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日本のシンガーTOP30 - 第11位

Monday, December 19th 2005

日本ポップスの歴史-大瀧詠一-

大瀧詠一
hmv.co.jp独断と偏見のJP Top Singer第11位は大瀧詠一。日本の(広義においての)ポップミュージックの歴史上多大なる影響を及ぼし続ける大瀧詠一。今現在は実質的には引退状態。自身のホームページなどでごく稀に発言する他、音源のリマスター作業などを除いて音楽活動は2003年のシングル『恋するふたり』以来全く気配無しだが...


近年の隠遁生活や、にもかかわらず止まない他のアーティストからの賞賛、雑誌の特集や度重なるリイシューの発売などによって変に肥大/加熱して捉えられてしまう事もある大瀧詠一ですが、2003年に発売した『恋するふたり』はまさにそれをなだめるかのような「限りなくセルフカバー」「そのまんま大瀧詠一」な超王道楽曲でした。

予想通りで全く「新しい!」などと感じさせない『恋するふたり』にしても70-80年代の作品にしても「『時系列的に新しいものが良いに決まっている』という物差し」を持たない大瀧詠一にとっては恐らく区別などなく、ただ「メロディ」「アレンジ」「声」「発音」等々、ポピュラーミュージックを構成する一つ一つの要素に鬼のような拘り惜しみない努力をつぎ込むのみなのです。

その拘りと努力と知性が生み出した楽曲がたかだか何十年で色褪せるわけもなく、いつの世も必ず誰かが聴き継いでいき、大瀧詠一本人はその時代その時代のハードや環境にあわせてリマスタリングをしていく....他ではあり得ないですが、日本のポップスの「標準点」であるからこその在り方。そして現在の音楽シーンをちょっと見渡してみればそこかしこに浮かび上がる大瀧詠一の存在感。我々は好むと好まざるとに関わらずそれを無視できるわけが無いのです。でもやっぱりファンは新曲が聴きたい...



Profile

細野晴臣松本隆鈴木茂ら4人で結成されたバンド、“はっぴいえんど”を解散後、大瀧はソロ活動を開始する(このソロ活動が、はっぴいえんどの解散にも繋がっている、という説もある)。そしてその後、『ナイアガラ・レコード』を立ち上げ、そこから、シュガーベイブ山下達郎大貫妙子らが在籍していたバンド)の“Songs”を第一弾としてリリース、以後、大瀧のソロ・アルバム、プロデュース作品などをリリース。中でも、1981年に発売された“ロング・バケーション”のセールスは、これまでの記録を打ち破るもので、このアルバムのヒットにより、大瀧詠一の音楽活動が以後も続いたと言われている。 ちなみに、1982年には、世界初CDとして、大滝詠一 “ロング・バケーション”が選ばれている(ビリー・ジョエルと)。

以後、1973年から74年までのコロンビア時代、1980年からのソニー時代の音源がCD化され、以後、大瀧のサウンドは、ナイアガラの生き字引との異名を持つ萩原健太ら評論家筋や、山下達郎を筆頭にするフォロワーらにより、次世代へと語られているのである。それはよく、「再評価」と言われるが、そんな事はどうでも良いのだ。単純に、‘幸せな結末’に感動したという、現代のリスナーの率直な反応が、大瀧詠一の素晴らしさを物語っているから。

作曲家、プロデューサー、ヴォーカリスト…と、どの肩書きも彼には物足りない。しいて言えば…とも言えないまでの、どれに至ったても多彩な魅力があるのだ。シリア・ポールの“夢で逢えたら”や、沢田研二の“あの娘に御用心”、小林旭の“熱き心に”、森進一の“冬のリヴィエラ”…と、その提供した楽曲は、どれも日本の音楽史に残る名曲である。

幅広い裏方仕事はもちろんだが、ヴォーカリストとしての大滝詠一(歌手)というのも絶対に捨てられない部分だ。彼は作家、歌手、により名前を使い分けている。大瀧詠一は作家としての活動を表すときに、そして大滝詠一は歌手としての活動を表すのに用いている(その他、多羅尾伴内などもある)。以下からは、ヴォーカリスト大滝詠一と記す。

1977年に発表したアルバム“ナイアガラ・カレンダー“の名曲‘青空のように’や‘五月雨’でも感じられるが、決定的にスタイルを確立したのは、恐らく“ロング・バケーション“(1981年)であろう。”ロング・ヴァケーション“以降の彼のヴォーカル・スタイルは、澄んだ柔らかな声質からしっとり&ネットリと歌い上げ、全編に施されたリッチなリバ−ブ処理により、そのネットリ感が強調されたとてもソフトなもの。

“A面で恋をして”(1981年)で聴ける、優しさ溢れる、弾むようなヴォーカル、 “君は天然色” (1981年)、“ハート仕掛けのオレンジ”(1982年)、“カナリア諸島にて”…と、楽曲の良さもさることながら、そのしっとり&ネットリとした声に惹かれて聴き入ってしまうのだ。丁寧に正確な音を拾い、優しく、…まるで、花を摘むように歌う…。軽くさえも感じるCDの綺麗なサウンドではなく、彼の歌声は深く温かみを帯びた、丁度、レコードから流れ出る響きに例えたい。深く温かく響くのだ。 これに比べて 、‘三文ソング’や‘ロックン・ロール・マーチ’などで聴ける『ナイアガラ・ムーン』あたりの初期の頃は、ドライな感じ、楽曲についても同様のリズムを重視したヴォーカルと言えるかもしれない。 “ロンバケ”以降のソフトなヴォーカル・スタイル、そんな、彼のヴォーカルが最大の魅力に感じてならない。

2005年には、ナイアガラエンタープライズ30周年記念の解説書籍”大瀧詠一”と、ナイアガラのヒストリー完全本All About Niagara:増補改訂版も発売され、ファンにとっては嬉しい年となった。

* Point ratios listed below are the case
for Bronze / Gold / Platinum Stage.  

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A Long Vacation 20th Anniversary Edition

CD

A Long Vacation 20th Anniversary Edition

Eiichi Otaki

User Review :5 points (96 reviews) ★★★★★

Price (tax incl.): ¥2,201
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(tax incl.): ¥2,025

Release Date:22/March/2001
In Stock

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大瀧詠一 必聴3曲

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