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マーラー(1860-1911)

Blu-ray Disc 交響曲第9番 シャイー&ゲヴァントハウス管弦楽団

交響曲第9番 シャイー&ゲヴァントハウス管弦楽団

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  • ★★★★☆ 

    naoko  |  鳥取県  |  不明  |  2014年11月08日

    私は、この演奏・録音に対して好印象を持った。確かに、RCOとの演奏とくらべてみても、一般的に見ても、テンポは速い。しかし、せかせかしているようには感じなかった。この演奏全般的に言えるのは、一つひとつの音が、深く、また力強く彫琢されていること。テンポ設定そのものにどれだけの根拠があるのかどうかはわからないが、マーラーの書いた音を一つひとつ再現しようと一刀一刀に力がこもっている。そのために音が途切れそうになるときもあるが、きちんと呼吸を絶やさずにいる。またテンポをいたずらに揺らしたり、感情に溺れたりしない。そういった意味では、ワルター/VPOよりもワルター/コロンビアSOの演奏、棟方志功の板画を想起させる。オケも素晴らしく、ソロのパートでも美しい。録音の方も、確かに、映像作品であるので、楽器の空間バランスはやや大げさにしているのかもしれないが、ステレオを選んでも、各楽器ははっきりと分離して聞こえるし、奥行きも感じられる(ロックなどスタジオで作り上げた音楽や、意図的に音響効果を狙った曲ならともかく、普通のクラシックの楽曲なら実はステレオの方がサラウンドよりも自然なのではないかと最近、私は思う)。シャイーという人は、いくつかの読み物で判断するかぎり、それほど、音楽に深い哲学・想念はないように思うのだが、音楽を聞くかぎり、音楽に忠実に仕えようとする、また、正しいか間違っているかは別として、自分の信じた音楽を再現しようと努める真摯な人なのではないかと思う。

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  • ★★★★★ 

    John  |  UNITED STATES  |  不明  |  2014年10月27日

    I have been enjoying live concert recordings of Mahler Symphonies No. 6, 7, and 9 by Richard Chailly/Leipzig Gewandhaus Orchestra over the weekend. They are all superbly conducted and played and show Chailly’s stronger, deeper involvement with the scores which wasn’t always obvious in his earlier recordings with Amsterdam Concertgebouw Orchestra. This new live Mahler Ninth is no exception. It is meatier and more propulsive than Chailly’s RCO recording but no less refined and beautifully played. Indeed, Gewandhaus Orchestra plays like men possessed under Chailly dynamic conducting. The sound is superb, very detailed but warm and vibrant, easily one of the best I’ve ever heard on Blu-ray discs. Super!

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  • ★★☆☆☆ 

    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2014年10月18日

    シャイーがロイヤル・コンセルトヘボウとの全集録音の最後、2004年に録音した第9番は、情動的なのめり込みを排してスコアを虫眼鏡で拡大したような克明、精細な演奏。全体としてはあまりブリリアントとは言い難い全集録音の中で断然光る一作だった。しかし、それから9年後のこの録画は全く別人のよう。映像から確認できる新機軸は第2ティンパニに硬いマレット(ばち)を使わせ、通常のマレットで叩く第1ティンパニと音色上の対比をつけていることだが、何よりもテンポの違いが大きい。全楽章とも前回録音に比べて遥かにテンポが速くなり、コンセルトヘボウ盤で89:46だった全4楽章の演奏時間は今回、77:35(拍手などを含まぬ実測時間)と相当に速い部類の演奏となった。そもそも入念なセッション・レコーディングと一発ライヴの今回録画を比べるべきではないのかもしれないが、基本的にクールなアプローチであることは変わらないものの、前回録音の精妙な細部拡大趣味は吹っ飛ばされてしまい、普通いや普通以下の演奏になってしまった。中間二楽章のダイナミズムにはそれなりに見るべきものがあるが、両端楽章はオケが速いテンポに乗り切れておらず、淡白どころかむしろ散漫。この演奏のテンポ設定のモデルかと思われるワルター/ウィーン・フィルの1938年録音、ノリントン/シュトゥットガルト放送響、シュテンツ/ケルン・ギュルツェニヒ管、そしてインバル/都響などは速いテンポによる録音だが、決して嫌いではない。しかし、この演奏からは音楽の自然な呼吸に逆らった「せっかちさ」しか感じられなかった。 シャイーとド・ラグランジュの対談、指揮者自身による曲についてのコメント、どちらにも今回から日本語字幕がついたが、悲しいほどに内容空疎。楽譜そのもののアナリーゼなら何とでもやりようがあるが、「第9交響曲を書くと死ぬという迷信にとらわれて・・・・」というアルマ作の嘘物語を語らぬとすれば、この曲には聴衆に分かりやすく言葉で語りうるような物語はもはや何もない、ということだろう。後者で現在のドッビアーコ(ドイツ読みトーブラッハ)村と作曲小屋の百年前とほとんど変わらぬ風景が見られるのが唯一の救い。かつてのバーンスタイン、現役世代ではティルソン=トーマスのように、こういう所で俳優顔負けの巧みな話術を見せる指揮者もいるが、(決して頭の悪い人ではないはずの)シャイーがこういう喋りに向いていないのも、今や明らかだ。

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