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Review List of Ichirokagawa 

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     2022/02/27

    吉松隆さんの作品集の2枚組のアルバム。1曲目の「朱鷺によせる哀歌」は、瑞々しい響きが充実している。2曲目の「チカプ」は、フルートアンサンブルが聴き物。3曲目の「鳥たちの時代」は、タイトルにもなっているがこのアルバムの目玉。「平清盛」の音楽を想起させる、吉松さんの根幹のような作品で、濃厚な音響に陶然となる。最後に収められた交響曲第2番「地球(テラ)」にては、構えは紛れもなく交響曲のそれだが、込められた音楽は吉松さんらしいオリジナリティが感じられる。演奏も充実している。

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     2022/02/26

    河村泰子さんが弾いた吉松隆作品集。吉松さんの作品は環境音楽のように流しても十分に美しいが、タイトルを見ながら聴くことによってイマジネーションがぐんと拡がる。河村さんのために書き下ろしたという「6つのヴィネット」と「4つのロマンス」とでは随分と雰囲気が変わる。左手のピアノのための「タピオラ幻景」はひたすら美しいが、このアルバムの目玉は吉松さんが17歳の時に書いたという「青い神話」で、既に天才の片鱗が随所に見られる。最後は編曲版のカッチーニとシューベルトの「アヴェ・マリア」でしっとりと纏めている。河村泰子さんの演奏は、吉松隆さんのイマジネーションを表情豊かに再現して見事である。

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     2022/02/23

    カティア・スカナヴィの久々のアルバムは、ベートーヴェン、シューマン、そしてプロコフィエフの、いずれも第2番のソナタという好企画。2015年3月16日のマルセイユ国民劇場のライヴ収録である。スカナヴィの演奏は、今までショパンにしろラフマニノフにしろ、作品の本質に迫る凄味のあるものであった。久しぶりの演奏に接して、より作品の本質を抉り出していることに感心した。ベートーヴェンの第2楽章以後の表現は画期的で、ベートーヴェン初期の作品にこれほどの深みがあるのを初めて認識した。シューマンはロマンティシズムの高度な昇華に他ならない。プロコフィエフは、その諧謔性、暴力性を圧倒的な打鍵で表現している。終演後の拍手も、納得の出来栄えの証明である。

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     2022/02/22

    カティア・スカナヴィのラフマニノフにチャイコフスキーをミックスしたアルバム。目玉はラフマニノフのEtudes-tableaux(絵画的練習曲)作品39。ライヴで終演後に拍手があるのだが、なぜかパラパラ。で、アンコールの子守歌が奏される。スカナヴィの演奏は、じっくり聴くと凄味があるのだが、ただ聞き流す程度では良さが分からないかも知れない。取り上げられた作品は少し渋めだが、スカナヴィの本質を知るには打ってつけだと思う。

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     2022/02/19

    田中カレンさんのこどものためのピアノ小品集『愛は風にのって』 - 三善 晃先生の思い出に -
    録音が非常に良く、仲道祐子さんが弾くピアノの響きがとても美しい。田中カレンさんの音楽は、思ったより現代音楽ぽくなく、様々な過去の作曲家のモティーフが立ち現れる。怜悧な響きはラヴェルのそれを想起させる。こどもが弾くことを想定しているであろうから、テクニックはさほど難しいものではないだろうが、作品から醸し出されるオーラは大人なものだ。

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     2022/02/18

    田部京子さんが弾いたプレイアデス舞曲集の第2集。全体的なイメージは第1集と大差ないが、メロディーがより流麗になっていると感じた。吉松隆さんのメロディー作りというより、田部さんの表現がより豊かになったということだろうと思う。第1集と併せて聴けば、違いが分かるはずだ。

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     2022/02/16

    曲のタイトルを見ながら聴いたが、ほとほと吉松隆さんのイマジネーションの豊かさにため息が出る。だが、それは田部京子さんの表現力のなせるワザだと思い知る。宝石のような曲たち、そしてアルバム。

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     2022/02/16

    交響曲とあるが、明確なメロディーを伴った交響的組曲といった趣き。現代音楽ではないので、誰でも親しみやすいと思う。美しいメロディーは最大の美点。藤岡幸夫さんの指揮する関西フィルの演奏は、作品の構成を良く捉えており、エンディングの盛り上げも十分。第2番のディスクもリリースされているが、どのような進化が見られるか楽しみ。

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     2022/02/16

    辰巳美納子さんは、初めて聴くチェンバロ奏者だが、圧倒的な演奏ぶりは、クリストフ・ルセやスコット・ロスに通じる天才を思った。加えて、安定感があり、何より辰巳さんだけのスタイルが明確にあるのが凄いと思う。空恐ろしいチェンバロ奏者を見つけてしまった、

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     2022/02/15

    藤岡幸夫さんは渡邉暁雄さんの薫陶を受け、シベリウスを得意としているようだが、外連味のないストレートな表現が好ましい。フレージングも綺麗だが、第2番の最終楽章でみせるような持久力にも注目したい。関西フィルのサウンドもフレッシュで色彩感鮮やか。ヴァイオリン協奏曲も収められているが、ソロが少し線が細い気がする。全曲ライヴ収録だが、音質は非常に良い。アルバムとしてのアートワークも、ブルーとホワイトを基調としたセンスが素晴らしい。

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     2022/02/09

    副島恭子さんは初めて聴く奏者。バッハが憧れたであろう、フレスコバルディ、フローベルガー(2曲)、ダングルベール、F.クープラン、そして、バッハのフランス組曲第2番、幻想曲とフーガ、イタリア協奏曲を収める。バッハ以前の作曲家の作品を聴くにつけ、いかにバッハがそこから吸収し、それが自身の血肉となったのかが良く分かる。そして、改めてバッハの偉大さに驚くことになる。副嶋恭子さんの演奏は、落ち着いた中にもセンスを感じさせるものだ。音質は、チェンバロの美しい響きを良く捉えていて素晴らしい。なお、チェンバロについて、前半のフレスコバルディとフローベルガーをイタリアンタイプで、後半のダングルベール以下をフレンチタイプで弾き分けている。

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     2022/02/08

    ブロムシュテットが老境に至って完成させたベートーヴェンの交響曲全集。商品を手に取って、ジャケットの写真をじっと見る。人によって、歳の取り方は様々だが、ブロムシュテットは実に良い表情をしている。加えて、このアルバムのアートワークも素晴らしい。指揮者も老境に至って、取るテンポが遅くなることはよくあるが、ブロムシュテットは無関係のようだ。テンポは実に心地よいし、音色も軽やかである。第3番”英雄”の最初の二つの和音を聴けば、この全集の、ブロムシュテットが意図したところが分かる気がする。第5番は、まさにベートーヴェンという響きがして、なぜか懐かしい気持ちになった。この作品が紛れもなく交響曲というジャンルにおける最高峰であることが確信できる、そのような演奏である。第6番”田園”も、実に軽やかな表現だが、第4楽章の嵐の場面の荒々しい表現が際立っている。第7番は、第5番に通じるところがあるが、王道の演奏という感じがひしひしと伝わる。第8番は、ことによると、この全集の白眉と言えるかも知れない。軽やかで、華やかなところは、ブロムシュテットが目指すベートーヴェンの理想形なのではないだろうか。第9番”合唱”は、第8番で表現したものを、声楽を加えることで、より具現化したものであろう。第4楽章における合唱はまさしく”歓喜の歌”であることを実感する。この期に及んで、ベートーヴェンが希望した響きは、自分が生まれたボンではなく、南ドイツあるいはもっと南の世界にあったような気が、ふっとした。ゲヴァントハウス管は、すっかり現代的な響きをもつオケになっているが、いわゆるピラミッド型の重低音を聴くと、伝統は確かに続いているなと安心した。

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     2022/02/01

    大植英次がミネソタ管を指揮した大地の歌。大植の指揮は、ゆったりとしたテンポを保ち、マーラーの音楽を克明に描く。ソロイストについては2人とも初めて聴くが、丁寧な歌唱が好ましい。オケは、往年のミネアポリス響のサウンドが健在で、余裕の演奏。音質は、さすがのリファレンス・レコーディングで、完璧なパースペクティブをみせる。

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     2022/01/26

    ヌヴーが弾くブラームスのコンチェルトを聴くと、ほかの演奏者のものは、どれも物足りない。そういう意味では、彼女の弾くブラームスは絶対である。何種類かの録音をのこしているが、演奏としては良い部類である。ただ、最終楽章で少しバタバタしている箇所がある。指揮はドラティなので、引き締まったバックを付けている。オケも申し分ない。音質は、ヌヴーのヴァイオリンをはじめ、バランス良く収録されていて良好である。

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     2022/01/26

    杉谷昭子さんが弾いたベートーヴェンのピアノソナタ全集の第7巻。第17番「テンペスト」、第18番、第22番の3曲を収める。杉谷さんが弾くベートーヴェンは、杉谷さん独特の間合いがあって、その意味でユニークである。一度聴けば、杉谷さんが演奏しているのが分かる。演奏自体は軽やかだが、曲想が異なる、ベートーヴェンが苦心して作曲したであろう作品を、ちゃんと性格付けして弾いているのが良くわかる。偉大な遺産である。

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