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Review List of つよしくん 

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  • 1 people agree with this review
     2009/09/01

    ブラームスを得意としたジュリーニであるが、90年代に録音されたウィーン・フィルとの全集は、いかにも晩年のジュリーニらしいゆったりとしたテンポによる堂々たる名演揃いだ。本盤におさめられた第1は、冒頭の和音はソフトなフォルテシモで開始されるが、その後はゆったりとしたテンポによる堂々たる進軍を開始する。この進軍は主部に入っても微動だにしないが、他方、隋所に現れるブラームスならではの抒情的旋律については、これ以上は不可能なくらい美しく、かつ風格豊かに歌い上げている。このような風格豊かな旋律の歌い方は、第2楽章や第3楽章でも同様であり、これは最晩年のジュリーニが漸く到達した至高・至純の境地と言えるだろう。第4楽章は、再び巨象の堂々たる進軍が開始されるが、主部の名旋律の演奏の何と歌心に満ち溢れていることか。ジュリーニの演奏を見事に支えるウィーン・フィルの重厚にして優美な演奏も素晴らしいの一言であり、この第1は、ジュリーニの渾身の超名演と評価したい。ハイドンの主題による変奏曲にも同様のことが言える名演であるが、特に、第7変奏の筆舌には尽くし難い美しさは、空前にして絶後と言えるのではないだろうか。SHM−CD化による音質向上効果も上々である。

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  • 6 people agree with this review
     2009/08/31

    カラヤン最晩年のモーツァルトのレクイエムである。カラヤンは、60年代、70年代に、それぞれベルリン・フィルと組んでレクイエムを録音しているが、特に70年代の演奏に顕著ないわばオペラ風な劇的性格の演奏とは異なり、本盤は枯れた味わいの演奏に仕上がっている。オーケストラもウィーン・フィルであるし、特に重要なソプラノ奏者がバルツァからトモワ=シントウに変わったこともあると思われるが、それ以上に、ベルリン・フィルとの関係が悪化し、健康状態も相当に悪化したカラヤンのこの当時の心境の反映、または、カラヤンが最晩年に至って到達した枯淡の境地とも言えるのではないだろうか。いずれにしても、このような要素が複合的に絡み合い、モーツァルトのレクイエムの感動的な名演の一つとなった。合唱は、相変わらずウィーン楽友協会合唱団であるが、カラヤンの統率力の下、終身監督であるカラヤンと一体となった感動的な演奏を行っている。SHM−CD化により、解像度がやや向上したことも評価したい。

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     2009/08/30

    シドニー交響楽団との全集からのSACD化した上での分売であり、ロイヤルコンセルトヘボウとの全集に次ぐ2度目の全集である。オーケストラの質や力量の違いもあって、私としては、旧全集の方を今なお上位に置きたいが、ラフマニノフはアシュケナージの得意の楽曲だけあって、本盤でも、決して一流とは言えないシドニー交響楽団を見事に統率し、抒情溢れる名演を成し遂げている。旧盤と比較すると、やや角が取れ丸くなった印象があるが、それは、アシュケナージの円熟と無関係ではないだろう。併録のカプリッチョ・ボヘミアンのようなラフマニノフの初期の曲を、魅力あふれる楽曲に仕立て上げるのも、ラフマニノフを得意とするアシュケナージならではの力量だと言える。本CDの不満は、SACDにしては音質がイマイチであること。オクタヴィアなら、もう少し音質のレベルアップが可能なはずであり、今後の奮起を期待したい。

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  • 7 people agree with this review
     2009/08/30

    とても80代の指揮者とは思えないぐらいの力強い凄演だ。ブラームスの第3は、冒頭から堂々たる巨人の歩みであり、スケールも雄大。呈示部の繰り返しを行っているが、決して冗長になることなく、全体の造型もいささか弛緩することがない。第2楽章や第3楽章は、ブラームスならではの枯れた抒情が魅力であるが、スクロヴァチェフスキの演奏には枯れるということとは無縁であり、どこまでも生き生きとした生命力に満ち溢れている。終楽章も圧倒的な迫力であり、この迫力満点の大名演を最高の形で締めくくっている。他方、チャイコフスキーも、重量感溢れる弦楽合奏が実に美しいが、ここでも老いの影は皆無。どこまでも生命力溢れるパワフルな名演を繰り広げている。読売日響も、スクロヴァチェフスキの掛声まで聴こえる情熱的な指揮の下で、最高のパフォーマンスを示している。そして何よりも素晴らしいのはSACDマルチチャンネルの録音の素晴らしいこと。このような名録音は久々に聴いたところであり、部屋がホールにいるような臨場感に包まれた。

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  • 1 people agree with this review
     2009/08/30

    カラヤン&ウィーン・フィルが英デッカに50〜60年代に録音した演奏には、後年にベルリン・フィルと行った演奏とは違った独特の魅力がある。その理由の第一は、健康不安があまり囁かれていないカラヤンの壮年期の録音であるということ。いずれも、壮年期のカラヤンならでは力強い演奏で、圧倒的な生命力がみなぎっている。第二は、英デッカならではの鮮明な録音。どの盤も、ブリリアントで鮮明な音質に仕上がっている。本盤におさめられたベートーヴェンの第7は、カラヤンが得意とした曲の一つであるが、重厚で圧倒的な迫力を全面に出した名演であるが、隋所にカラヤンの代名詞と言うべき柔和なレガートが効果的に使われ、ウィーン・フィルの美演も相まって、重厚さと優美さを兼ね備えた独特の魅力を持つ演奏に仕上がっている。個人的には、迫力という点において、70年代のライブであるパレクサ盤を最上位に置きたいが、当該盤の存在によって本盤の魅力がいささかも減じるものではない。他方、ブラームスの第3も、演奏の性格はベートーヴェンの場合と同様であるが、特に、第2楽章や第3楽章の美しさは、このコンビならではのもので、あらためて、両者の相性の良さを認識することが出来た。SHM−CD化により、音質も相当に向上が図られている。

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     2009/08/30

    ブラームスの第1はカラヤンの名刺代わりの作品である。頭に思い浮かぶだけでも、ベルリン・フィルとの3種のスタジオ録音、昨年に相次いで発売された最後の来日時、死の前年のロンドンでの両ライブ録音など、まだまだ数多くあるような気がする。カラヤン得意の曲だけにいずれ劣らぬ名演揃いであるが、いずれも手兵のベルリン・フィルとの録音。他方、本盤は古き良き時代のウィーンならではの芸術的な香りが残っていた50年代のウィーン・フィルとのスタジオ録音、しかも、鮮明な英デッカのステレオによる名録音というだけで、他の盤とは異なった大きな存在価値があると言える。当時、ベルリン・フィルと国立歌劇場を手中におさめ、文字通り楽壇の帝王への道を突き進んでいたカラヤンの壮年期の生命力溢れる圧倒的な指揮ぶりが、これまた全盛期のウィーン・フィルの美演と見事に融合し、重厚さと優美さといういささか相反する要素を併せ持つ珠玉の名演となっている。カラヤンは、生涯にわたって大学祝典序曲を一度も録音しなかったが、他方、悲劇的序曲は晩年に至るまで幾度となく録音している。本盤の演奏も、第1と同様の性格を有する名演に仕上がっている。SHM−CD化による音質向上効果も目覚ましい。

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     2009/08/30

    アバドは、ベートーヴェンの交響曲の演奏に際しては、滑らかなフレージングをベースに旋律を歌い抜き、高貴な優美さを基調とした明るめのアプローチを行っている。これは、ドイツ風の重厚な演奏とは一線を画する演奏であり、楽曲によってはいささか軽いという印象を与えるきらいがあった。しかし、この第9については、そのような側面も随所に散見されるものの、アバドとしては重心の低い重厚な演奏を行っている。特に、第1楽章に顕著であり、このように力強いアバドは他ではなかなかおめにかかれない。第2楽章も堂々たるインテンポ。第3楽章になるとアバドならではの歌謡性が全面に出てくるが、このようなアプローチが曲想と見事にマッチし、晩年のベートーヴェンならではの至高、至純の名旋律を気高く歌い上げている。終楽章はオペラを得意としたアバドならではの真骨頂であり、旋律の歌いあげなど抜群のセンスを感じる。国立歌劇場の合唱も独唱陣も圧倒的な熱唱でアバドの指揮に応えている。アバドがこれほどまでの名演を成し遂げることが出来たのも、頑固なまでに自分たちの流儀を押し通すウィーン・フィルの力量によるところが極めて大きいのではないかと思われる。後年に、手兵となったベルリン・フィルと2種の第9を録音したが、とても本盤の域には達しておらず、軽量級の凡演に陥ってしまっている。SHM−CD化による音質向上は、いつもながら目覚ましい。

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     2009/08/30

    アバドのベートーヴェンの交響曲へのアプローチの特徴を一言で言うと、イタリア風の歌謡性。滑らかなフレージングをベースに旋律をひたすら歌い抜き、全体を明るく優美に演奏するというものだ。このようなアプローチは、ドイツ風の重厚なベートーヴェン演奏とは一線を画するものであり、アバドの意図をそのまま表現してしまうと軽妙浮薄な演奏に陥ってしまう危険性も高い。実際に、後年に録音したベルリン・フィルとの全集では、そのような欠点が表面に出てしまっているが、ウィーン・フィルとの全集では、指揮者の言いなりには決してならないというオーケストラの頑固なまでの独自性が、軽妙浮薄になる寸前でとどまるというけがの功名的な効果をもたらし、アバドのベートーヴェンとしては比較的名演と評価してもいいものがいくつか存在している。その一つが、この田園だろう。アバドとしては信じ難いほどのゆったりとしたテンポをとっているが、楽想とアバドのアプローチが幸福なまでに符合し、ウィーン・フィルならではの美しい調べも相まって、田園の魅力を大いに満喫させてくれる。カプリングの諸曲もいずれも名演であり、本盤の価値を一層高めることに貢献している。SHM−CD化によって、音質のグレードもかなりの向上が見られる点も嬉しい。

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     2009/08/29

    アバドがベルリン・フィルの首席に就任する直前にウィーン・フィルと収録したベートーヴェン交響曲全集からの一枚だが、いわゆるドイツ風の演奏とは一味もふた味も違う演奏に仕上がっている。その演奏の性格を一言で言えばイタリア風の歌謡性。いかにもイタリア人のアバドらしく、旋律を滑らかなフレージングで歌い抜き、南国イタリアの青空のようにどこまでも明るいのが特徴。しかも、例によってバランスを重視しており、他の演奏ではなかなか聴くことができない対旋律などもよく聴くことが出来る。ただ、こうしたアバドの解釈を等身大に表現すると、軽妙浮薄な演奏に陥ってしまう危険性があり、後年に録音したベルリン・フィルとの全集ではそうした欠点がモロに出てしまっているが、指揮者の言いなりには決してならないウィーン・フィルと組んだことにより、ドイツ風の重厚さがいくばくかは感じられ、軽妙浮薄な演奏に陥る寸前にとどまっていると言える。しかし、軽量級の演奏であることは否めない事実であり、特に、第5や第7のような劇的な曲ではいささか物足りなさを感じるのは致し方あるまい。第5、第7ともに、繰り返しをすべて行っているが、このような物足りなさも手伝って、最後まで聴きとおすに少々苦労したことも付記しておきたい。

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  • 2 people agree with this review
     2009/08/29

    ヴォーン・ウィリアムズはシベリウスを尊敬し、自作の交響曲の献呈を行ったが、その献呈曲が交響曲第5番であった。シベリウスを意識しただけに、激しく不協和音が炸裂する第4番とは全く異なり、いかにも英国の自然を彷彿とさせる抒情性や、北欧への憧憬に満ち溢れた名作だ。ヒコックスは、こうした柔和な作風を尊重した抒情豊かな名演を成し遂げており、SACDマルチチャンネルによる高音質にもいささかの死角はない。併録の合唱曲や小品もいずれも美しい佳曲揃いであり、ヒコックスの指揮やロンドン交響楽団、合唱団も最高のパフォーマンスを示している。

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  • 7 people agree with this review
     2009/08/29

    ニューイヤー・コンサートが最も輝いた時の歴史的なライブ録音である。リチャード・オズボーンの伝記によると、カラヤンは、この指揮の直前は、健康状態も最悪で、気力も相当に萎えていたというが、本盤を聴くと、どの楽曲とも生命力に満ち溢れた演奏を行っており、老いの影など微塵も感じさせない。それにしても、カラヤンの指揮するウィンナ・ワルツは、実に豪華絢爛にして豪奢。それでいて、高貴な優美さを湛えており、ウィーン・フィルも水を得た魚の如く、実に楽しげに演奏をしている。バトルの独唱も見事であり、このように役者が揃ったニューイヤー・コンサートは、正に空前にして絶後であり、今後ももはや決して聴くことはできないだろう。残念なのは、SHM−CD化に際しても、当時演奏されたはずの皇帝円舞曲が収録されていないこと。それを除けば、あまた市場に溢れている各種のニューイヤー・コンサートのCDの中でも、随一の名盤と言うべきであろう。

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  • 3 people agree with this review
     2009/08/29

    ハイドンのロンドンはカラヤンが好んで指揮した楽曲の一つである。私の手元にも、ベルリン・フィルを指揮した新旧2種のスタジオ録音、ウィーン・フィルを指揮した79年のザルツブルク音楽祭でのライブ録音、そして本盤の合計で4種もある。これらの中でも、最もバランスのとれた名演は、本盤のウィーン・フィルとのスタジオ録音ではないかと考えている。カラヤンならではの颯爽としたテンポによる演奏であるが、よく聴くと、隋所に抑揚の効いた極上のレガートがかかっており、各楽章の描き分けも実に巧みだ。ウィーン・フィルも、極上の美演でカラヤンの指揮に応えている。太鼓連打は、後年のベルリン・フィルとのスタジオ録音も名演であり、あとは好みの問題だと思うが、この当時のウィーン・フィルの演奏の美しさには抗しがたい魅力がある。SHM−CD化により、これらの名演がより高音質で聴けることになったことを大いに喜びたい。

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  • 1 people agree with this review
     2009/08/29

    第6に続く、ベーム&ウィーン・フィルのベートーヴェン交響曲全集からの待望のSHM−CD化である。60年代に全盛期を迎えたベームも、70年代に入ると、テンポが硬直化するなど老いの影が忍び寄りつつあることが顕著な演奏が増えてくるが、ベートーヴェンの全集については、そうした老いの影などひとかけらも見当たらない。第7にしても第8にしても、間もなく80歳を迎えようとする指揮者とは信じ難いような、活力に満ち溢れたエネルギッシュな名演を繰り広げている。第7は、ライブでこそ真価を発揮した指揮者だけに、既にCD化されている75年や80年の来日時の名演に比べると、迫力においていささか劣るかもしれないが、スタジオ録音だけに、オーケストラ演奏の安定性においてはこちらが上であり、いかにも晩年のベームらしい、厳しい造型の下、堂々たるやや遅めのインテンポによるオーソドックスな名演を成し遂げている。第8についても、演奏の性格は同傾向であるが、第7よりもテンポを更にゆったりとさせるなど、スケールが一段と大きい。ウィーン・フィルの演奏は、相変わらず実に美しく、この時代のベームとの抜群の相性の良さを感じる。

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  • 6 people agree with this review
     2009/08/29

    類い稀なる極上の美演である。古き良き時代の残照が未だ残っていた60年代のウィーン・フィルに、同オケの往年のソリストが最高のパフォーマンスを示している。フルートとハープのための協奏曲は、相性抜群のフルートとハープの絡み合いが醸し出す高貴かつ優美な旋律美が魅力のモーツァルト中期の傑作であるが、トリップとイェリネックのソロはウィーン訛りを感じさせるほどの美しさの極みであり、ウィーン・フィルと合わせた三者のハーモニーは、まるで天女が奏でる竪琴の調べと言った趣きだ。クラリネット協奏曲は、モーツァルト最晩年の傑作であり、澄み切った秋空のようなどこか抜けきった諦観が持ち味であるが、プリンツの絶妙のソロは、そうしたモーツァルト最晩年の至高、至純の境地を見事に描出している。ミュンヒンガーは、特段の個性があるわけではないが、オーソドックスな指揮ぶりで、ウィーン・フィルや各ソロ奏者に最高の演奏をさせており、その意味では、見事な合わせ方をしていると言える。SHM−CD化によって、音質のグレードは一段とアップした。

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     2009/08/29

    言うまでもなく、リストはショパンと並んで、ロマン派を代表するピアニストであり、ピアノ曲を数多く作曲した大芸術家であるが、これは気のせいかもしれないが、古今東西のピアノニストでも、いわゆるショパン弾きに対して、リスト弾きというのは決して多いとは言えないのではないだろうか。リスト弾きで頭に浮かぶのは、大物ではシフラ、ボレット、アラウ、ベルマンと言ったところか。ボレットは、異論はあろうが、私としては、このリスト弾きの巨匠の中でも、比較的癖の少ないオーソドックスな演奏をしているのではないかと考えている。本盤は、リストのピアノ作品の中でも有名な小品をおさめており、リスト弾きとしてオーソドックスなボレットの芸風を知る上でもベストの選曲となっていると言える。鬼火や狩りの力強い打鍵、ペトラルカのソネット、ため息、コンソレーション、愛の夢の繊細な抒情、メフィスト・ワルツやタランテラのリズミカルな舞踊、そして超有名はラ・カンパネラの超絶的な技巧など、リストのピアノ曲の多種多彩な魅力を存分に満喫させてくれる。SHM−CDとピアノ曲の相性は、いつもながら抜群だ。

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