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アーノンクール&ウィーン・フィルによるブルックナー:交響曲第9番

2003年7月28日 (月)

ブルックナー第9 初演100周年記念!
アーノンクール&ウィーン・フィルによる刺激的名演!

アーノンクールのテルデックからの移籍第1弾は、新全集版スコアを用いたウィーン・フィルとのブルックナー「第9」で、同ヴァージョンによる録音はこれが世界初。しかも未完の第4楽章フラグメント演奏と、アーノンクール自身による解説トークまで収録。オーケストラの楽器配置は第2ヴァイオリン右側の両翼型で、コントラバスは後列左側、チェロは中央左寄り、ヴィオラが中央右寄りに置かれています。

第3楽章クライマックスの凄まじい迫力に仰天!
演奏は細部まで徹底して解釈し尽くされた一分の隙もない見事なもので、複数の動機が集まって巨大な姿となる第1楽章第1主題部からその切り立った厳しいサウンドに驚かされますが、続く経過部分(ピツィカート)での思い切った強調表現も刺激十分。第2主題部では、立体感豊かによくうたう内声が音楽に微妙な陰影を与えて美しい抒情に結実しています。第3主題もメリハリに富むアーティキュレーションが、この部分本来の律動的な性格を意識させてかえって新鮮。
 第2楽章はきわめて立体的なピツィカートと大迫力のトゥッティが織り成すコントラストが強烈。微細なアゴーギクも効果的です。
 第3楽章は第1主題部の雄大なスケール感と、続く経過部分での遅いテンポによるコラール「生からの告別」が印象的ですが、驚くのは第2主題部で、ピツィカートを伴うエピソード・ブロックでの急激なテンポ・アップは、それまでの遅いテンポとは別世界の風景を見せてくれるかのようです。しかしなんといっても凄いのはやはり再現部後半のクライマックスでしょう。ただでさえ濃密な音のするウィーン・フィルのトゥッティですが、ここでは容赦のないティンパニ連打と過激なトランペット吹奏がその緊迫した響きをさらに迫力あるものにしているのです。

アーノンクールによるブルックナー第5弾
アーノンクールは、長年にわたってウィーン交響楽団のチェロ奏者を務め、また、オリジナル楽器アンサンブルの草分け的存在の「ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス」の指揮者・チェロ(およびガンバ)奏者でもありましたが、1970年代からは本格的に指揮活動を開始、1980年代に入るとコンセルトヘボウ管を指揮してモーツァルトの交響曲をとりあげ、以後、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ブルックナーと、音楽史の時代を下ってその解釈とレパートリーの幅を広げてきました。
 ブルックナーの交響曲は、1994年に初めて指揮し(コンセルトヘボウ管との交響曲第3番)、その後、第4番『ロマンティック』(1997年、コンセルトヘボウ)ウィーン・フィルとの第7番(1999年)、そしてベルリン・フィルとの第8番(2000年)と順次取り上げてきており、今回の第9番は第5弾となります。
 「ブルックナーは19世紀生まれの作曲家だったが、彼のアンテナは20世紀を向いていた」とブルックナーの音楽の革新性を評価するアーノンクールのブルックナー演奏は、従来の誰とも異なった独自の視点で解釈されており、評論家・音楽ファンの間でも、最高の評価を与えられる一方で、激しい非難を浴びることもありました。

ブルックナーの「第9」第4楽章フラグメント、世界初録音
ブルックナーの交響曲第9番は、1887年から1894年にかけて第1楽章から第3楽章まで完成されながら、1896年の作曲者の死によって、未完の交響曲として残されています。
 未完の第4楽章には、さまざまな段階のスケッチが残されていますが、1983年に始まる「完成」の試みと並行して、オリジナルなスケッチの形としても校訂作業がおこなわれ、まずヨアフ・タルミ指揮オスロ・フィルによって1985年にレコーディングされます。
 その後、第4楽章復元版にも名を連ねるジョン・A・フィリップスが残存するあらゆる資料を精査・整理して校訂を終えた結果、第4楽章のうち約4分の1はオーケストレーションが施されており、それ以外の断片についても、再現部のほぼ終わりまでカバーしたものとなっています。
 同ヴァージョンは、1999年12月にアーノンクール指揮ウィーン交響楽団によって初演され、日本でも、2001年9月、フランダース・フィル来日公演の一環として、ベンヤミン=グンナー・コールスの指揮と解説によって披露されています。
 アーノンクールは、第4楽章のフラグメントを演奏するだけでなく、自らの言葉で解説を加えています。このスタイルは、近年ベルリン・フィルとの演奏会などでも実践され話題を呼んでいるGesprochskonzetそのものであり、演奏に際して必ず原典(作曲者の草稿、初版譜など)に立ち帰るというアーノンクールの音楽への取り組みの根本的姿勢を示しています。

第1楽章から第3楽章までは、新クリティカル・エディションによる世界初録音
第1楽章から第3楽章までは、第4楽章の補筆完成版の制作に携わった音楽学者の一人、ベンヤミン=グンナー・コールス(Benjamin-Gunnar Cohrs 1965- )校訂による「ブルックナー協会版全集」の一環として2001年に出版された新クリティカル・エディションを使用した世界で初めての録音となっています。
 従来のオーレル版、ノーヴァク版に代わるものとして、誤植の修正作業のほか、自筆譜以外の資料にもあたって綿密な校訂が施されており、ブルックナーの意図をより細かい点で実現したものといえます。原典にこだわる、いかにもアーノンクールらしい選択です。


【収録内容】
[Disc-1](71分24秒)
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB 109〜第4楽章(フラグメント、ジョン・A・フィリップス編)
〜アーノンクールによる語りとともに 
(1)ドイツ語版(演奏18分00秒+語り18分07秒)
(2)英語版(演奏17分58秒+語り17分25秒)

[Disc-2](実測値)
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB 109(ベンヤミン=グンナー・コールス校訂)
(1)第1楽章 荘重に、神秘的に(24分02秒)
(2)第2楽章 スケルツォ(10分29秒)
(3)第3楽章 アダージョ。ゆっくりと、荘重に(23分53秒)

【演奏】
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ニコラウス・アーノンクール

【録音】
2002年8月14,15,17日 ザルツブルク、祝祭大劇場でのライヴ・レコーディング(2002年ザルツブルク音楽祭より)
レコーディング・プロデューサー:フリーデマン・エンゲルブレヒト
レコーディング・エンジニア:ミヒャエル・ブラマン
アシスタント・エンジニア:ルネ・メラー

【輸入盤仕様】
Disc1=通常CD
Disc2= SACD 5.0ch(ハイブリッド仕様) 通常CDプレーヤーで再生可能

【国内盤仕様】
Disc1=通常CD
Disc2=通常CD

※なお、国内盤には、アーノンクールのスピーチの翻訳と、コールスによる詳細な解説の翻訳が掲載されています。


ニコラウス・アーノンクール(1929年12月6日ベルリン生まれ、指揮者、チェロ奏者、音楽学者)
1952年から1969年までウィーン交響楽団のチェロ奏者をつとめるかたわら、古楽、古楽器の研究・収集にも力を注ぎ、1953年にはオリジナル楽器によって演奏を行なうウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを結成、4年間の研究を経て1957年には同団の初コンサートを開催。
 1970年代に入ると、チューリヒ歌劇場を中心にオペラの指揮も始め、名演出家のジャン・ピエール・ポネルと組んだモンテヴェルディとモーツァルトのシリーズを上演して注目を集めます。
 1980年代からはウィーン・フィル、1990年代からはベルリン・フィルを指揮するようになり、ヨーロッパ室内管弦楽団との緊密な活動でも知られるようになります。
 毎年グラーツで行なわれるシティリアルテ音楽祭を主宰。1990年代半ばまではザルツブルク音楽祭でも大活躍します。
 その後、ザルツブルクからは遠ざかっていましたが、2002年に復帰、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」とブルックナーの交響曲第9番を指揮して話題となります。
 同音楽祭では、今後モーツァルトのオペラの新演出上演が毎年予定されています。
 なお、「時差嫌い」とされる彼は、長時間のフライトを伴う演奏旅行には滅多に出ないことで知られており、日本にも1980年の初来日以来、一度も訪れていない「幻の指揮者」でもあります。


ブルックナー交響曲第9番第4楽章について
未完に終わった第4楽章にはスケッチしか残されていないため、演奏にあたっては
1.フラグメントとして演奏
2.補筆完成して演奏
というふたつの選択肢があり、改訂も含めるとこれまでに録音の存在するものは、フラグメントが2ヴァージョンに、補筆完成版が4ヴァージョン。以下はその代表的な録音です。

■フラグメント
   タルミ指揮オスロ・フィル(1985年録音)

■キャラガン版[1981-83]
   タルミ指揮オスロ・フィル(1985年録音)

■サマーレ/マッツーカ版[1987]
  インバル指揮フランクフルト放送交響楽団(1986年録音)
 ロジェストヴェンスキー指揮ソ連文化省交響楽団(1988年録音)

■サマーレ/マッツーカ/フィリップス/コールス版[1992]
  アイヒホルン指揮リンツ・ブルックナー管弦楽団(1993年録音)

■サマーレ/マッツーカ/フィリップス/コールス改訂版[1996]
  ヴィルトナー指揮ノイエ・フィルハーモニー・ヴェストファーレン(1998年録音)

■フラグメント(フィリップス版)[1999]
 アーノンクール指揮ウィーン・フィル(2002年録音)

■キャラガン改訂版[2002-03]
 クライン指揮サラトガ交響楽団(2003年録音)

■【校訂スタッフ】
ウィリアム・キャラガン(William Carragan)
ニコラ・サマーレ(Nicola Samale)
ジュゼッペ・マッツーカ(Giuseppe Mazzuca)
ジョン・A・フィリップス(John A. Philips)
ベンヤミン=グンナー・コールス(Benjamin-Gunnar Cohrs)

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

輸入盤
(ハイブリッドSACD&通常CD)

交響曲第9番(第4楽章フラグメント付き) アーノンクール&VPO(2SACD)

SACD 輸入盤

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価格(税込) : ¥3,300
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発売日:2003年08月20日

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国内盤(通常CD)

交響曲第9番(第4楽章フラグメント付き) アーノンクール指揮ウィーン・フィルハーモニー

CD

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発売日:2003年09月25日

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