交響曲第3番、第4番、答えのない質問、宵闇のセントラル・パーク ルドヴィク・モルロー&シアトル交響楽団
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風信子 | 茨城県 | 不明 | 2017年05月27日
交響曲は世界だ・宇宙だという言われ方をする それを具現している交響曲の最たるものがアイヴズの”第4交響曲”だと思う 繰り返し繰り返し還って行きたくなる”世界”だ それは神秘であり平俗であり敬虔であり何にもまして極めて人間そのものという作品になっている ここには”世界”の凡てがある 一個の人間の人生があり 人類の雑踏がある 独りじゃないんだという感を深める その新たなディスクがこのシアトルSOのライヴ編集盤だ モルローの指揮はほとんど混沌と化してしまうスコアを見事に整理して聞かせる 第二楽章がこれほど明晰に音化された演奏をこれまでに知らない しかもクリアな音響は美しく アイヴズの叙情性まで引き出している 音楽が澄んでいて温かい情調が行き亘っている 稀に見る傑作の登場となった 続く二つの小品と第3交響曲も同様の精神に貫かれた演奏と言える こんなにアイヴズとの裕な時間を過ごしたのは久しぶりだ 特に第3交響曲のフレンドリーな趣に寛ぎ癒された 凡演だと飽きて退屈する曲である モルロー&シアトルSOが醸すアイヴズへの共感と共にいる愉悦の心情が伝わってきて嬉しくなった アイヴズの音楽は素晴らしい ご一聴を1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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