『グラン・マカーブル』全曲 オリュ、カラスコ演出、ボーダー&リセウ大歌劇場、メリット、モラレーダ、他(2011 ステレオ)(日本語字幕付)
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Flandre | 東京都 | 不明 | 2023年09月10日
リゲティの音楽を聴いて、音楽を聴く喜びを感じたことは一度もないが、二十世紀の傑作オペラとかなんとか言われて、比較的よく演奏されているようなので念のため聴いてみた。結局、私にはまったくぴんとこなかった。それでも、これは素晴らしい、と思ったことがふたつある。 まずは、秘密警察の署長(とヴィーナス)を歌ったバーバラ・ハンニガンの歌。ここだけは(10分弱)思わず聴き入ってしまった。気になったのでラトルがベルリンフィルと演奏会形式でやった、このオペラの同じ部分を聴いてみたが、まったく面白くない。ハンニガンについては、飛び抜けた才能を持つ人間のすごさとしかいいようがない。彼女が歌うとなんでも思わず耳を傾けたくなってしまう。 もうひとつよかったのは演出。オペラの演出はここ数十年、読み替えばやりで、見るたびに幻滅の繰り返しだが、この演出は猥雑でばかげた作品の世界観にぴったりで、おもわずうなってしまった。 でも二度と見ることはないと思う。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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