トップ > 音楽CD・DVD > クラシック > マーラー(1860-1911) > 交響曲第8番『千人の交響曲』 テンシュテット&ロンドン・フィル、ヴァラディ、イーグレン、ゾーティン、他(1991ライヴ)(2CD)

マーラー(1860-1911)

CD 交響曲第8番『千人の交響曲』 テンシュテット&ロンドン・フィル、ヴァラディ、イーグレン、ゾーティン、他(1991ライヴ)(2CD)

交響曲第8番『千人の交響曲』 テンシュテット&ロンドン・フィル、ヴァラディ、イーグレン、ゾーティン、他(1991ライヴ)(2CD)

商品ユーザレビュー

  • ★★★★★ 
    (2 件)
  • ★★★★☆ 
    (1 件)
  • ★★★☆☆ 
    (0 件)
  • ★★☆☆☆ 
    (0 件)
  • ★☆☆☆☆ 
    (0 件)

レビューを書いてみませんか?

レビューを書く

検索結果:3件中1件から3件まで表示

  • ★★★★★ 

    ほんず内閣総理大臣  |  北海道  |  不明  |  2012年11月07日

    レーザーディスクやDVDでこれまでに接していた演奏の、一日分の音源を使ってのCDということですな。音質は確かにこれまで聴いたどのメディアよりも良いような気はします。バランスやレンジはこちらが上でしょう。さて、こうして音だけで聴いてみますと、いくつかのキズは確かに気になるように思います。オケのミスはありますし、合唱もいささか美感を欠くところがあり、独唱陣も最善の歌ではない。まあ、難曲中の難曲ですから、ライヴでそれくらいのキズがあるのはいたし方ありません。それに、そうしたいくつかのキズがあろうとも、最後の最後、「神秘の合唱」ではそれらが全部すっ飛んで全演奏者が完璧無類の没入・高揚ぶりを見せて圧倒的なクライマックスを築きます。その感動で多少の不満は全部帳消し。すばらしい演奏で充実感この上なし。それもこれもやっぱりテンシュテットさんのカリスマ性あふれる強力なリーダーシップにあるのだな、そしてそれに導かれる演奏者たちの献身にあるのだな、とつくづく思います。テンシュテットさん、基本的にはやや遅めのテンポ設定で、第1部はどっしり構えて、大きな石を積み上げて造った大建築を想わせるような演奏。開放性よりも重心の低い落ち着きが勝った感じ。ここでは声の饗宴のまさしく「賛歌」が展開されます。一方、第2部は管弦楽がリードするようになり、例の長い序奏の意味深さは他に例を見ないものです。そして以下、延々と展開される救済のドラマは圧巻。陶酔しまた迷妄に悩む男性に対し、自らの意志で救済にあずかった女性たちの確信に満ちた態度とのコントラスト、飛び回る天使たち、そうした個々の性格が実にしっかりと描かれ、最後の鮮やかな救済劇へと昇華してゆきます。やはり希有の演奏と称すべきでしょう。上記の如きいくつかの欠点を認めつつも、最後の感動でオールオッケー、満点であります。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★☆ 

    フォアグラ  |  愛知県  |  不明  |  2011年03月24日

    ずいぶんデッドな録音だ。鮮明ではあるが奥行きがなく、響きは羅列的であり、演奏のアラも目立ってしまう。残念ながら、ここでのオケ、合唱、独唱とも第1級の水準に達していない。私は2番より8番のほうがはるかに優れた曲だと思うし、特に第2部は真に感動的である。(同じテキストによるシューマンの音楽も大好きだ)しかし、この曲の演奏の真価は声楽陣の出来にかかっている。テンシュテットは遅いテンポで渾身の音楽を作り出し、部分的に深い感銘を呼ぶが、最後まで指揮者の表現を演奏者が具現できていないもどかしさが残る。思えば2番の超名演は奇跡であり、奇跡はそう何度も起きないと納得すれば、新盤にもそれなりの味わいはある。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★★ 

    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2011年03月04日

    壮絶な超名演だ。テンシュテットは、1970年代の後半から1980年代の中頃にかけて、手兵のロンドン・フィルとともにマーラーの交響曲全集(スタジオ録音)を完成させた。当該全集の評価は非常に高く、1987年のレコード・アカデミー賞を受賞(特別部門)したほどであった。その中でも、第8(1986年録音)は全集の有終の美を飾る名演として特に高い評価を得てきたが、本盤は、それを更に上回る感動的な超名演だ。ライブ録音特有のオーケストラ演奏の瑕疵も一部に聴かれるなど、演奏全体の安定性といった観点からは1986年盤の方を採るべきであろうが、本盤の超名演を聴き終えた後の深い感動からすれば、そのような瑕疵など全く問題にならない。テンシュテットは、前述の全集の完成直後に咽頭がんを患い、闘病生活を経て奇跡的な復帰を遂げたが、その後は健康状態がいい時に限ってコンサートが行われた。したがって、コンサートの数は限られたが、それだけにそのコンサートの一つ一つが命がけのものであった。その命がけのコンサートの記録の一部が既に発売されており、こうして発売された第1、第2、第5、第6、第7のライブ録音(EMI、LPO自主レーベル)は、いずれ劣らぬ壮絶な超名演であった。マーラーは、愛娘の死などの経験から死を異様なまでに恐れたが、その一方で、人一倍楽天家でもあった。そうしたマーラーの特異な性格は楽曲にも反映されることになり、その交響曲の本質は、他にもいろいろと考えられるが、基本的には、死との闘いと生への憧憬や妄執にあったと言える。テンシュテットの晩年の心境は、マーラーの交響曲の本質と見事に合致するところがあり、このような指揮者と作曲者の心身の一体化が、かかる超名演を生み出す原動力になったものと考える。本盤も、そうした一連の超名演に連なるものだと言える。思い切ったテンポ設定の変化といい、幅の広いダイナミックレンジといい、テンシュテットのドラマティックな指揮ぶりは際立っているが、その壮絶な命がけの演奏は、我々聴き手の肺腑を打つのに十分な圧巻の迫力に満ち溢れている。テンシュテットの壮絶な指揮の下、ロンドン・フィルも、そして合唱団や独唱陣も最高のパフォーマンスを示しているのも素晴らしい。録音も鮮明であり、申し分のないレベルに達していると言える。

    13人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

検索結果:3件中1件から3件まで表示