ヴァイオリン協奏曲第1番、ロマンス、弦楽五重奏曲 グルズマン(vn)、リットン&ベルゲン・フィル、他
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 2011年04月23日
ブルッフはブラームスと同時代のドイツ人作曲家であるが、本盤におさめられたヴァイオリン協奏曲第1番、そしてスコットランド幻想曲やコル・二ドライは非常に有名であるが、その他の楽曲は殆ど知られていないと言っても過言ではない。これらの有名作品以外にも、交響曲や協奏曲、室内楽曲、合唱曲など多岐にわたる質の高い作品を数多く作曲し、ブラームスもその作品を高く評価していたにもかかわらず、現在のブルッフの前述の3曲以外の作品に対する評価はあまりにも低すぎると言わざるを得ない。このような非常に嘆かわしい状況にある中で、本盤のように、ヴァイオリン協奏曲第1番以外の名作がおさめられたCDが発売されたというのは、大変に喜ばしいことと言わざるを得ない。そして、演奏についても素晴らしい名演と高く評価したい。まずは、メインのヴァイオリン協奏曲第1番であるが、グルズマンの思い入れたっぷりの豊かな情感に満ち溢れたヴァイオリンが素晴らしい。同曲は、ドイツ音楽とは思えないような甘美なメロディが売りの作品であるが、そうした甘美な名旋律を、グルズマンはこれ以上は求め得ないような陶酔的な演奏で、旋律を徹底的に歌い抜いている。同曲の演奏には、これまでも様々な名演があるが、美しさと言った点においては、グルズマンの名演はあまたの名演の中でも上位にランキングされるのではないかと考える。リットン指揮のベルゲン・フィルも、劇音楽「ペールギュント」などにおいて成し遂げた名演と同様に、北欧のオーケストラならではのいささかも華美に走ることがない、抒情豊かな潤いのある演奏を繰り広げているのが素晴らしい。ロマンスは、ブルッフ自身がヴィオラパートをヴァイオリンに編曲したものであるが、ここでもグルズマンの情感豊かで美しさの極みとも言えるヴァイオリンを満喫することが可能だ。遺作の弦楽五重奏曲も、この曲の持つロマン的な抒情を情感豊かに描出した至高の名演と高く評価したい。グルズマンを含めた若き奏者たちの息の合った絶妙のアンサンブルも見事というほかはない。さらに、本盤の魅力は、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音にあると言える。ブルッフの甘美な名旋律の数々を、鮮明な高音質で味わうことができることを大いに喜びたい。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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