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Billy Moon さんのレビュー一覧 

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     2011/02/17

    Disc1の1-19が”Sir Cristemas”、Disc1の20-26とDisc2の1-7が”Sing Nowell”、Disc2の8-21が”Carols of Today”と三つのアルバムが二枚にまとめられている。”Sir Cristemas”、”Sing Nowell”はクリスマスの定番(「清しこの夜」、「柊飾ろう」などなど。「おめでとうクリスマス」のアレンジがお茶目)とあまり知られていないもの(かのジェイムス・ジョイスがクリスマス曲の詞を書いてたって知ってました?「この子供を見よ」)が取り混ぜられている。対して”Carols of Today”はタイトル通り少し現代音楽的要素も入ったもの(HMVの宣伝文句通り、「美しく、しかも珍しい」)。名曲オンパレードで食傷気味になることもなく、かと言って知らない曲ばかりで気持ちが離れてしまうこともなく。ライナーに歌詞が掲載されているのも助かる。クリスマスの時期以外にも楽しめるし、ジャケットもかわいいし、言うことなし。(あ、でも、レコード三枚分を続けてがっつり聴くのは少しきついかも。一枚ずつ楽しみながら、がいいですよね。)

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     2010/07/27

    この盤でナレーターをつとめたボリス・カーロフは初代のフランケンシュタインの怪物を演じ、怪奇役者として一世を風靡した。そう思って耳を傾けるとすこし背筋が冷や冷やする場面もある(たとえば、狼がアヒルに近づく場面。それと、物語の終わりの”alive”の言い方!)。そんなことはさておき、舞台出身の彼のナレーションは重厚で耳に心地よい。演奏の方も媚びたところのない真摯なもの。でも、この盤の聴きものはカップリングの『キージェ中尉』だろう。ロッシはプロコフィエフの「尖った」ところより彼の曲の根底を流れている抒情性を重視しているように感じられる。子どものとき聞き慣れた昔話を思い起こさせるような温かみのある、そしてちょっぴり切なくなる演奏。ジャケもかわいいし、持っているとちょっと自慢したくなる、でも、夜中に一人静かに聴いてみたくもなる、そんな盤です。

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     2010/01/10

    Zimmermannの「ユビュ王の夜会のための音楽」がすごい。過去のクラシック名曲がコラージュというかごった煮にされたというか、隣り合って悲鳴をあげさせられている。「田園」に「ブランデンブルク協奏曲」、「断頭台への行進」に「ワルキューレの騎行」・・・。こんなにすさまじい毒を持った音楽はなかなかないです。

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     2010/01/10

    音が悪い。「40年代にミントンズで録音されました」と言われたら信じてしまうくらいに。しかし、演奏の熱気も、また40年代と同じくらいある。Sony/Columbiaへの録音とは比べ物にならないくらいに。おそらく、テナーのジェフリーがグリフィンに近いためではないだろうか。晩年のモンクは鬱に苦しんでいたというが、それを感じさせるところのない素晴らしい演奏が続く。音質故にコレクターズ・アイテムではあるけれど、モンクを知りたい人ならば、持って置いて損はないはず。

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     2009/08/09

    ゴロワノフの棒の下で、細部が引き延ばされ、拡大されると、親しみのある曲が全く違って聴こえてくる。ボロディンの交響曲は気宇壮大な大曲となって、そのアンダンテはブルックナー的な深みを持ち(そういう曲だっけ?)「はげ山の一夜」の鐘の音は心を震わし(そういう曲だっけ?)「展覧会の絵」はプロムナードでおなかがいっぱいになり(ちなみに、プロムナードは初めの以外すべてカットされている!)、キエフの大門にいたっては、少し前まで地上に存在していたユートピアを垣間見ることさえできるような気がする。こういう指揮をする人がいて、そういう人がいる国があったということ。それを知るには格好のディスク。もっとも、これを聴いてしまうと、他の演奏が聴けなくなるかも知れないけれど。いや、聴けるな、たぶん。

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     2009/06/27

    ショスタコーヴィチは第一回のショパン・コンクールに出場し、表彰はされたものの、賞は獲得できなかった。そのことが、彼をしてピアニスト兼作曲家(ラフマニノフのような)でなく、作曲に専念する道を選ぶことを決めさせたという。とはいえ、自作の演奏は続けており、比較的多く録音が残されている。この盤―ピアノ協奏曲第1番、第2番、3つの幻想曲、24の前奏曲とフーガ作品87より第1番、4番、5番、23番そして24番―は彼の残した録音の中でも比較的に音がいいほうだろう。(とはいえ、58年の段階でモノラル録音というのは悔やまれる) まず、特筆されるべきはLN。これだけ解説者が録音に関して距離をとり、厳しい見方をしているのは珍しい。ショスタコーヴィチがいかに技術面で衰えてきていたかを情け容赦なく書いている。この録音の前後から、ショスタコーヴィチは右手の異常を訴えるようになっていたらしい。技術的な要求が大きい箇所、たとえば第1協奏曲の第4楽章など、では弾き切れていなかったり、自分の指定したテンポより遅くして弾いていることが多い。3つの幻想曲にいたっては「美点を見つけることが難しい」とまで述べている。二つの協奏曲に関してはモスクワでのライブが残っている。まず、第1番は、ライブならではのピアノの暴れ具合(特に終楽章!)が激しく、曲の持つ無声映画のBGM的な雰囲気をよく伝えている。スタジオ盤のほうは、オーケストラがしっかりとピアニストについていっているので、安心して聴くことはできるが、作品が本来持っていた危うさ、というのはだいぶ薄れてしまっているように感じられる。(と言っても、妙に人を喰った作品だというのは十分に伝わってくるし、衰えが来ているってったってうまい。いい意味で、うまくごまかしている、と言うべきか?)第2番の第2楽章の美しさは、スタジオ盤のほうがそれをよくつたえているように思われる。とはいえ、センチメンタルになることはなく、作品を客観的に突き放して演奏してはいるのだけれど。そして、24の前奏曲とフーガ。この曲集にはニコラーエワの全曲盤があり、ギレリス、リヒテルなどがそれぞれ素晴らしい録音を残している。しかし、作曲者の演奏はそれらが霞んでしまうほどのインパクトを持っている。ペダルの使用が控えめなので(特に第5番!)、作品の骨格が透けて見え、かつ、自分が技術的に衰えているというのをあえて隠さないことによって、そこから偽りのない真摯な姿勢がにじみ出てくる。インテンポでさらっと弾き流しているようでいて、これだけ純粋で事故の中に沈潜していく瞑想的な演奏になっている、あたかも、考えていることがそのまま演奏として表れているかのようだ。この5曲だけでも聴かれるべき価値があると言える。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/04/23

    バルトークの音楽は難物揃い。その中でも特に親しみにくい作品がこのセットには含まれている(協奏曲第2番、二つのソナタ、無伴奏ソナタ、コントラスト)。何回挑戦しても途中で止めてしまうことになるかも知れない。しかし、それを乗り越えれば、バルトークの作品が持つ深い精神性、覚めれば覚めるほど熱を帯びていくという逆説のとりこになっていくはず。特に、無伴奏ソナタは、バッハ、パガニーニ以来のソロ・ヴァイオリンのために書かれた作品の中でも突出した完成度を誇っている。

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