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nasso さんのレビュー一覧 

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     2010/06/21

    英国の国民的詩人の一人であるコールリッジの代表作「老水夫行」をモチーフにしたトータルアルバム。キーボード主体の多重録音(あまりメロディアスではない)にドラマチックな詩の朗読がかぶさり、部分部分にMIKE OLDFIELDのギターが奏でられる。我慢して聞いていくと、ラストの10分ほど、リオ・グランデというトラッドソングをアマチュアの女学生合唱団がすごく美しく歌い、それが、ルネサンスフランドル組曲に流れて行き、感動的なクライマックスを迎えます。ま、MIKEのファンにとってはマストアイテムでしょう。

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     2010/06/21

    最初に日本盤LPがリリースされたとき、帯には、BEDFORDより、MIKE OLDFIELLDの方が大きく書かれ、チューブラーベルズのようなプログレ大作を期待した耳には、オーケストラの不協和音が延々となり続けるだけ。後半に、ギターがなり始め、ここからか!と思うとそのままカオスの中に消えていく。
    当時の多くのプログレ初心者をあっけに取らせた怪作というべきか。販売数はわかりませんが、恐らく現代音楽としては当時最高のセールスを記録したのではないでしょうか?ま、ディープなMIKEファン以外にはお勧めすると怒られそうですが。

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     2010/06/21

    Phaeacian Games におけるMIKE OLDFIELDの天を舞うギターソロは、永遠に続いて欲しいと思う素晴らしさです。
    スターズエンドのゴリゴリの現代音楽から、ちょっと妥協して聞きやすさを増した老水夫工(ルネサンス・フランドル舞曲をアレンジしたラストの盛り上がりは聞きモノです。)を経て、到達した(BEDFORDの最も聞きやすいプログレ寄り)秀作です。オディッセイの叙事詩をテーマにしたトータルアルバムです。

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     2010/06/07

    権力者の犯罪、差別犯罪(特にスウェーデンに根深いナチズム絡み)、女性への暴力に対する深い怒りを根底に置く社会派ミステリ3部作の第一弾。原作をうまく刈り込んで(それでも2時間半弱)迫力あるミステリ映画に仕上げています。(原作を読んでいるものには、ミカエルが善人すぎて、リズベットが柔軟すぎる気もしますが・・)。単純な過去の失踪事件を追及していくうちに事件が別な様相を示してくる第1作に続く、第2、3作では、そんなこんながもっと大きな歴史の闇・裏面に収斂していく展開が待っています。予告にある続編のリリースに期待します。(それを考えると、商品の仕様、解説などの無いあっけなさすぎるパッケージなど、売る気が有るのか?、と思いたくなる貧弱さ)

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     2010/05/28

    ウゥンズロウは「犬の力」で突然ばけた訳ではない事がこの作品でよくわかる。物語の本筋の合間に挿入されるジャックとニッキーの人生の軌跡が、それぞれ、別々な作品にできるほどの充実した物語であり、それらが終盤に向い収斂していく筆力には脱帽させられる。ハリー・ボッシュを井上ひさしが書いたらこんな感じになるのかな?という気がした。
    (ボビーZからカリフォルニアの・・・の角川からの3作は、どう考えても装丁で損をしていると思うのだが。。。。犬の力もこの流れの装丁だったら手に取らなかったかも・・・)

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     2010/05/22

    北欧プログレの極北!何よりもマイク・オールドフィールドの参加で、ペッカのもつ美質が実力以上に(?!)まで引き出され、とんでもない傑作となっています。
    マイク参加のタイトル曲は、どこまでの天に登り続けるかのようなギターが乱舞し、苦しくなるほどです。このセッション後、ペッカは暫時マイクのツアーメンバーとして同道します。(その後、ぶつかったらしく、後のインタビューでマイクとのことを聞かれたとき「そんな奴がいたなぁ」と話をそらしていました。(来日ライブでは、招請側の依頼でしぶしぶこの曲を演奏しましたが、意図的に(とおもうけど)気の乗らない感じの演奏でした)

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     2010/04/29

    ヘルツォークが最も脂がのっていた時期(ポポル・ブーの音楽を使っていた時期と重なるのが不思議)の諸作品の中で、最も美しく、また、見やすい作品です。当時、トリュフォー作品で華々しくデビューしたイザベル・アジャーニの美しさも特筆に価しますが、音楽と映像の異常なまでの相乗効果で、娯楽映画の範疇を越えた芸術作品になりえていると感じます。日本では、ほとんど触れられていませんが、ケイト・ブッシュがこの作品に衝撃を受け、この作品に使われた音楽を、まるまるカバーする、と報じられましたが結局完成はせず、この中の一曲のみ、ヒリヤードアンサンブルをゲストに招いてハロー・アースという曲の中に組み込んでいます。(原曲はグルジアの民謡です)。

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     2010/04/29

    昔見たATGの映画の中での怪優戸浦六宏さんが、高校の古文の教師役で「能と言うものは、限りなく死者に近い生者と、限りなく正者に近い死者との交錯する瞬間を描いたもの」というニュアンスのセリフが、この作品を言い表すのにそのまま使えるような気がします。とうとうとたゆたうように流れる美しいメロディは危ういまでに美しく、どこか生死の狭間を漂うかのような空気を思わせます。(この作品が使われたヘルツォークのノスフェラトゥも必見です)。フローリアン・フリッケの美意識の頂点です。

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     2010/04/29

    最初は、「何だ?これ、夢で見たのと違う!」という感じなんだけど、変にはまってしまう。結局、以降の作品を聞けばわかるけど、きちんとした音楽の素養があり、美しいメロディをかける人が意図的にメロディを排除して作った音楽だから根底に存在する美意識が我々に訴えるのだろう。
    大概のミュージシャンは、だんだん才能が無くなり、メロディが生み出せなくなり技巧に流れるのだが、ポポル・ブーの場合、最初の2作は難解(?)な顔を見せていたのに、後に行くに従って叙情性・メロディ性(?)を増して行く、稀有なパターン。(決して商業主義という意味ではなく)。
    これがロックであると認識される事は、ロックの深化を考える上で幸福であると思います。なお、少なくとも最初の数作品は紙ジャケで持っているべき作品でもあると感じます。

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     2010/04/29

    やっとやっとやっとやっと出る!!!!!
    今度こそ延期にならないことを祈っています。


    発売をとにかく信じて待っています。

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     2010/04/29

    カオスの中に切なくなるほどの瑞々しい世界を現出したチュ−ブラーベルズ。思いがけなく時代の寵児としてシーンに放り込まれ、狂騒とプレッシャーの中で精神を病みながらもひたすら心の中の美しい調べを織り込んでいったハージェスト・リッジに続き、(変な団体に入信?し、立ち直った?)マイクが満を持して世に問うた名作。3作の中では最も聞きやすく親しみやすい作品ですが、美しすぎるメロディの奔流と、複雑で絶妙のアレンジ、そして、天空を舞うかのようなギターソロ。その後、ロック界に多く取り入れられるようになる(ジュブーラによる)アフリカンドラムのリズム。こんな作品が新たな生命を吹き込んで究極の形でリリースされる!しかも、レアトラックも耳に出来る。。。まだまだ生きていれば良い事が有るんだ!・・そう思ってしまいます。今からリリースの6月が待ち遠しくてたまりません。

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     2010/04/24

    いろんなロックグループのメンバーがソロアルバムを出し始めた頃、(極端に言うと、まぁ余技的なソロだからこの程度で水準作、というゆるい評価で通っていた頃、)「いわゆる」ソロの水準を越えたアルバムとして高い評価を得た名作。もともとベーシストだったラザフォード(S・ハケット在席時のgenesisでも時々12弦ギターを弾いてはいたようですが・・)が、ソングライティングと、ギター、ベースを弾きまくるコンセプトアルバム。(セリング・イングランド・バイ・ザ・パウンドと共通のテーマ)。この作品での成功が、後のマイク・アンド・メカニックスの成功に繋がったのは言うまでも無いことでしょう。

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     2010/04/24

    発売当時(30年ほどまえ)某家電メーカーのCMに「ブレークファースト・イン・・・」が採用されスマッシュヒットになった頃、その曲目当てで購入しましたが、どの曲も素晴らしく他のアルバムも慌てて購入した事を今でも覚えています。ラストの「チャイルド・オブ・ビジョン」なども、スリリングでとても格好いい曲です。(ライブで聞いたら、ちょっと間延びしていたのが残念ですが)

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     2010/04/24

    ピーター・ハミルの歌と、メンバーの演奏のクオリティが最高潮に達した最高傑作だと思います。叙情性と攻撃性がきわどいバランスで相乗効果を産み出し、1曲としてダレ場がありません。当初USA盤にしか収録されなかった「テーマ1」もボーナストラックとして収録されているのも嬉しいところです。また、個人的に最も気に入っている「マン アーグ」ですが、その歌詞は、ピーター・ハミルの詩集のタイトルにも採られている、おそらくハミルの根源的なテーマの集約されているものとして聴くべきではないでしょうか。
    あまり触れられることも有りませんが、70年代のVDGGはアルバムカバーも凄く良いとおもいます。
    ファンにとって幸せな事は、この当時のLIVE映像がDVD化されていることです。(間見合うなら早く入手をお勧めします)

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     2010/04/23

    初回盤の発売を知らず、気づいた時には完売。阿漕な出品者がヤフオクでとんでもない価格を提示しているのは、財布が寂しいのももちろんですが、気持ちの点でも不快で、諦めていたところに、再発の吉報。あわてて注文しました。「歌のあゆみ」もどうにか1〜7までそろえることが出来、40年近く堀江さんを聞いてきた自分の半生を、ふと思い返してみたりしています。

    およそ日本に生きている人で、堀江さんの声に、励まされたり、癒されたり、楽しませてもらったりしたことのない人はいないと思います。
    手塚治虫さんが亡くなった時の朝日新聞の感動的な社説で、「何で日本にのみ、これほど素晴らしい漫画文化が存在しえたのかの答えは、手塚治虫がいたからだ」という主旨を述べていましたが、同じことが、アニソン歌手というジャンルが何故ここまで発展・進化したかの回答に「なぜなら日本に堀江美都子さんがいたっから」と、言っても間違いでは無いと思います。

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