ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲、ディアベッリのワルツ主題に基づく50の変奏より シュタイアー
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うーつん | 東京都 | 不明 | 2020年12月19日
シュタイアーによってディアベッリ変奏曲がこんなにも面白くなるのか、とびっくりさせられた。やりたい放題だが、それがうまく曲の内容にはまっており愉しさ満載のディスクである。 2020年、某音楽雑誌の中で取り上げられていた記事で興味を持ち、遅ればせながら聴いてみたわけだが楽器の響きのすばらしさと奇想&イマジネーションの限界を行くような愉しさがあふれている。 50の変奏曲集からの抜粋(各作曲家の個性や特徴が出ていて面白い。50の変奏を全部聴けと言われたら疲れるだろうが… )を指慣らしにし、シュタイアー自身の「イントロダクション、あるいは前説」を経てからベートーヴェンに一気になだれ込むというアイディアも奇抜で新鮮。 実際聴いてみればベートーヴェンが1/50になることを断り、自身だけで変奏曲を書き上げたかが理解できる気がする。彼の頭には変奏曲の一部になるより、主題から変奏を積み上げるべく、湧き上がるアイディアと(1/50に数えられるようなことをしたくない)プライドがあったのだろう。そしてそれにふさわしい大曲となったわけだ。とはいえ、普通に聴いていたら途中で退屈になりそうなところだが、シュタイアーの「演奏技法の変奏」により適度に目を覚まされることになることだろう。「え! 何だこの演奏は!」と思うところは多数。どこにどんな創意があるのかは実際聴かれて頷いてもらえたら何より。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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