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Review List of 古楽器奏者 

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     2014/10/04

    『ゴルトベルク変奏曲』といえば、“なんとかの一つ覚え”のように
    「グールド!」「グールド!!」という輩に辟易しながら、
    いろいろな演奏をじっくり聴いてみたいと思って聴いている。

    鈴木は曽根麻矢子や西山まりえと同年輩のようであるが、
    無名の奏者といってよいだろう。
    しかし、気持ち悪いぐらいにテンポを揺らし、リズムを知らない
    西山とは比べものにならないほどの正統的な演奏である。
    テクニックでもバロック演奏法でも、西山なんかは足元に及ばない。

    一聴しただけでは無味乾燥で面白みに欠けるように聞こえるが、
    非常にしっかりとした骨格をもって演奏するレオンハルトや
    バッハに挑みかかろうとする曽根と比べると、
    鈴木の演奏は、万人に受け入れられるのではないだろうか。

    あえて繰り返しを無視して演奏しているが、テンポがゆったりなので、
    繰り返しをしたら飽きられてしまう。こういう判断だったのだろうか。
    あるいは、まったく同じように繰り返すのか、それとも
    繰り返しで装飾を変えるなど、変化を持たせるようにするか、
    その判断もできなかったのかもしれない。

    第16変奏が終わった後、長めの休止をとって、
    前半部と後半部を意識的に分けているし、
    後半部は、前半部よりも生き生きと弾いている。

    自身のライナーノーツによれば、テープを回しっぱなしにして
    録音したようだから、弾いているうちに乗ってきたのであろう。
    前半から後半のような“ノリ”があったら、
    もっと楽しく聴くことができたと思う。

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     2014/09/03

    大西孝恵は、1995年の古楽コンクールで特別賞を得ているというので、
    40台後半ぐらい(ジャケットの写真を見ると50は超えていそう!)の
    中堅のチェンバロ奏者、ということができるだろう。
    ただ活動拠点が外国にあるようで、国内ではまったくと言ってよいほど知られていない。

    『ゴルトベルク変奏曲』と言えば、“ナントカの一つ覚え”のように
    グールド! グールド!! という輩に辟易していたが、
    改めてこの曲の勉強をしてみたくて、チェンバロによるCDを聴くことにした。

    チェンバロ奏者であれば、『ゴルトベルク変奏曲』は是非取り組みたい
    一曲であろうし、録音に意欲を示す奏者も多いことだろう。
    テンポが乱れたり、無理に装飾音を入れようとしてリズムが狂う個所もあるものの、
    繰り返しも守られているので、大西の演奏は、安心して聴くことのできる
    チェンバロによる『ゴルトベルク変奏曲』の1枚と言うことができよう。
    最悪の演奏をする西山まりえのように、気持ち悪いぐらい揺らすこともないし、
    レジストもいろいろとあるので、他の奏者と比べるのも面白いだろう。

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     2012/10/21

    最大の欠点は、対象者を決めていないから、すべてにおいて中途半端となっていることである。
    初心者が対象なら、楽器とリードの選び方・組み立て方・手入れの仕方等々の説明から、呼吸の仕方・音の出し方・運指、そして音階練習と簡単な曲の練習に進める。
    中級者以上であれば、誰もが伸び悩むようなポイントの解説もあるだろうし、一歩上に進むためのアドバイスも考えられる。
    要するに、このDVDは中途半端なのである。

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     2012/08/06

    ミュンシュ指揮の聴衆の中にあるフルート奏者がいて、『ダフニスとクロエ』でのフェルナン・デュフレーヌの音があまりにも素晴らしいので、楽屋へ行き持っていたスコアにサインをもらった、といういわくつきの演奏が映像で見られることを知って、早速注文、視聴してみた。主役はミュンシュだから仕方がないが、時折映る今や伝説となったデュフレーヌの姿を見て、なるほど! このような演奏をするのかと合点した。映像がもっと鮮明であれば、アンブシャー(正しくはフランス語なので「アンブーシュール」)が見られたのだが。これまた伝説となったデュフレーヌの愛器、シリアルナンバー9402番のルイ・ロットも実演ならどれほど素晴らしく響いたことだろうか。デュフレーヌの映像はまだあるので、手に入れて視聴したいと思っている。本来なら商品化されるはずのないブラームスの交響曲は、ミュンシュのうなり声も聞こえ、これまた実演ではかなりの名演であっただろう。今から46年も前の演奏会なのに、曲が終わってからの聴衆の熱い拍手を見ると、昔のにほん人も熱狂する傾向があったことがわかって興味深い。今みたいに聴衆が花束やプレゼントを渡そうとして舞台下に殺到するような浅ましく、見苦しい姿を見ないで済むのも嬉しい。

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     2012/01/18

    カラー写真をふんだんに使ったビジュアル版ジャーヌ・ダルク伝と言え、それが本書の魅力である。ただ、読み物自体は非常に凡庸であるし、特に異端審問に関する部分は岩波新書の森島恒雄著『魔女狩り』からの無断借用である。恐らくは著作権法に違反するであろう。評価を入れないと投稿できないようであるが、実際には評価不能である。

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     2012/01/18

    フランス本国では定評のある作品であるが、訳がまずいのか、非常に読みにくいのが残念である。

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     2012/01/18

    ジャーヌ・ダルク裁判記録の研究では第一人者による作品である。当人が言うように、ジャーヌ本人よりも裁判記録の方に関心があるためか、血の通ったジャーヌ伝とはなっていないのが残念だ。

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     2012/01/18

    ジャーヌ・ダルクに関しては、あくまでも歴史の一コマとして冷徹に見るか、あるいは熱狂的に語るかの二種類があるが、この作品は後者の部類に入ろう。ジャーヌに開放されたオルレアン生まれの神秘詩人ペギーの筆は、温かくそして優しい。史実云々を超えた名作である。

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     2012/01/18

    歴史の専門知識を持った作家の作品であるから期待をして読んでみたが、ことジャーヌ・ダルクに関しては期待外れであった。

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     2012/01/13

    古代から中世・近世に至るまで、ヨーロッパに最大の影響を及ぼしたセネカの代表作が新訳で読めるのが嬉しい。

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     2012/01/02

    子どものピアノのお稽古曲の定番であると同時に、子どもをピアノ嫌いにさせる代表でもある『インヴェンション』。これが録音された当時はまだバッハをピアノで弾くのも普通で、バッハをわからず、ピアノも弾けない素人なら絶賛したくなる演奏だろう。緻密な構成の『インヴェンション』の深い音楽性を理解するに至らずに、単なる練習曲ととらえ、メトロノームをガンガン鳴らして、無味乾燥で機械的な指の練習をさせるピアノ教師もまた、生徒にはこの演奏をお手本にするように言うだろう。しかし、バッハの深い理解を望み、その緻密な曲構成を真摯に研究しようとする人、つまり表面的なことでお茶を濁すのではなく、真面目にバッハに取り組もうとする人には、このCDよりも3〜4年早く録音されたレオンハルトを強く勧める。とはいっても、バッハの音楽性、曲構成を理解し、正確に教授できる指導者がいなければ、独力ではレオンハルトがいかに正確な譜読みを行い、それに従って演奏しているかといった素晴らしさは理解できないであろうが・・・要するにこのCDは、『インヴェンション』を表面的で練習曲の一つといったピアノのお稽古程度のものといった認識しかない人なら安価だし聞くのも悪くはないが、真にバッハに取り組もうとしている真面目な人には勧められない。

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     2011/07/18

    ゲマトリアでバッハ新解釈。確かに面白いと言えば面白いが、バッハが数字に絶対的な意味合いを与えていたとすれば、“遊び”が入り込む余地はなくなるし、何よりもバロックという不均等の美学が成立しなくなる。それなりに面白い本ではあるので、「話のネタ」程度で読めば楽しめる。

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     2011/07/18

    BachPodを買ったことだし、この本を読んでよりバッハを楽しもうかなと思う反面、こういう本は御託を並べ、やたらと手間がかかるくせに、著者が言うほどの効果もない、というのが普通だし・・・本屋で立ち読みして、よかったら買ってみようかと思う。

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     2011/07/17

    ショパンといえばコルトーと言われた時代に、確かな技巧で弾きこなされた名演として知られたバックハウスの『24の練習曲』。確かLPでは作品10しかなく、作品25はなかなか手に入らなく、ワルター協会のプライベート盤で手に入れたと記憶している。当時はアシュケナージの度肝を抜く快演があったが、技巧の上ではアシュケナージに勝るとも劣らない演奏だった。バックハウスといえば、正統なドイツ音楽の継承者で、特にベートーベンの演奏家として名高かったので、そんなバックハウスがショパンを録音していたとは驚きであったし、技巧の冴えにも仰天させられた。これだけの技巧があって初めてベートーベンを自在に弾きこなせるのだろう、と感じたものだ。そういえば、同じくドイツ系で素晴らしいベートーベンを聞かせてくれたルードルフ・ゼルキンも日本でショパンの『24の前奏曲』を弾いたことがあった。やはり冴え渡る技巧がなければベートーベン弾きとは言えない、そんな演奏であった。

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     2011/07/17

    シュライヤーの指揮ぶりとポップの歌を聞きたくて買ってみたが、基本的にシュライヤーのレチタティーヴォはリヒターの指揮で歌ったものと似ていた。アリア等の指揮は、歌手としての経験を生かして、歌手たちに歌いやすいように振っているのかもしれないが、ところどころに変なアクセントがついているのが気になった。ポップも、ベーム指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団の来日公演で『フィガロの結婚』のスザンナ役の印象が強すぎるせいか、あまりバッハには向いていないのでは、と感じた。しかしシュライヤーとポップという優れた歌手が真摯に歌って聞かせる『マタイ受難曲』だけに、じっくりと聞き込んでその素晴らしさを発見していきたい。

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