ジャパニーズ・ハウスの新たなる地平を切り開く表現者

日本人離れした漆黒のビートダウン・サウンドを奏でる RONDENION による 1st. アルバムが遂に登場する

デビューから数えると早くも 8 年の月日が経っていた RONDENION こと HIROFUMI GOTO のキャリアであるが、このほど遂に 1st. アルバム『Luster Grand Hotel』が 完 成 し、US の レ ー ベ ル Plug Research か ら 世 界 配 給、日 本 で は Underground Gallery から独自企画盤が発表される運びとなった。

Moodymann の登場で更なる濃厚なブラック・ミュージックのエッセンスが投入された欧米のハウス・シーンにおいて、それらデトロイトのオリジネイターに追随したポスト・ビートダウンと称される後発世代の動きは大きな潮流を形成したが、RONDENION は日本から、その世界の潮流に同期出来た数少ないアーティストの一人だ。

自身の音楽活動を ルサンチマンの 克服とも 称し、現実から反映される過酷さも滲ませるロマンティシズムとエロティシズムを含むブラック・ダンス・ミュージックへの時に過剰なまでの憧憬を直情的なグルーヴに託してきた RONDENION であるが、このアルバムにおいては収録曲たちによる " 群像劇 " と見立てたディレクターとしてのクールな視点の行き届いた流麗なアンサンブルを奏でており、その表現には明らかに進歩の跡が見受けられる。

主宰する Ragrange Records には Kez YM、No Milk といった国内の同胞達も集結しており、そうした才能ある個性をディレクションするスキルにもまた彼の客観的視点は反映されているはずだ。このカリスマ的才能を核とした新たなるハウス表現を追求するコレクティヴの発展には大きく期待せざるを得ないだろう。