ヤンソンス、『グレート』を振る!
もともとはシューベルトの「大きな」という意味合いで『グレート』と呼ばれていましたが、最近では「偉大な」という意味で使われることの多い第9(8)番交響曲。その名の通り、演奏時間は50分を超え、内容も壮大。溢れるロマンティシズムと、厳格な古典主義がせめぎ合うシューベルト晩年の傑作です。以前は第9番と番号付けがなされていましたが、最近では第8番とされることも多く、ヤンソンスのこのアルバムも第8番とナンバリングされています。
ヤンソンスの演奏は、いつもの通り躍動感に満ちています。第1楽章は、悠然たるホルンのユニゾンで始まる序奏部と、軽快なテンポで奏される主部からなりますが、ヤンソンスは、常にきびきびとしたテンポで全体をがっしりとまとめながら、いつものように楽器各パートの存在感も際立たせ、立体的な音楽を組み立てています。
第2楽章では、まず主旋律を奏でるオーボエの巧さに耳を奪われることでしょう。そして歯切れのよいオーケストラの響き、シューベルトの持ち味である美しいメロディも聴きどころ。オーケストラのアンサンブル能力の高さをじっくり味わうことができます。
力強い第3楽章。舞曲的な性格の強い旋律が執拗に繰り返される主部、美しい中間部、ヤンソンスは提示部と中間部の反復記号を忠実に順守し、力強い旋律を印象付けています。
そして長大な第4楽章こそ、ヤンソンスの腕の見せどころ。目まぐるしい転調、劇的な展開をヤンソンスがどのように繋いでいくかをぜひ確かめてください。
演奏の終わりは盛大な拍手と歓声で締めくくられます。(輸入元情報)
【収録情報】
● シューベルト:交響曲第9(8)番ハ長調 D.944『グレート』
第1楽章:Andante - Allegro ma non troppo (15:32)
第2楽章:Andante con moto (13:48)
第3楽章:Scherzo. Allegro vivace - Trio (14:11)
第4楽章:Finale. Allegro vivace (16:51)
バイエルン放送交響楽団
マリス・ヤンソンス(指揮)
録音時期:2018年2月1,2日
録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
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