トップ > My ページ > 雲谷斎 さんのレビュー一覧

雲谷斎 さんのレビュー一覧 

検索結果:80件中61件から75件まで表示

%%header%%

%%message%%

  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/03

    ヤルヴィ親子がスウェーデンの2つのオーケストラを起用してBISに録音した交響曲とピアノ協奏曲を3CDに編集した企画力にまず拍手を贈りたい。演奏、録音とも秀逸で、今のところ国内で入手しうるステンハマーのアルバムとしてはベストだろうと思われる。ステンハマーの聴きどころはドイツ・ロマン派の巨匠たち(わけてもブラームス、ワーグナー、ブルックナー)の“よすが”を曲の随所に染み込ませている作風にあるだろうが、ウィーンではロマン派後の音楽が12音技法などの前衛につながっていったのに対し、スウェーデンやイギリスではなお調性に基づく作曲技法が踏襲されていたようで、ドイツ・ロマン派の各国への影響という脈絡からもステンハマーという作曲家にもう少し興味がもたれてもいいのではないかと気づかされる。セレナードしか知らないのではあまりにも気の毒。このCD収録の曲でいえば、ドイツ・ロマン派の影響がはっきりわかるのは交響曲第1番。何やらブラームスで始まり、ワーグナーが出てきて、ブルックナーで終わるという風情。しかも、シベリウスのスパイスまで効いている。ピアノ協奏曲では、これにさらにラフマニノフも顔を出す。交響曲にしても協奏曲にしても、第2番になるとぐっと趣が変わって、作曲者の独自性=自信ありありという曲風になる。聞いていて、実に興味深い。それに、フィルアップされた4曲の小品の美しいこと。これを聞いていると、この作曲家は大曲(交響曲第1番もピアノ協奏曲第1番も45分を超える)よりも小品でこそ才能を発揮しうるのではないかとさえ思ってしまう。交響曲はライブ録音だが、拍手が鳴るまでそうとは気づかない。最近購入したCDのなかでも満足感のあった1組。
     

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/29

    CD2枚計54曲収録という聞き応え十分のアルバム。2曲を除き、1959-60年のDON COSTAのプロデュースになるナンバー。DON COSTAといえば、当時はポール・アンカのヒット曲も手がけていたABC-Paramountの重鎮。まだ日本ではイーディ・ゴーメなんて歌手の名前を誰も知らなかったが、その後のゴーメの歌唱力に磨きをかけたのがこの時代のコスタの薫陶にあったのだと気づかされる貴重な記録だ。それも正統派ビッグバンド・ジャズありディキシー風ジャズあり、さらにはヒットには至らなかったポップスありと、実に多彩。こんなに明るい、希望に溢れた音楽がいつも流れていたアメリカもあったのだ。そういう時代を知るポップス音楽好きの方にはわかってもらえそうな音の世界。CD1全曲とCD2の半分はステレオ録音。ゴーメ・ファンとしては星5つつけたいところだが、その後の彼女のすばらしい活躍を考えれば、発展途上と受け止めるのが至当なのだろう。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/07/19

     いかにイーディ・ゴーメのファンでも、何の情報もないこのCDを買うのはためらうだろう。唯一、スペイン語らしき曲名からラテン音楽アルバムだろうという推察ができるのみ。
     しかし、これは当りも当り、大当たりのすばらしいラテン音楽集成。2枚とも立派なステレオ録音で、ゴーメ節が全開。いやぁ、堪能、堪能。
     ただ、ほとんどの曲がコーラスまたはオブリガード付きなのに、それが誰かのクレジットは一切なし。トリオ・ロス・パンチョスだろうと思うが、その一文字もないのは不思議。
     2枚組の1枚目は爽快系ナンバー、2枚目はしっとり系ナンバーと、アルバムの構成はよくできている。夏の夜にこういうアルバムを聞くのは最高。
     CD2の4曲目、Sentado A la Vera Del Camino という曲は、民放BSの人気番組(イタリア、小さな村の物語)のテーマにも使われている曲で実に魅力的。
     ゴーメ・ファン、ラテン音楽ファンにお薦めできる優秀盤。聞くべし!

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/27

    Pepperの代表作をCD2枚で聞くなどというと「馬鹿もん!」と怒鳴られそうですが、それでもこれは聞きごたえがあります。とても良心的なCDであることは、ジャケットの the finest ever sound quality というクレディットの前に ”probably”という一語が添えられているのをみてもわかります。このCDの売りのひとつは、従来問題のあった”Meets The Rhythm Section”盤の録音を可能な限り原音に戻したところにあるようですが、聞いていて何らの違和感もありませんから、その試みは首尾上々なのでしょう。音も演奏も言うことなし。2枚とも80分の録音時間というCDはそうザラにあるものではありません。演奏?今さら言うことはありません。Pepperはもちろん、パーソネルの力量も十分に発揮させた見事な出来です。”Meets The Rhythm Section”はステレオですが、他のモノラルもそれをしのぐほどの優秀録音。うーーむ、このCDにはいいウィスキーという友が必要だな!

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/13

    ジャケット写真は60年代前半のわれらがカッコいいボビー・ヴィー。でも、DVDに出てくるのはボビー「でこヴィー」。つまり、すっかりおじさんになったかつてのスターがフロリダのライブハウスに登場した記録(カラー、45分)。もともと声量豊かな歌手ではなかったし、一晩のステージを満足させられるだけのヒット曲があったわけでもないから、”Legends”といっても本人の歌は5曲だけで、ゲストの歌が6曲というわけで、感激にひたるまでにはいたらない。というか、見ていて何か痛々しさまで感じてしまう。この人の歌はやはり60年代初期の明るい時代に映えるものだったのだと思わざるをえない。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/08

    フロリダ州オーランド市、ロックン・ロール・パレスでのライブ。96年発売のカラー映像。登場してるのは、Tommy Sands、Tommy Roe、Troy Shondell、Jack Scott、Bobby Vee、Lenny Welch、Joey Dee、Ray Petersenら12人。年はとっても、この1曲で生きてきたという人の歌はさすがにうまい。このDVD、最後にポール・アンカが「ロンリー・ボーイ」で人気の出た頃のドキュメントが15分ほどあって、これは初めて見る貴重なフィルムなのだが、なにしろスラング交じりの英語がさっぱりわからない。うー、残念。誰か字幕付けてくれー。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/08

    日本でいえばケントスのようなライブ・ハウスに往年のヒット・スターを集めた豪華な一夜を映像にしたもの。90年代の収録だから、カラー映像、音響もいいが、なにしろ登場のスターは、往時の年齢+30αだから、あぁあのボビー・ヴィーも“おでこのデコヴィー”といった風情。でもね、さすが昔とった杵柄、みんな自分のヒット曲はさすがにうまいんだわー。声の出ない森山加代子だとかただ毒々しい弘田三枝子などとはワケが違うのですよ。これが自分の歌だと信じていた人と、よくわかんないけど歌えっていわれたからという人との違いはこの年になると歴然とするんですねぇ。トーケンズの「ライオンは寝ている」やルー・クリスティの「恋のひらめき」のうまさにはびっくり。ともに全米1位の曲だけど、当時のEP盤よりもいいぐらい。それにしても、よくぞ19人もの人を登場させたものだ(編集かもしれないが)。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/08

    60年代前半のリッキー・ネルソンのヒット曲を片っ端からつないだ編集ビデオ。おじさんリッキーではなく、まさしく当時の姿が彷彿とするコレクター・アイテム。画面のつなぎは雑だし、作品としての出来を云々するたぐいのものではない。といっても、プレスリーを別にすれば、この時代の映像がよくもここまで残っていたものだと感心させられる。やっぱり、この人、単なる歌手じゃなくて、テレビ・スターだったからね、という理由はどうあれ、このドキュメントは貴重。見るのにくたびれない程度の画像(カラー)だし。それにしても驚いたのは、この人、どんなシチュエーションでも、EPで聞いているのではないかと錯覚するほどの正確で律儀な歌いぶり。ブレないといえばブレないのだけれど、面白みという点ではもうひとつねぇ。ま、もっともリッキーの歌というのは私に言わせれば、もともと“カントリー風お経ロックンロール”だったから、ブレようもないのだろうけれど。いずれにせよ、すべてが50年前の画像であることには敬意を払います。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/04

    前言の訂正。ステレオは1曲(That old black magic)。たいていの復刻CDの音はEP盤の再生音にかなわないが、このCDはEP盤を凌駕する鮮明な音で、一聴してびっくり、これはステレオだと勝手に思い込んだのがマチガイのもとでした。それにしてもいい音です。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/04

    この手の懐かしのポップス系ビデオはほとんどが今やおじさん、おばさんになったかつてのスターのライブもので、興趣を失う内容のものが多い。このDVDも企画としてはその域を出ないが、ただここに登場する50年代スターたちの歌はさすがにうまい。2004年4月にニュージャージーで開催されたショーのライブということで、画像はカラー。司会がパット・ブーンとマクガイア・シスターズの一人というのも泣かせるが、このショーは日本でいう懐かしのウェスタン・カーニヴァルの類らしく、50年代に少年・少女だった観客はもう興奮の坩堝。歌手と一緒に歌う顔はハッピーそのもので、見ている方までステージにのめりこんでしまいそう。それにしても、Crew-Cuts、Four Aces、Four Lads、Four Preps、Diamondsらのコーラスは見事だなぁ。ステージ芸も堂に入っているし。Patti Page、Gogi Grant、Debbie Reynoldsなどの姿を拝めるDVDはそうザラにはないだろう。50年代前半のアメリカはマコト羨望の的であり、日本人の憧れの国だったが、その伝説の歌声がこのDVDでは見事に蘇っている。88分の至福!

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/03

     60年代初期のオービソンは華奢で神経質な痩せぎすだったが、それから30年を経たこのセッションでの風貌は随分ふっくらとしていて、正直あゝ良かったなぁ、というのが第一印象。というのも、この人、人気の絶頂期直後に一度のみならず不慮の災いに襲われ、人生すべて無くしてしまったような苛烈な命運に晒されていたからだ。音楽に関係ない話とはいえ、今でも寡黙なこの人のステージをその思い無しに見ることはできない。
     ところがどうだ!このステージのすばらしさは!オービソンを支える「友人たち」とは、実は一時代を風靡した著名ソリストばかり。みんな人間オービソンや彼の音楽に敬意を払い、ステージでの共演を心から喜んでいることがひしひしと伝わってくる。17曲のナンバーもカバー曲無し。すべてオービソンのオリジナル曲。これもすごいことだ。で、オービソンはといえば、ひたすら歌い続けるばかりで、余計な話はひとつもしない。歌以外に発した言葉は thank you の一言だけ。カメラアングルにいまひとつ面白みは無いが、音楽は最良、録音も最高。こんな仲間と存分に歌を楽しめるオービソンはさぞかし幸せだろう。そんな彼のステージを見ることができて、あゝ良かったなぁ、と本当に思う。
     なお、私が買ったのはDVDは1枚のみで、もう1枚は同じ演奏のSACDだった。これも超優秀録音で、この2枚組は間違いなくお買い得。世代を超えてすばらしさがわかりあえるオービソンの音楽は「世界音楽遺産」候補だ。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/10/02

    1枚100円でこの内容。一度は聞いてみたい往年の名演奏がてんこ盛りだ。何よりすばらしいのは、たとえ録音が古くても、収録に一切の手抜きをしていないこと。とにかく立派。だから、クナの交響曲3番でのモンスター的フォルテッシモでも、重厚なドイツ・レクイエムでの合唱でも音割れは皆無。とても聞きやすいモノラル録音の復刻。メニューヒンによるバイオリン協奏曲(ケンペ/BPO)の1枚はステレオ録音。これがまた熱演で、録音も良好。聞きほれてしまう。交響曲を含めて10枚では室内楽は限られてしまうが、それでも興味をそそられるソリストの曲が選ばれていて、その演奏水準も高い。この企画力はなかなかのものだ。安価でもあるし、ブラームス音楽の愛好者には安心して一聴をお薦めできる。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/08/26

    イメージ写真が無く、どういうシロモノなのか判然としないと困惑する向きもあろうが、タイトルと価格から判断して、このLPはかつて(多分80年代後期)米DCCというレーベルからLPZ(2)−2042(国内番号はKZG31484)として限定プレスで発売されたものの普及盤であろう。当時の盤は肉厚、弩級の高音質2枚組で、筆者はROY ORBISONの曲は未だにこのLPで聞いている(LP保存のためCD録音こそしたが)。
    それにしても、このご時世にまだLPで(それも相当高価な価格で)発売している姿勢には心打たれる。それほど、このLPの音はすばらしいからだ。
    上質なアームとカートリッジで再生したこのLPの音は実にマイルドで、しばしばハイテンションになるオービソンの声もけしてけばけばしくさせないし、他のどんなCDでも聞くことのできない厚みのある再生音を実現させる。2枚組の各面5曲、計20曲という選曲も録音上の余裕を確保していて、かつオービソンの代表ヒットのすべてを網羅している。もちろん、全曲最高水準のステレオ録音。オービソンはもちろん、ポップス系の曲でこれ以上のいい音を求めることはできないだろうというほど水準の高いLPだ。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/31

     このCDに収録されているたった2曲(JadaとAll Alone)のために、これまで彼女のLP、CDを7、8枚も買ってしまったが(アルバムの収録曲を明示しないものがあるため)、もうこれでオシマイ。この3CDがあれば他の彼女のアルバムには手を出す必要がないだろう。
     ただ、3枚のCDの録音の出来にはムラがあるのも事実で、1枚目の彼女の代表作の数々は当時のEMIのモノ録音の最高峰でLP時代から定評あるものだったが、2枚目のポップス系になると相当雑な音源も混入する(でも、まぁ、それがいいんだよね)。3枚目はほとんどが文句ないステレオ録音でちょっと粋なジャズを聞きたい夜にはおすすめ。なにしろ、歌のうまさにかけては定評のあった彼女のこと、悪かろうはずがない。
     とにかく嬉しかったのはJadaが良好なステレオ録音だったこと。この1曲でも買った甲斐があったというもの。それにしても、これだけのアルバムにして、なぜ Goodbye Joe が入っていないのだろうか。彼女にとってはどうでもいい曲だったとは思うが、日本のファンにとっては結構忘れがたい曲なんだよねぇ。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/15

    シノポリ/SKDもこの価格で買えるようになったとは…。多くのSKDファンはシノポリの音づくりにがっかりしたものですが(ドレスデンの音はどこへ行ったのか!)、唯一この「楽園とペリ」だけは例外で、ふっくらとした、深遠なドレスデンの弦、管が清澄な合唱と相まって、実にいい雰囲気を醸し出します。多数にのぼるこのコンビの演奏でベスト盤はと聞かれれば、ためらわずに「楽園とペリ」と答えます。それが今や千円札でおつりがくるとは…。ところが、おもしろいことに、「序曲、スケルツォとフィナーレ」になると、またもやいつものシノポリに戻ってさっぱりという状態で、同じオケを振ったサヴァリッシュの足元にも及びません。ベルリンの壁崩壊直後のSKDを率いねばならなかったとはいえ、ホント、よくわからないシェフでした。しかし、付録の曲はともかく、「楽園とペリ」に関しては、同曲中一、二を争う名盤であることは疑いありません。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

検索結果:80件中61件から75件まで表示