秋の気配が感じられる季節になると聴きたくなるのが、ヤルヴィ・エーテボリ響によるグリーグやシベリウスの音楽。派手な演出が無いのはカラヤンなどとは対極だが、まさに白夜の北欧というイメージぴったり。 秋の夜長にはお勧めです。

　トカレフのＣＤ、初めて聴きました。ショパンがなかなかの名演であり、ピアノが見事な展開を見せてくれたものでした。エルツのオケはまずまず、拍手がないとライヴとは思われない録音です。

グリーグのこれらの曲はピアノが原曲であるにも拘らず最初からアコーディオン用に書かれていたのではないかと錯覚するほど美しく、そして朗々と歌うのである。この楽器、いや御喜美江と言う人の演奏技法と歌心にただただ驚くばかりだ。録音はストックホルム郊外のレナ教会とある。冷涼であってどこまでも透明な音場が拡がる素晴らしい収録だ。

バラードは素晴らしい出来映えだ。ふくよかに、しかし芯を残した直截的な描き込みが聴く者の心を捉える。もともとグリーグの作品中でも群を抜く美しい旋律・和声をもった作品で、14の変奏曲からなる民謡に由来する曲なのだが、アンスネスの弾き方がたいそう素晴らしい。旋律の一音一音が丁寧に計算された強さと柔らかさを保っていて、透き通った静かな背景にさざ波のような襞が拡がっていく様が美しい。

とても良い演奏だった。どの曲にも作曲家への敬意と共感が感じ取れた。著名な指揮者達の演奏が作為に満ちてると思えるほど、率直で、新鮮な演奏が，魅力いっぱいに響いてくる。おそらく,Ruudの影響であろう。私にとってこのアルバムは決定盤になった。特に、３枚目の『Last Spring』のSolbergの歌は心に沁みた。

このセットの最大のポイントは、グリーグ自身が芸術監督を務めたこともあるオケによる管弦楽曲全集だということ。ネーメ・ヤルヴィ/エーテボリ響と比べると、録音はよりクリア。オケの音もクリア。しかし、曲によってはエーテボリ響の深くやわらかい響きの方が魅力的にも感じる。『ペール･ギュント』は、グリーグのピアノ曲をハルヴォルセンが編曲した「結婚行進曲」も入っている。演奏はヤルヴィ盤ほどドラマティックではないが、これはこれでよい。値段を考えれば十分おすすめできるセットだ。ただし、単品とは違い、ＳＡＣＤではないので要注意。

写真が「センスのない」絵に変更になった??? そうですか？ このジャケット気に入っているんですけど...。

今回LP買換え組で、OIBPの890円特価とともに購入。この違いを指摘するのは難しい。LPがある以上、LPのアナログの音が一番に聞こえる。正直3倍の価格差は理解できない。私のラックス中心のアナログセットや、ボーズ中心のデジタルセットでは優位性を感じまられない。このアルバムの代名詞であるギレリスの写真がが「センスのない」絵に変更になったのは許せない。期待に答える内容無し。

買い替え組です。有名な録音ですので、LP時代からの愛着のある方も多いと思います。粗悪はリマスタリングではなく、このOIBPで華麗に蘇っているいる感じです。いい音になっていますね。LP時代を感じさせるジャケットも秀逸。ギレリスの代表的名盤の復活ですね。

表現力が豊かだからこそ、素朴なこれらの作品からｵﾍﾟﾗ･ｱﾘｱのようなﾄﾞﾗﾏﾃｨｯｸな味わいを表出できたのでしょう。確かに私とてｵｯﾀｰの歌唱を無条件で受け入れている訳ではありません。殊にｸﾞﾘｰｸﾞなら、ある種の清楚な雰囲気が必要だとは思いますが、それを差し引いても説得力ある歌唱であることに変わりはありません。そもそも、録音に恵まれないｸﾞﾘｰｸﾞの歌曲集で、これに代われるものがあるでしょうか？もしお薦めがあれば、是非紹介をお願いします。