フランク、セザール(1822-1890)

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CD 輸入盤

室内楽作品全集 マリブラン四重奏団、ライヴリー、ル・コント(4CD)

フランク、セザール(1822-1890)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
CYP4637
組み枚数
:
4
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

フランク:室内楽作品全集(4CD)
マリブラン四重奏団、ライヴリー、他


セザール・フランクにとって室内楽は、オーケストラ曲、オルガン曲、ピアノ曲と共に創作の柱となっていた重要なジャンルですが、なぜかこれまでまとまった全集がなかっただけに、今回、少年時代の「グラン・トリオ」も含む本格的な全集が、故国ベルギーのレーベルから登場するのは歓迎されるところです。

【62歳での成功と5年後の不慮の死】
15歳でフランスの市民権を得たベルギー生まれの作曲家、セザール・フランク[1822-1890]は、1885年、62歳の時に発表したヴァイオリン・ソナタで注目を集め、1888年の交響曲ニ短調で国際的な名声を得ることになりますが、その2年後には、馬車との接触事故がもとで腹膜炎で死去。つまり華々しい名声に彩られていたのは最後の5年間のみで、さあこれからというときに不慮の死を遂げた作曲家ということになります。

【青年期と晩年を彩る室内楽】
フランク最初の室内楽作品は11歳の時に書いた「大三重奏曲」。次の作品は、パリ音楽院在学中の18歳頃に書かれたもので、感傷的な旋律の美しさや、情熱的な盛り上がりが心地良い「協奏的三重奏曲」と題した3つのピアノ三重奏曲 Op.1でした。続いて、「ピアノ三重奏のための協奏的三重奏曲第4番」、「弦楽五重奏の伴奏付きピアノ独奏曲」、「ヴァイオリンとピアノのための協奏的二重奏曲」、「アンダンティーノ・クイエットーゾ」と1840年代に書かれた後は、1879年の「ピアノ五重奏曲」までこのジャンルの作品を書いていません。これはこの時期のフランクの実生活と関連があると思われます。

【職場環境と室内楽作曲】
パリ音楽院を退学してベルギーに帰郷し、再びパリに戻ったフランクは、ピアノ教師として生計を立て、やがて教会オルガニストの職を得ることとなります。
 その教会での職場つながりからか、オルガン伴奏の声楽曲を何曲も書いたフランクは、ようやく注目を集め始め、48歳の時にはサン=サーンス、フォーレらのフランス国民音楽協会設立に参加、それが縁で翌年にはパリ音楽院教授に迎えられることとなります。
 教授の職を得たフランクは、オーケストラでの発表の機会も得たということで、今度は交響曲や交響詩などのオーケストラ作品やピアノ曲を書くようになり、声楽曲もオーケストラ伴奏のオラトリオなど大作を幾つも手がけることとなります。
 そうした事情もあり、室内楽の世界にフランクが戻ってくるのは、教授職就任から6年後のことでした。着手の翌年に完成された「ピアノ五重奏曲ヘ短調」は、循環形式など採用した立派な作品で、現在もフランクの代表作として高い評価を得る傑作です。その4年後には「メランコリー」を書き、さらに3年後には人気作「ヴァイオリン・ソナタ」を完成、その4年後に書かれた力作が「弦楽四重奏曲」です。
 つまりフランクが室内楽を書いたのは、職を得る前の青年期と、教授職を得てゆとりが出てからの2つの時期ということになり、その分、フランクの心情が正直に反映されたものとなっているのかも知れません。
 実際、結果的に最後の室内楽作品となった「弦楽四重奏曲」は、フランクが初めて「弦楽四重奏曲」というスタイルに取り組むにあたって、ベートーヴェンやブラームス、シューベルト、メンデルスゾーンなどの作品を時間をかけて研究することで、40分を超える長大な作品を緊密な構造で仕上げており、初演も大成功に終わったという自信作。傑作だけに録音も数多く存在しますが、なぜかフランス、ベルギー系では、イザイ四重奏団とパレナン四重奏団、シュピーゲル四重奏団、プロ・アルテ四重奏団くらいしか無かったので、今回のマリブラン四重奏団の演奏は注目されます。

【高水準な演奏】
演奏は、フランクの故国、ベルギーのブリュッセルにあるモネ王立劇場管弦楽団のメンバーにより構成される「マリブラン四重奏団」を中心に、同じく同楽団員のコントラバス奏者コルネール・ル・コントと、アメリカ出身でフランスやベルギーで活躍するピアニスト、デイヴィッド・ライヴリーによっておこなわれています。(HMV)

【収録情報】
フランク:
・ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調 CFF 123 [27:06]
・ヴァイオリンとピアノのためのメランコリー CFF 122 [06:10]
・ヴァイオリンとピアノのためのアンダンティーノ・クイエトーゾ op.6 CFF 115 [05:29]
・ヴァイオリンとピアノのための協奏的二重奏曲〜ダレラックの歌劇『ギュリスタン』の主題による CFF 117 [11:55]
・弦楽四重奏曲ニ長調 CFF 124 [41:48]
・ピアノ五重奏曲ヘ短調 CFF 121 [34:37]
・ピアノ三重奏のための協奏的三重奏曲第1番嬰ヘ短調 op.1-1 CFF 111 [32:33]
・ピアノ三重奏のための協奏的三重奏曲第2番変ロ長調 op.1-2 CFF 112 [24:28]
・ヴァイオリンとチェロ、ピアノのための大三重奏曲ハ短調 CFF 108 [14:31]
・ピアノ三重奏のための協奏的三重奏曲第3番ロ短調 op.1-3 CFF 113 [29:10]
・ピアノ三重奏のための協奏的三重奏曲第4番ロ短調 op.2 CFF 114 [19:08]
・弦楽五重奏の伴奏付きピアノ独奏曲 CFF 116 [18:40]

 デイヴィッド・ライヴリー(ピアノ)
 コルネール・ル・コント(コントラバス)
 マリブラン四重奏団
  タチアナ・サムイル(ヴァイオリン)
  ヨラント・ド・マーイエル(ヴァイオリン)
  トニー・ニス(ヴィオラ)
  ユストゥス・グリム(チェロ)

 録音時期:2010-2012年
 録音方式:ステレオ(デジタル)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Allegretto Ben Moderato
  • 02. Allegro
  • 03. Ben Moderato
  • 04. Allegretto Poco Mosso
  • 05. Mlancolie for Violin & Piano in E minor, CFF122
  • 06. Andantino Quietoso for Violin & Piano in E Flat Major, Op. 6, (CFF115)
  • 07. Premier Duo Concertant Sur Des Motifs de Gulistan de Dalayrac for Violin & Piano in B Flat Major, Op. 14, (CFF117)

ディスク   2

  • 01. Poco Lento - Allegro - Malibran Quartet
  • 02. Scherzo: Vivace - Malibran Quartet
  • 03. Larghetto, Dolce Molto Cantabile - Malibran Quartet
  • 04. Final: Allegro Molto - Malibran Quartet
  • 05. Molto Moderato Quasi Lento - Allegro - David Lively/Malibran Quartet
  • 06. Lento Con Molto Sentimento - David Lively/Malibran Quartet
  • 07. Allegro Non Troppo Ma Con Fuoco - David Lively/Malibran Quartet

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フランクはブラームス、フォーレのようない...

投稿日:2013/08/08 (木)

フランクはブラームス、フォーレのようないかにも室内楽の名曲を量産しそうなタイプの作曲家であるので、全集が出たのは嬉しい。ざっと聞いてみたが最大の傑作はヴァイオリンソナタではなく、弦楽四重奏曲であることが確認できた。この弦楽四重奏曲の良さはヴァイオリンソナタのように初めから聞かなくてもよく、途中から、どこから聞いても音楽に入れ込めるところであると思う(私にとっては)。ところでピアノトリオ第1番の第1楽章はなんと!!!シューベルトのピアノトリオ第2番の第2楽章にそっくりの音楽だ。フランクは弦楽四重奏曲の終楽章でベートーベンの9番の終楽章を真似たように、シューベルトのピアノトリオを真似たのは間違いないと思う。

顕 さん | 岐阜県 | 不明

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