除染と国家 21世紀最悪の公共事業 集英社新書

日野行介

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087210576
ISBN 10 : 408721057X
フォーマット
出版社
発行年月
2018年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
248p;18

内容詳細

◆推薦◆
「何というスリリングな取材記録か。
除染にまつわる官僚、学者たちの密議に
突っ込んでいく格闘技をみた思いだ。

除染と汚染土の再利用。
原発事故をなかったことにする
官・学の壮大な偽装行為のリアルが暴かれた。

きれいは汚い。汚いはきれい。
「除染」はこの国のありようの壮大な暗喩である。」
金平茂紀(TVキャスター)

◆内容紹介◆
「日本のためお国のために
我慢しろと言えないといけない」環境省官僚

政府の内部文書をもとに官僚、学者を直撃取材
福島第一原発事故・除染のウソを暴く!

2011年の東京電力福島第一原発事故に伴う放射能汚染対策の実態を知ることは、国家の信用と民主主義の基盤が破壊された現実を直視することである。

対策の柱となった「除染」は、この事故を一方的に幕引きする武器となった。著者は、環境省の非公開会合の記録を入手。本書はこれをもとに、官僚、学者に直撃取材を行い、為政者の真意を暴いた。 

森友・加計学園問題、陸上自衛隊の日報隠蔽問題、裁量労働制に関する厚生労働省のデータ問題、それらに伴う説明責任の放棄、公文書の意図的な未作成、果ては改竄まで……。
原発事故の幕引きを急ぐ国策はパンドラの箱を開け、この国の民主主義を壊した。

◆目次◆
序 章 除染幻想−壊れた国家の信用と民主主義の基盤
第一章 被災者に転嫁される責任―汚染土はいつまで仮置きなのか
第二章 「除染先進地」伊達市の欺瞞
第三章 底なしの無責任−汚染土再利用(1)
第四章 議事録から消えた発言−汚染土再利用(2)
第五章 誰のため、何のための除染だったのか
第六章 指定廃棄物の行方
あとがき 原発事故が壊したもの

◆著者略歴◆
日野 行介(ひの・こうすけ)
1975年生まれ。毎日新聞記者。九州大学法学部卒。1999年毎日新聞社入社。大津支局、福井支局敦賀駐在、大阪社会部、東京社会部、特別報道グループ記者を経て、水戸支局次長。福島県民健康管理調査の「秘密会」問題や復興庁参事官による「暴言ツイッター」等多くの特報に関わる。 著書に『福島原発事故 県民健康管理調査の闇』『福島原発事故 被災者支援政策の欺瞞』(いずれも岩波新書)、『原発棄民 フクシマ5年後の真実』(毎日新聞出版)等。


【著者紹介】
日野行介 : 1975年生まれ。毎日新聞記者。九州大学法学部卒。1999年毎日新聞社入社。大津支局、福井支局敦賀駐在、大阪社会部、東京社会部、特別報道グループ記者を経て、水戸支局次長。福島県民健康管理調査の「秘密会」問題や復興庁参事官による暴言ツイッター等多くの特報に関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • skunk_c さん

    事業そのものよりも、除染にまつわる環境省や地方自治体などの姿勢を問うた本。「被災者のために除染している」という表面をしながら、結局「低い線量」をもって被災者に受忍させようという姿勢を暴く。同時に情報公開制度を骨抜きにしようとする官僚機構(その背後には政府がいる)の姿勢を具体的に暴き出しているのが本書の大きな価値。外交・軍事などの「外に相手にいるもの」なら秘密も理解できるが、純内政的なことで情報を隠したら、有権者は判断の根拠が得られない。情報公開=民主主義の基礎という重大点をないがしろにするこの国の官僚達。

  • hatayan さん

    原発事故で飛散した放射能を地表から削る除染作業によって生じた土の再利用をめぐって、安全に見せかけて地元の建設資材に押し込もうとする国の動きを調査報道で明らかに。 除染の現場では手抜きや杜撰な被曝管理が横行。作業員は「新たな廃棄物が出る除染は不要。住民を帰還させず避難させればよい」と矛盾を見抜いていました。 当事者の納得を得るプロセスを踏まず地元に我慢を強要する。未曾有の危機が訪れたとき、為政者はいとも簡単に国民を棄てる。著者は「健全な民主主義を支える基盤は行政の情報公開と報道による監視」と締めくくります。

  • rico さん

    除染て場所に移すだけで、放射性物質が無害化されるわけではないから、問題解決にはならないのでは?と疑問に思ってはいたけど・・・。乱暴な言い方だけど、実態は、避難している人々の「帰りたい」という願いを利用し、あの事故を「なかったことに」して、何としても原発を稼働させ続けるための壮大なプロジェクト。あのフレコンの山。受入れ先が見つからず処理方法もきちんと決まらない中、資源として有効活用するので「ごみじゃない」と言い張る欺瞞。そんなに安全なら、オリンピックの工事に使えばいい。この国は何をやってるのか。

  • おかむら さん

    毎日新聞の記者が情報公開制度や当事者取材で「除染」事業の欺瞞に迫る! 剥ぎ取った大量の土の行方は? 仮置き場に積み上がる黒いフレコンバッグ。置き場が無い福島市は民家の庭に埋めてるって知らなかった…。しかもその汚染土を減らすため防潮堤や道路に利用する計画が検討されてるとは。汚染を「無かったこと」にする国の方向性が怖い。また仮置き場から持ってく(はずの)「中間貯蔵施設」のあいまいさも、30年後?の最終処分場がうやむやなのも、効果の数値をいいように解釈してるのも、なんもかんも酷すぎる!

  • tolucky1962 さん

    毎日新聞記者がジャーナリストとして情報公開と戦いながら、場当たり的で不透明な除染を訴えた著。大量の除染土は仮置き場に積み上がり、民家の庭に埋められる。汚染を無かったことにすべく防潮堤等に利用する計画。安全全神話で想定外の事故の準備がない。情報公開制度や公文書管理を逃げ言い回しで逃げ本質を避ける。責任を回避し、反省しないから繰り返す。廃棄物処理ができないのに稼働する。原発のリスク・コストは高すぎることが理解し政策に生かすべき。最後の後始末ができないならやめるべき。これを示すのが技術。技術は政治ではない。

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