交響曲第1番、第9番『合唱』 シューリヒト&フランス国立放送管弦楽団(1965 ステレオ)(2CD)
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一蘆 | GERMANY | 不明 | 2021年03月10日
ALT239(当CD)、ALTSA239(当シングルレイヤー)、ALT364(2017年再リマスターCD、英雄・コリオランも収録)三種を聞いた。当CDでも既発の他社盤に比べて明らかな改善が見られた。しかし、それが再リマスターになると遥かに彫りが深くバランスの取れた自然な仕上がりとなり、初めてこの演奏の真価に触れた気がした。今となっては前者を聞く気にはならない。最後にSACDを聞いたが、シングルレイヤーならではの楽器の艶やかさといった点で優れているもののやや加工臭もあり、新リマスターの成果の方を評価する。しかし後二者を聞いて音楽の評価としては変わらない。SACDにこだわる方は聞いてみるのも良いだろうが、そうでなければ通常盤の同じ価格で英雄が入った再リマスターを選ぶことをお薦めする。当盤に感動した方ならば買い替えても後悔はないに違いない。演奏について端的に言えば、シューリヒトはよくアポロ芸術と評されるがこれらはその極致といえるもので、シューリヒトの全録音中、またベートーヴェン演奏史上でも最上の部類に入るだろう。殊に第九は世界遺産に推したいくらいのものだ。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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としちゃん | 宮城県 | 不明 | 2013年08月04日
聴いてびっくりです。ステレオライヴという点がまずありがたい。シューリヒトの録音を聴いていると、音の凛々しさのようなものに心を打たれます。ベートーヴェンはパリ音楽院とのCDも聴いて素晴らしかったんですが、このライヴの方がさらに感動的でした。第2楽章の生き生きとした、音が生き生きと蠢くスケルツォ、最高です。シューリヒトは、こういう音楽、本当に上手ですね。第3楽章のホルンが、おかしなところで音を外していますが、そんなに気になりません。4楽章では、音を割らんばかりに、トロンボーンを合唱と共に吹かせています。これは、シューリヒトの表現なのですね。スタジオ盤でも音をバリっと割らせていましたが、もっと力強く、合唱と共にトロンボーンを歌わせています。4重唱は、フルトヴェングラーとまた違っていて、とても素晴らしい。コーダの決めもばっちり。音楽の使徒、シューリヒトのまばゆいばかりの輝きに圧倒されました。5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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mid-massa | 三重県 | 不明 | 2013年06月01日
こういう珍しい録音が残っていたこと自体に感謝。演奏についてうんぬんするのはどうでも良い。個性のない、無国籍のただ録音が素晴らしいだけの音(音楽ではない!ただの音の羅列でしかない!)に慣らされた諸君には「ただのへたくそな演奏」でしかないだろう。確かに現代ではアマチュア楽団でもこの程度の音は出せるかも知れない。しかし50年近くも前に(小生の中学時代だ)これだけの音が残せたのだ。それも80越えた老人の指揮で、だ。今の音響効果満点のホールでやっていたら、昨今のティンパニだけがやたら強調された例の何とか版の軽〜い演奏なぞ吹っ飛んでいるに違いない!しかしシューリヒトはフランスのオケを結構振っていたんだなあ、と思った。このシューリヒトのシリーズはみなフランスのオケである。合奏力には問題があるかも知れんが、けっこうやってくれてますやんか?他のもぜひ聴きたい。それともう他にフランスオケ物やシューリヒトの他の未CD化録音はないんでしょうか?アルトゥスさん!5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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HIDE | 愛知県 | 不明 | 2012年08月27日
本CDはシューリヒトがフランスで指揮した最後の演奏で、幸いにもステレオで 残されていた。1番はディスクモンテーニュ盤で聞くことができたが、9番の正規盤は初めてで、長年待ち望んでいたものである。ライブのためアンサンブルに乱れはあるにしても、演奏は情熱にあふれ、とても85歳の老指揮者によるものとは思えない素晴らしいものである。シューリヒトは、この演奏以後体調をくずしたというが、消えゆくローソクが最後に明るく燃え上がったような感銘をうけた。この演奏のすばらしさを理解できない批評家は、木を見て森を見ていないと言わざるを得ない。10人の方が、このレビューに「共感」しています。
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