（完全版、ドイツ語歌唱）
1. 序曲
2. Act I Scene 1：戦争の音楽
3. Act I Scene 2：ドン・ファン
4. Act II：前奏曲『仮面舞踏会』（ホーンパイプ）
5. Act II Scene 1：祝典曲
6. Act II Scene 1：ベアトリスをめぐるベネディクトの謎
7. Act II Scene 3：バルタザールの歌『Ihr Madchen klagt nicht Ach und Weh』
8. Act III：前奏曲『庭園の音楽』
9. Act III Scene 1：間奏曲
10. Act III Scene 3：ドグベリーとヴァージェス（夜警の行進）
11. Act III Scene 3：逮捕
12. Act III Scene 4：花嫁の部屋の乙女
13. Act IV Scene 1：教会の情景
14. Act IV Scene 2：ドグベリーとヴァージェス（繰り返し）
15. Act V Scene 3：葬送音楽
16. Act V Scene 4：間奏曲（繰り返し）
17. Act V Scene 4：最後のダンス

● 『吸血鬼、または密猟者』 (1922)（ドイツ語によるナレーションと歌唱）〜C.バウアーとK.ジモンによる演奏会版
18. Act I：Meine Damen, meine Herren
19. I：Gejagt waren sie alle! - Mein lieber Herr Professor - Song：Wovon sind Floh und Wanze so frohlich und so fett?
20. Act I：Das wirkte!
21. Act I：Aber wenigstens - Das soll es un zeigen!
22. Act II：Johannes seinerseits
23. Act II：Zu diesen Beiden
24. Act II：Mark aus ihren Knochen!
25. Act III：Vorher aber
26. Act III：Ich bin euer Kutscher
27. Act III：Ich will Ruhm! - Tanz der Grauweisen um den Feuerkreis
28. Act III：Nein
29. Act III：Coda

　ハンス・イェルク・マンメル（テノール：7）
　エッケハルト・アベーレ（ナレーター：18-26,28,29）
　ホルスト・シンフォニエッタ合唱団（26,27）
　ホルスト・シンフォニエッタ
　クラウス・ジモン（指揮）

　録音時期：2014年3月19-21日
　録音場所：E-Werk, Freiburg
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）
　世界初録音（吸血鬼）