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オッフェンバック(1819-1880)

DVD 『ホフマン物語』全曲 マルターラー演出、カンブルラン&マドリード王立歌劇場、カトラー、オッター、ブルガーゴーズマン、他(2014 ステレオ)

『ホフマン物語』全曲 マルターラー演出、カンブルラン&マドリード王立歌劇場、カトラー、オッター、ブルガーゴーズマン、他(2014 ステレオ)

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    notabene  |  東京都  |  不明  |  2019年02月03日

    現代的演出だが音楽+演劇として、これもありな感じがした。冒頭、指揮者が登場して、幕が開いても、音楽が鳴らない。カフェ(バー)+文化施設みたいな舞台(上演地マドリードの有名な施設を模しているようだ)で、スパランツァーニ博士が観光客を案内している?その中に心ここにないようなホフマンもいる(難民申請者用のガウンを着せられているという設定みたい)。これが2、3分続いた後にやっと、隅のバーて呑みつぶれているミューズ/ニクラウスにスポットが当たって、序奏が鳴る。オッターはミューズ/ニクラウスとしては年がいっているのを隠そうともせず、くたびれた風情で歌い出しズボン役のズボンを履こうとしても、途中で止めてしまう。ウェイターのパントマイムは転げてばかりで決して飲み物をサーブできない。傍らでは退屈しきった客たちが全裸のモデルをスケッチしている。どうやら全員が福祉の対象のような、脱力しきった世界、アンチ・ロマンな現代的演出らしいと判ったところでお手上げな人も多いかもしれないが(ボーナストラックのメイキングも付属ブックレットにも説明がないのは不親切過ぎる)、指揮者のタクトは演劇的な動きをよく汲んだ緩急自在さがあり、サウンドとしては聴き応えがある。種明かしとしては、施設全体がスパランツァーニ博士がリモコンでオンオフしている世界のようであり、役者が演じるステラが随所に登場して、ホフマンの一方的な愛情の意のままにならないヒロインたちの代理のように、最後は男たちがつくりあげてきたもの全てに無効宣言するようなスペイン語の詩を投げつける。オランピアもアントニアも死なない(オランピアは女優に目覚めたのか幕の前でお辞儀して去る、アントニアは座ってるだけ…)。アントニアとジュリエッタが一人二役なのは同じ女性の聖性と魔性を露にして分かりやすい。不思議な演出でも、ホフマン物語を見慣れてきた人には見所の多い舞台。ただ、新バージョンを謳いながら、基本はエーザー版のアレンジのようであり、後半になるほどゾクゾクする新味は薄れ、ジュリエッタの幕の意味不明さを補う演出的工夫は乏しい。ホフマンは上手いが伸びやかなハイトーン、すらっとした堂々たる体躯の男では演出とミスマッチ感あり。リンドルフ/ミラクルはラテン風の色悪男でどうかと思ったが、常に舞台の背後で出る機を窺いながら四役を少しずつ変えて見事に歌いこなしているのは流石と思った。またオッターの老いには最初がっかりするが、最後まで見て欲しいとも。

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