"Die Harmonie Der Welt(Opera): Janowski / Berlin.rso, Kotchinian, Le Roux, Et"
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フォアグラ | 愛知県 | 不明 | 2016年12月22日
2000年に録音された、オペラ「世界の調和」の世界初録音であり、今も唯一のもの。映像もないようだ。交響曲版ではフルトヴェングラーの指揮で聴くと実におどろおどろしい音楽で、またそこがいいのだが、オペラのほうは重厚ではあるが繊細、精緻な面が強く、ヒンデミットらしいハードボイルドな切れ味も加味され少しも退屈しない。というより、私はいたく感動した。天文学者ケプラーの後半生を描くオペラだが、ケプラーの母親が魔女裁判にかけられるエピソードはヒンデミット事件を想起させずにはおかないし、ケプラーの死とともにケプラーを含む登場人物が太陽系の惑星となって、調和の音楽を歌い上げる終幕は2つの大戦を潜り抜けたヒンデミットの平和への渇望に思え心を揺さぶられる。演奏も最高だ。ケプラー役ル・ルーをはじめ歌手は皆好演だし、なによりもヤノフスキの引き出す切れ味を保ちながらも決してドライにならない豊かな響きが充実の極みだ。重要な役割をもつ合唱のベルリン放送合唱団も素晴らしい出来。ベルリン・イエス・キリスト教会でのセッション録音で、現在ではこんなことはもう無理だろう。これほどの傑作が知られていないのは残念だ。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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