交響曲第5番 シャイー&ゲヴァントハウス管弦楽団
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2014年06月14日
着々と進行する映像による全集。この後、2013/14シーズンには9番、来日公演曲でもあった7番が収録されている。この5番では一貫して速いテンポ、特に従来、かなり遅めのテンポが普通だった第2楽章第2主題(特に展開部序盤のチェロによるユニゾン部分)、第3楽章のピツィカートによるレントラー部、第4楽章全般などでも停滞感のない快速テンポが維持されていて、このコンピが最近CDリリースしたベートーヴェン、ブラームス全集と共通の志向を認めることができる。なるほど構築性を重んじた純器楽曲としてのアプローチは5番には合っている。しかし、ブラームスまでの方法論をそのままマーラーに持ち込むのは無理ではないかとも感ずる。なぜなら、マーラーの総譜ではメトロノーム表示がない代わりに、言葉による詳細なテンポの指示があるわけで、第3楽章「速すぎないで nicht zu schnell」、第4楽章冒頭「非常に遅く sehr langsam」などは作曲者の指示に逆らっているとしか思えない。たとえば、インバル/都響は物理的なテンポは速くても、表情そのものは濃厚だが、このコンピの演奏では上記のような(遅いテンポが求められるはずの)表現上の勘どころが、どうしても淡白に聴こえてしまう。 指揮者自身による演奏についてのコメントも、4番の時に比べれば遥かに情報豊富だが、言葉で語ってしまったために、かえって読みの浅さを露呈したり、(純器楽的解釈を志向しているくせに、プログラム的なメンゲルベルクの総譜書き込みにとらわれ過ぎといった)矛盾に陥ったりしているのは皮肉だ。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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