交響曲第14番『死者の歌』 ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィル、ガル・ジェイムズ、ヴィノグラードフ
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2014年06月07日
いよいよ全集録音も追い込み。4番に続いて、もうひとつの「高峰」である第14番に挑戦。さすがに表現主義的な表出力ではクルレンツィスに及ばない感があるが、これも悪い演奏ではない。明らかにクルレンツィスに勝っているのは、打楽器の巧みな生かし方。特に金属打楽器の響かせ方がとてもうまい。モノクロームになりがちな弦合奏も(もちろんゴリゴリと弾かせる所もあるが)色のパレットが思いのほか豊富だ。つまり死だの晩年だの晦渋だのといった既成イメージをいったん棚上げして、素直に楽譜に向かい合った演奏とも言える。おかげで、この曲がとても聴きやすくなっている(なかにはこのような「軟化」を嫌う人もいるかもしれないが)。まだ三十代の二人の歌手もとてもうまい。ジェイムズはシャイー指揮『ボエーム』のミミ(その前にはバレンボイム指揮『マノン』に端役で出ていた)以上に印象的。表現の引き出しが豊富な、達者な歌手だ。ヴィノグラードフ(ジャケット表記ではバリトンだが、オペラでの持ち役から見てもバスだろう)も絶叫の一歩手前で踏みとどまる知的なコントロールの効いた歌を聴かせる。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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