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マーラー(1860-1911)

CD 交響曲全集(第1番〜第9番、第10番より『アダージョ』) アブラヴァネル&ユタ交響楽団(10CD)

交響曲全集(第1番〜第9番、第10番より『アダージョ』) アブラヴァネル&ユタ交響楽団(10CD)

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    ぴたすみん  |  大阪府  |  不明  |  2018年11月17日

     持っている同一のCDの具合がおかしくなったので買い直しを機にレビューします。(昔のバラ売りのCDやLPを処分するんじゃなかった…。)  マーラーが亡くなって50年たったところで、著作権が消滅。そこで、CBS、ドイツグラモフォン、デッカ、フィリップスといった大手が競って、マーラーの交響曲全集を制作し始めます。それぞれバーンスタイン、クーベリック、ショルティ、ハイティンクを起用したわけです。(EMIとRCAが参戦してくれていたら、バルビローリかホーレンシュタイン、ラインスドルフの全集が残ったのに…)その中で、弱小レーベルだったヴァンガードが果敢に挑戦したのが本全集。オケは正直言って非力です。特に合奏部分になると、明らかなミスや音程が怪しい奏者もチラホラいます。でも、ついさっき音程が怪しかった奏者がソロを奏すると、なんか凄い節回しで演奏したりします…。曲によっては弦楽や木管が妙にジプシーっぽい(?)ヨーロッパの場末感いっぱいの奏で方になったりもします。アメリカの田舎(当時)のオケなのに…。これは、明らかに指揮者が指定して、練習した結果だと思うんだけど…。それになにより、バーンスタインが始めて、テンシュテットが確立した「苦悩して、もんどり打ってのた打ち回る作曲家の姿」がありません。ここにあるのは「生きる喜びを爆発させる作曲家の姿」です。5番の終楽章など、他の演奏家のものとまるで違う。プレートルとか、シェルヘン以上です。まさに生きる喜びの爆発です。だから、従来のイメージを持つ人から見たら、「ヘン」以外の何物でもないでしょうね。だから、曲そのものの意味も大きく変わってきます。  でも、7番はこのアプローチでないと筋が通らないんですよ。1楽章→日没、太陽の葬送に始まって、終楽章→日の出、太陽の復活。間の楽章は夜のさまざまな性格、心象風景ですから。7番が判らない…とか、難解だと思ってる人にはうってつけの演奏じゃないかな…。こういう全集は、たいていの場合、曲の収録順は、7番と8番が最後になることが多いんですが(20年以上マーラー、マーラー言ってるI・フィッシャーでさえそう。)、アブラヴァネルは面白いことに、演奏環境という物理的難所の8番から収録を始め、解釈上の難所の7番を2曲目に持って来ています。この演奏スタイルは、だから確信犯ですね。4番などもこのスタイルがいい方向に働いてる…というより多分一番ふさわしいかたちのような気がします。  あと2番や8番の合唱が圧倒的ですね。2番なんかは、長く苦しい闘病生活を終えた指揮者の復活公演(アバド、テンシュテット、小沢あたり)とか、経営難でつぶれたけど再興された楽団の演奏なんかが感動的だったりしますけど、この演奏では、本当に「魂の復活」とか「神による救済」を信じてる人たちが合唱してるってのがアリアリと聴こえてきますから。現代的な演奏だと、まず合唱者は、そんなこと信じてませんけどね。この人たちは本気です。  いずれにせよ、私にとっては、どうしても必要な演奏です。深刻なバーンスタイン、中欧の歌謡性を大切にしたクーベリック、現代楽団の機能を十全に発揮するショルティ(ごめんなさい。ハイティンクのものは真面目に聴いてないので何とも言えません。)。いずれの指揮者にも影響を受けたりした後継者はいるようですけど、アブラヴァネルのようなマーラー指揮者には後継者はいないようです。強いて言えばMTTですけど、ここまで爆発的に前向きで明るいマーラーではないように思います。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • ★★★★★ 

    moog  |  福岡県  |  不明  |  2013年11月23日

     素晴らしい演奏である。マーラーの交響曲を聴く楽しみが存分に味わえる。割引価格の点数合わせに購入したのだが、こんな魅力的な演奏が聴けるとは期待していなかった。  何が素晴らしいのか?。どの楽器の、どんなに小さなフレーズもおろそかにされず、考え抜かれた充実したフレージングで奏されている。しかも、テンポが良い。その結果、生き生きとした、精彩に満ち音楽が展開される。  先週購入して、まず、大好きな7番の第2、第4楽章を聴いて驚いた。特に第4楽章が素晴らしい。その後、3番、4番、6番を全曲聴いた。9番の第2楽章も素晴らしい。’60〜70年代にこんな演奏が行われていたなんて。  録音も悪くない。管楽器のニュアンスもリアルだし定位も良い。  正直、しばらく他の演奏(バーンスタイン、テンシュテット、小澤、レヴァイン、ベルティーニ、シノーポリ、マゼール、ショルティ、アバド、シャイイー、ハイティンク、エド・デ・ワールト、クーベリック、ジンマン、ゲルギエフ、マイケル・ティルソン・トーマス)に手が伸びそうにない。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • ★★★★☆ 

    鉄血桃太郎  |  山梨県  |  不明  |  2012年10月31日

    アブラヴァネルとユタ響によるマーラー第7番はその昔NHKFMで私が記憶しているだけで2回放送されている。一回目は正直言ってなにがなにやらよく分からない曲という印象だったが、この不思議な楽曲はアブラヴァネルという指揮者とともに記憶に残った。その後バーンスタインの一回目録音のLPを買って親しんだが、アブラヴァネル盤は外盤ということもあり、ついに入手することはなかった。それがここでの意外なる再会となった。正直言ってオケは超一流とは言えない(とくにテクスチュアの薄い部分でそう感じる)。しかしこの当時これだけまとまった出来映えを示した点、指揮者のみならず、オケの健闘も讃えられてよい。アブラヴァネルは高い技術を持った職人タイプとも思われるが、マーラー作品に対する思い入れや使命感もかなりのものだったろう。ただしバーンスタインに端的な、指揮者の苦悩や闘争が、作曲者のそれと共振するところから生じる濃厚で切迫した迫力はないが、多様なマーラー表現や歴史性をになったCDを求める向きには意義あるセットだと思う。とくにおすすめは第3と第9というところか。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • ★★★★★ 

    淳メーカー  |  愛知県  |  不明  |  2012年01月28日

    こういう演奏を古き良き時代の音楽の誇り、と呼ぶのでしょうか。今振り返れば、バーンスタインの作曲家が乗り移ったかのような旧全集(8番のみLSO)、ショルティの息苦しいくらいの完全主義全集とほぼ同時代の録音と考えてよいでしょう。ベストセラーとなったそれらの全集と比べ、レーベルのせいもあるでしょうが、日本ではほとんど見向きもされませんでした。同一指揮者と同一オケによる最初の全集というふれこみだったと思います(記憶が正しければ)。確かにオケは望むべき点が多々ありました。しかし、マーラーの故郷ボヘミアの響きって、案外このユタ響のサウンドに近かったりして、と納得したものでした。マーラー・イヤーに復活した当全集、期待せず聴いて下さい。この価格でしたら素晴らしいものを聴いた気分になれます。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • ★★★★☆ 

    まーきー  |  徳島県  |  不明  |  2011年05月31日

    昨年はマーラーの生誕150年、今年は没後100年ということでマーラー作品のリリース・ラッシュが続いている。モーリス・アブラヴァネル指揮ユタ交響楽団の演奏によるマーラーの交響曲全集が再発されたが、これがなかなか面白いのである。 アメリカのオケらしく明るい音色だが、マーラーは暗く激しく演奏するものだという了解ができたのはバーンスタイン、テンシュテットあたりからだろうか。ことさら悲劇性を強調しない明るく屈託のない演奏でありながら、優しさに満ちた演奏で、曲の構造もわかりやすい。言うなれば日常聴きに適したマーラーで、これからの蒸し暑い季節にはぴったりだろう。 マーラーが一般に演奏されるようになったのは1970年頃あたりからだが、すでに40年を経過した現在ではかつてのドロドロとしたおどろおどろしい演奏は減り、すっきりした見通しの良いものに変わってきているが、驚いたことに、この録音は1963年から1974年の間に行われている。 明るく幸せなマーラーなどマーラーではないと言う人もいようが、私はマーラーの本質を「祭りの後の寂しさ」だと考えているので、こういう演奏も○である。すったもんだの大騒ぎをし、すべてが終わった後の寂寥感。要は大騒ぎのやり方であって、いろんな方法があっていい。最後はすべてが無になるのだから。 「面白うて、やがて哀しきマーラー哉」

    13人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • ★★★★★ 

    ゲニウス=ロキ  |  京都府  |  不明  |  2011年05月13日

    しばしば歴史的録音とはされながらも、評者の”転ばぬ先の杖”か、必ず何かしらの留保付きで語られて来た当全集、ようやく念願叶って全曲通して聴くことが出来た。 実際に触れてみると、いささかの躊躇も不要、思慮深い使命感と客観性に貫かれた、素晴らしい演奏ではないか。 確かにオーケストラのメカニカルな技量そのものを内実と切り離して”測定”すれば、超一流とは言えないに決まっていようが、要するにそれは只それだけのこと。 アブラヴァネルの深謀と熟練のタクト、それに自然に共鳴するかのようなユタ交響楽団の響き。 温かくも鄙びた魅力が細部に至るまで沁みわたっている、というだけでなく、それらが各作品の壮大な構成の中で、驚く程有機的に生かされている。 共感と慈愛に溢れてもいるが、その飄々とした味わいは、時に一方的に”感動”を煽るバーンスタイン流のアジテートとは、およそ対極にある。その点では、表層の仕上げ方の甚だしい違いにも関わらず、あのMTTのマーラーにも通底する、ある種の遊民的な楽観性を感じさせるものかも知れない。 全集を通じての表現のスタンスの一貫性も、それこそ感動的なまでのマーラー音楽への信頼を、立派に体現している。 今更ながら、マーラー演奏の一つの原点に出会った、そんな幸福感でいっぱい。

    11人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • ★★★★☆ 

    馬羅  |  愛知県  |  不明  |  2011年05月06日

    以前全集が高かったので、ウルトラアナログの「復活」と故岡俊雄氏が高く評価していた7番だけ買いました。モルモン教の総本山での録音なので、「復活」の壮大さは比類がなく、今でもディエス・イレのドラムロールは、この録音を凌ぐ物はありません。反面、細部が大味でオーマンディの演奏と共通した聞きやすさがあり、個人的に好きです。「復活」の凄さに比べて、7番はマスターの痛みもあり、岡氏が評価したウェット感があまり感じられず残念でした。「復活」のコーダで銅鑼が聞こえないなど、使用している版にも独自のものがあるかもしれません。3番は、70年代の4CH時代にマルチCHのテープでリリースされ、高いところからと指示された児童合唱がリアCHから聞こえると評判になったので、今回安くなったので、ぜひ買いたいです。

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