エミール・デュルケーム

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自殺論 中公文庫

エミール・デュルケーム

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784122066427
ISBN 10 : 4122066425
フォーマット
出版社
発行年月
2018年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
707p;16

内容詳細

自殺は個人的気質の結果か、それとも社会的事実か?十九世紀ヨーロッパにおける自殺率の統計を仔細に分析し、自殺を「自戸本位的」「集団本位的」「アノミー的」「宿命的」の四タイプに分類。生の意味喪失や疎外感など、現代社会における個人の存在の危機をいち早く指摘した、近代社会学の礎となる古典的名著の完訳。索引付き。

目次 : 第1編 非社会的要因(自殺と精神病理的状態/ 自殺と正常な心理状態―人種、遺伝/ 自殺と宇宙的諸要因 ほか)/ 第2編 社会的原因と社会的タイプ(社会的原因と社会的タイプを決定する方法/ 自己本位的自殺/ 集団本位的自殺 ほか)/ 第3編 社会現象一般としての自殺について(自殺の社会的要素/ 自殺と他の社会現象との関係/ 実践的な結論)

【著者紹介】
デュルケーム : エミール・デュルケーム。1858年、フランス生まれ。社会学者。マックス・ヴェーバーと並ぶ社会学の創始者であり、ヴェーバーの歴史主義的方向性に対して、自然主義的アプローチをとった。ボルドー大学で教鞭をとり、『社会分業論』や『社会学的方法の規準』、『自殺論』を執筆。のちにソルボンヌ大学に転じ、『宗教生活の基本形態』や『道徳教育論』などを著す。1917年、没

宮島喬 : 1940年(昭和15)、東京生まれ。東京大学文学部卒業。お茶の水女子大学文教育学部教授、立教大学社会学部教授、法政大学大学院教授を歴任。お茶の水女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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フランスの社会学者デュルケームによる「社...

投稿日:2021/03/06 (土)

フランスの社会学者デュルケームによる「社会学的」自殺論。デュルケームの社会学的方法とは、社会的な事実を客観的な「物」のように考察すること。ここでは自殺というきわめて人間的な行為を、統計的データなどをあげながら淡々と分析していく。自殺をいくつかのタイプに分類して論じているが、結局デュルケームは、自殺は個人の問題ではなく社会的原因であるという。さて我が日本は先進国でも自殺率が高い国である。若者の死因の第一位が自殺というのは悲しむべきことである。この原因が社会であるならば、社会を構成する我々日本人一人ひとりに責任があるということになるだろう。100年以上前に書かれたこの本は、今日から見れば時代遅れな部分もあるが、多くの示唆を含んでいる。社会的なつながりが希薄で、自殺が大きな社会問題である日本人にはとりわけ読む意義があるといえるだろう。

からっ風野郎 さん | 東京都 | 不明

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多くの人が、目を背けたくなるような「対象...

投稿日:2021/02/23 (火)

多くの人が、目を背けたくなるような「対象」を扱いながらも、 社会の裏にただずむ、普遍的な原理をあばいてみせた本。

Joe さん | 大阪府 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • てれまこし さん

    19世紀は自殺の時代であったらしい。自殺は社会学的方法が応用される素材であるが、それ以上のものである。保守派は自殺増加を近代病と定義して、とくに個人主義を攻撃していた。政治からの疎外、宗教の衰退、家族の解体を自殺増加の原因として特定するデュルケムは、保守派の立場に近い。だが彼は保守派の攻撃から共和政を守るという目的がある。そこで彼は自殺の原因の社会的統合というレベルにおく。そうやって国家、宗教、家族の再強化という保守派の提言を斥けようとする。だが、彼が代わりに引っぱり出してきたのは職業集団という古い組織。

  • ドラマチックガス さん

    ウェーバー『プロ倫』(←一発変換できて驚く)とならぶ社会学の2大古典。分厚いけれど、資料読解が半分くらいあり、事例紹介も多い(しかもこれが面白い)ので見た目よりはずっと読みやすい。「アノミー的自殺」を「自己本位的自殺」と切り離して分類できるところがデュルケムの凄さだと思う。また、両者の違いが正直よくわかっていなかったけれど、数多く読んだ解説書よりもこちらの方がずっとわかりやすく腑に落ちた。

  • セイタ さん

    社会学の古典!社会学の著作を学ぶ授業の課題図書の1冊だったので読んだ。15時間で読了。社会学の3大巨頭の一人であるデュルケムの代表作だけありすさまじかった。それまで個人的な問題と考えられていた「自殺」という行為の裏側にある要因を分析し、それを「自己本位的自殺」「集団本位的自殺」「アノミー的自殺」と3分類していくまでの論理の展開が非常に緻密である。それぞれの言葉の定義をこれ以上ないほどに丁寧に行い、考えられる反論に片っ端からつぶしていくその姿勢はまさに社会学者の鏡である。他の著作も読んでいこう。

  • あんかけ さん

    3週間くらいかかって読み終えたぞ!!! 「なぜ自殺するのか」について、100年ちょっと前のフランスのデータを見ながら分析する本。300pくらいデータを見ながら「これか?違うよな」みたいな話を延々としているので中盤まで苦しい。それを越えるとそれまでの前提を踏まえつつ、4分類の自殺について腑に落ちる解説をしてくれる。死なないためにのオチは昔の欧米すぎるが、今でも通用しそうな話であった。現代日本のデータを見たら著者は何と言うだろうか……。書店の自殺フェスみたいなところで買ったが、買ってよかった。

  • owl&shepherd さん

    たら、れば、かも、かな、...したかと、...とも、などなど、ちまたにあふれる逃げ口上が、本物の社会学者の著作には皆無。言い切るにはこれくらいの知見、覚悟、労力を要すること、彼ら知識人のロジックの組み立て方がよくわかった。それが収穫。とても真似できそうにない。こちらの仕事柄から、印象に残ったのは、訳者さんの解説のひとこと。 「翻訳とは永遠に終わることのない奥行きのふかい仕事だということをあらためて思い知らされている」

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エミール・デュルケーム

1858‐1917年。フランスの社会学者。マックス・ヴェーバーと並ぶ社会学の創始者

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