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Review List of TOCHIPAPA 

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     2025/11/14

    19世紀にクララ・シューマンの他に女性の作曲家がいたことなど、恥ずかしながら寡聞にして今日までまったく想像もしたことがありませんでした。 届いたCDをさっそく聴いてみたら、これが実に良い!のです。 クララ・シューマンのレビューでも同じようなことを書きましたけど、ベートーベンの「運命」「田園」「第九」「英雄」、シューベルトの「未完成」くらいしか知らない人に聴かせて、これはベートーベンの交響曲1番だよ、2番だよ、シューベルトの若い頃の交響曲だよ、と言ったらぜったい信じてしまうと思います。なのに、モーツアルトやブラームスとはぜんぜん違うし、シューマンの初期ならあるかも、と思うくらい、様式や旋律の処理が古典音楽の王道(という言い方が適切かどうか?ですが)をいっているように思えました。解説書でエキルベイ女史が「ピリオド楽器こそ相応しい」というようなことを言ってますが、これをもしも、カラヤンとベルリンフィルがやったらどれほど素晴らしい演奏になったことか、と惜しまれるほどでした。 そして、なんでこんないい曲が今まで誰にも(少なくともクラヲタといえるほどの自分に)知られてなかったのか、カラヤンとは言わないまでも著名演奏家が録音を残していないのはなぜか、考えても益がないですけれども、フンメルやシュポア、遡れば二人のシュターミッツもそうですが、どこかで共通するものがあるような気もしました。 そしてふと、小川未明の「殿様のちゃわん」という小品を思い出しました。さっくり括れば、無名でも心地よいものが正義、というような話だったように思います。 多くの人に心地よさを味わっていただきたいと思ういいCDだと、私は、思いました。

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     2025/11/12

    まず最初に、「少し割高でも日本語解説付を買うべきでした」。 英語の解説くらいはついてるだろうから多少は分かるだろうと思い込んでいたら、フランス語しかありませんでした。旅行した人が「英語が通じないフリをされる」と言ってたのを思い出して笑ってしまいました。 

    さて、肝心のCD評。 ベアトリーチェの協奏曲を聴いて良い気分に浸っているところでこれを見つけたので、クララにはこんなにたくさんピアノ曲があったのか、と思うと聴かずにはいられなくてポチした次第ですが、とても良い、です。 音楽鑑賞歴の浅い少年の頃だったら「ショパンの初期の習作」と言われたら信じたにちがいないし、ショパンの姉にピアノ曲が残されていたのが発見された、と言われたら信じるのは容易だったでしょう。 
    でも、「こういうところはショパンにはないな」とか「これはリストっぽいかも」、「あ、これはダンナの芸風に近いかも」という聴き方もできてとても楽しいです。それと、これは初めての経験なのですが、「◯◯ピアノ作品集」としては、私としては珍しく全部を通じて退屈しませんでした。 もっと多くのピアニストが弾いてくれたらいいのに、という思いと同時に、これらの曲をピアニストたちがコンサートのメインプログラムに据えてでまとめて弾く姿は想像しにくいものもあり、アンコールピースでいくつかというのが適切かもしれませんね。 

    少し指の達者な人でしたら楽譜を手に入れて(日本で手に入るかどうかわかりませんけど)、友人と代わりばんこに弾いて楽しんでみるのがいいように思いました。気分の良くなるCDです。

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     2025/11/12

    クララ・シューマンの協奏曲は40年以上昔、FMでエアチェックして、その穏やかでゆったりした曲をとても気に入っていたのですが、テープも聴くことができなくなり、どんなメロディかも忘れていました。 ここで見つけて即ポチして懐かしさと、CDの音の良さに感動しながら、細部にも気をつけながら何度も聞きこんで堪能しています。 ベアトリーチェもセガンも初めてでしたがアバドで馴染んでいたヨーロッパ室内管弦楽団の音とともに違和感なくはいっていけました。 
    ヴィルトオーソ的とはいえませんが、当時最高のピアニストと賞賛されていたというクララが、自らのテクニックを誇示するような曲でなく、少し指の回る人なら楽しめるように書いているような、そして、夫・ロベルトに少し気を遣ってるような感じも想像しながら鑑賞していると奥深さを感じます。 

    ロベルトの方は、私、アルゲリッチ(ロスポ)の演奏が随一で、次にツィメルマン(カラヤン)のものを聴くくらいですが、私はうまく表現できませんが、あちらは交響的な重厚さやヴィルトオーソ的な技巧に浸りきって聴いているのに対して、こちらは室内楽的というか、ピアノ曲的というか、ちょっと違った印象があって、それがとても好ましいものに思われました。 クララを目的に買いましたが二曲セットでの芸術作品、という印象です。

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     2024/10/12

    この曲のマイベストは、記憶に間違いがなければツィメルマンが80年頃にカラヤンと共演した演奏をFMでエアチェックしたものでしたが、如何せんカセットテープを聴くことができなくなり、テンポが遅くなった晩年のバーンスタインだとどうなのかなぁ、とやや懐疑的な気持ちで聴き始めました。本当に熱いです。還暦を過ぎて10代の頃のときめきを思い出して気持ちの高ぶりを抑えるのに苦労したほどでした。バーンスタインもゆったりと構えつつそんな情熱のたぎるような演奏だと感じられました。

    ポリーニの新旧、ブレンデル、ルビンシュタイン・・そのほか数枚もってますが、ツィメルマンの演奏がいちばんピアニスティックなような気がいたします(もちろん、私の知らないところにもっと素晴らしい演奏もあるのかとは思いますけど)。

    この曲、当時ピアニストとして名をはせていた若きブラームスの情熱が込められてることを思えば、あの有名なヒゲの肖像画からイメージするような渋さではなく、若い情熱のほとばしりが感じられる演奏が合ってるのかなと思います。いま新しいもので聴くとしたらどなたの録音がいいのでしょうか・・・・

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     2024/10/02

    自分の生まれる前の年の録音であまり注目していなかったのですが、再販で試聴ができたのを聴いてみるとよさそうなのでポチってみました。

    まず録音。 あの時代のDGには優秀なものが多いですが、私のもっている中でもベストのように思います。
    ソプラノの最高音は伸びきらないと感じる部分もありますがアナログ慣れしている耳には違和感はありませんでした。
    テンポも絶妙ですし、コッソット以外は知らない人ばかりでしたが、どの人の声も本当に素敵で、とくに私はこの演目ではルーナ伯爵が好きなのですが、アリアを繰り返し聞いています。

    カラヤンとカラスの録音も好きなのですが、カラスの貫禄がありすぎるうえにカラヤンの指揮に凄みがありすぎて、聞き始めるのにかなり心の準備が必要な気がして(でも、もしこのCDと同じ水準の録音だったらカラスがベストかも・・とは思います)、こちらの方が安定感があるというか、良い意味で予定調和的なところが気に入っています。

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     2022/12/28

    2001年のムーティとマエストリのDVDで満足していましたが、77年Staats Operのトロバトーレ、84年ザルツブルグの薔薇の騎士、87年ドン・ジョバンニに比べて、当時、ベルリン・フィルとうまくいってなかったにしても、ブラームスやベートーベンの重厚な録音を残し、ウィーンフィルとも、チャイコフスキーを慣らしまくっていた、あの「大カラヤン」が、音楽的にも地味(と私は思うのです)なこのファルスタッフをどう料理したのか、目が(というか耳が)離せないBDでした。

    カラヤン74歳、企画段階は70歳くらいでしょう。ベーム86歳、マタチッチ85歳、往年の大指揮者が世を去ったのを見て、ヴェルディ最後の作品を選んだのであろう、とも思えず、しかし、カラヤンでなければ出せない味、が随所にあるような気がいたします。

    一発目のTuttiを振りおろす瞬間の映像だけで、生涯忘れられないであろう感動をおぼえました。たしかにカラヤンらしい重厚な音楽ですけど、そこに居た全員が、「そうでなくてはならない」と思いながら演じたのだと思います。喜劇なのになんだか、泣けてくるんですよね。

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     2022/11/25

    カラヤンとの録音もよかったですが再録を待ち続けていたので即ポチしました。 
    ムターらしいブラームスといえばいいのか、好きだからそう思うのかも知れませんが、ドボルザークホールの残響も心地よく、ムター節を堪能できました。 

    フェランデスのチェロも素晴らしい。ムターとの掛け合いもじつに自然に歌わせているのに感心しました。ムターもまた女王の傲慢さのようなものも感じられず、「二重奏」あるいは一体化したチェロとバイオリンの協奏曲、のようにさえ聞こえるました。 

    聴く前は、せっかくの再録ならバイオリン協奏曲とカップリングしてほしかったという気持ちもあったのですが、クララ・シューマンの三重奏は初めての経験ながら、この二人の演奏で聴くと名曲中の名曲のように感じられ、これでよかったのだ、と十分に満足です。

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     2022/11/21

    1925製と書いてあったせいか、PCで聴く視聴の音は古いピアノの音のように聞こえましたが、実際にCDで聴くとまったくそんな感じはなく、知らなければ分からなかったと思います。 たしかにどこか懐かしさを感じる、輝かしいピアノの音で感動ものでした。 

    ベーゼンドルファーとは傾向が違うし、「渋い」ブラームスを期待するとちょっと違うかも知れませんけど、ソナタなどは若きブラームスが思い描いていたのはこんな音のこんな演奏だったのかも、という気もいたしました。 

    ところで、このCD、田部京子の「後期ピアノ作品集」と同じ曲目がいくつか含まれていて、その聴き比べがまたなんともいえず趣がありました。 このCDの録音はすばらしく明瞭で感動モノなのですが、少しくすんだ感じ(私個人の印象です)のした田部京子のもまた好ましく思えてきたり。 

    ベートーベンやショパンとちがって、この、ちょっとマイナーな曲で、一流のピアニストの新しい録音で聴ける嬉しさもありますね。

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     2022/11/14

    数年前にラトルのSACDを聴いて、カラヤンに馴染んだ耳には違和感があったものの、すばらしく録音がいいので、ずっとそちらばかり聴いて今では十分に満足をしていました。 

    そこに登場したこのバレンボイム。ブラームスがとても良かったのですが、もう歳も歳ですし、どうかな?と思いつつ、この人も齢80、そろそろこれが最後の録音かなと思って買ってみました。 

    やはりこの人らしい、「枯淡の境地」などみじんも感じさせないオペラティックな演奏でした。 よく言われるような(私は感じたことがないのですが)「クセの強さ」はなくて、本当に、ワクワクドキドキ。まだまだ自分も老け込んでなどいられないなと元気になったくらいでした。 

    ドイツのオーケストラはこんな風に鳴って欲しいし、ロマン派の音楽はこんな風に演奏して欲しい、そのままのものを感じることができました。 

    録音もCD層でも十分に良かったと思います。なのですが、日本版のMQAって・・・・今さら数枚のCDのために高価な機器を買う気にもなれないし、SACDか普通のCDで出してくれたらいいのにと思うのですが・・・・

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     2022/11/01

    商品紹介の評そのものの『その柔らかく温かな感触に、聴いていると心がフッと緩むような感覚』になります。 

    かつて、ウラッハとコンチェルトハウスのブラームスを聴いたときの響きがそのままよみがえってきた気がしました。 
    イェルク・デムスのピアノでも感じるのですが、本当に、一種独特の「ウィーンの響き」のようなものを感じるんですよね。 
    あの街は一度しか行ったことがありませんが、そんな気分になれる、本当に幸せなひとときでした。

    録音も巧みなのか、アナログの香りさえ感じました。

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     2021/10/12

    学生時代、銀座のヤマハで売り出されたばかりのライスターのシュポア全集を見つけて財布をカラっぽにして買った思い出があります。以来四十年近く、他の奏者がCDを出したら買おうと思いながら、メイエはモーツアルトを聴いて音の軽さが好きでなかったので買わず、もうエーラー式の楽器であんな曲芸をできる人は現れないのかなとあきらめていました。 
    ごく最近、オッテンザマーが90年代に録音をしていたのを初めて知ってすぐ買いましたが、存命中はテレビやコンサートで優雅なソロを吹いてるところしか見たことがなかったので、やはりライスターよりゆるいかなと思っていましたが、が!!です。
    これはすごい! あの「神様」といわれたライスターとまったく引けをとることはありません。オケもライスターのほどには知名度はないみたいですが立派なものです。 
    それどころか!! すごすぎて、途中でぶったまげて楽譜を引っ張り出してきて確かめて、思わず「やったあ!!」といい年をして叫んでしまいました。 
    この曲をチェックされるような方には想像つくかもですが、「神様でも敬遠したのかな」と想像していた部分をオッテンザマーは軽くこなしていました。 
    それにしてもこれほどの商品がなぜ最近までリサーチに引っかからなかったのか不思議です。

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     2021/08/14

    10代の頃からモーツアルトのヴァイオリン協奏曲はどうもおもしろくなくて、ムターでもモーツアルトはダメかなあとなかばあきらめながらプレーヤーにかけましたが、これはいいじゃないですか! 
     
    モーツァルトの交響曲ではベームが好みで、カラヤンはちょっと濃すぎる気がしてたのですが、このムターのモーツアルトも、濃すぎるところをオーケストラの演奏でととのえながら、自分の求める美を追い求めたのであろうかと感じ、ふと、ムターこそがカラヤンサウンドの唯一の継承者なのかも、と思ったりもいたしました。

    叶うならば、ウィーンフィルをムーティに振ってもらって、もうこれ以上ないほどのこってりとしたモーツアルトを聴かせてもらいたいところです。15年ザルツブルグのチャイコフスキーは鳥肌がたつほどでした。 

    いまのムターなら世界最高峰のオーケストラでも自分の音楽を表現するのになんら支障はないでしょう。

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     2021/08/14

    ブラームスの次はシューマンにしよう、と思いたったものの、なじみがなかったので、いったいピアノ三重奏曲をいくつ作ったのかWikiなどで調べるところから始めましたが、周辺知識などもあらためておさらいできて楽しかったです。 

    ディスクを探す段になって、この商品が目にとびこんできたので、ぜんぜん知らない人ですけど、これも縁であろうと思ってポチりました。

    そもそも知らない曲みたいなものですので、よいもわるいもないですが、弦楽四重奏やピアノ五重奏曲もそうでしたが、シューマンって案外、室内楽がいいじゃないか、と思った次第です。

    録音も三人の息づかいがきこえるくらい明瞭で臨場感あふれるものでした。
    ただ、もしこのトリオがこれから先もずっと録音活動を続けるなら、もう少しマイクは遠めのほうがいいんじゃないかな。

    私はコンビニ送りで買えましたけど、コンビニ不可・送料別・ポイントなし、と珍しい制限がついたんですね。でも、手に入るうちに一枚もってて後悔はないと思います。

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     2021/08/14

    三曲そろって比較的新しい録音のものを探して行き当たり、昔、ドボルザークの協奏曲を探したときにもテツラフで、なんとなく縁を感じてポチりました。 いかにブラームス好きとはいえピアノ三重奏曲の演奏を批評するほど聴いたことはありませんが、ブラームスらしさ、の点からも違和感なく、いい音でいい演奏を聴ける楽しみを満喫できました。 演奏家としてもいちばん脂ののった時期ですかね。

    半世紀以上も昔の巨匠たちの演奏では、なにかもっと曰くいいがたい『魂を揺さぶられるような』演奏があったのかもしれませんが、今の時代に手に入る一枚として十分に満足しています。

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     2021/08/14

    アイネ・クライネ・・は、ほかのいくつかの名曲とならんで、学校で聴かされる『文部省の押しつけ』的な印象があって、正直、好きではありませんでした。 さりながらそろそろ還暦に手が届こうかという年代となり、一枚くらいはと思ってマルチバイの穴埋めを兼ねての一枚として購入しましたけれど、これはいいですね! 

    たぶん、気持ちの余裕がいちばん大きいのでしょうけど、ツボにはまりました。 おそらく、ベームのテンポ感とか、身体になじんだ70年代のアナログのウィーンフィルの音とか、そういうものかと思いますが。 

    とはいえ、これから先ずっと70年代の録音にしがみついてるのも寂しいので、好きなものをスタンダードにして聴き比べをするくらいの心持でいたいものです。

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