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グリーグ(1843-1907)

CD 『ペール・ギュント』全曲 トゥルニエール&スイス・ロマンド管弦楽団(レーベル・カタログ2010付)

『ペール・ギュント』全曲 トゥルニエール&スイス・ロマンド管弦楽団(レーベル・カタログ2010付)

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2011年02月03日

    素晴らしい名演の登場だ。かつては、グリーグの劇音楽「ペール・ギュント」と言えば、2つの組曲で演奏するのが主流であった。わずかに抜粋版としてバルビローリ盤などがあったが、ヤルヴィによる完全全曲盤が登場するに及んで、その流れが変わってきたように思う。その後、ブロムシュテットなどの名演も登場するなど、劇音楽全体に対する評価がかなり高まってきたと言えるのではないか。そうした一連の流れの中での、本盤の登場であるが、フランスの新進気鋭の指揮者ならではの生命力溢れる快演と言える。ヤルヴィ盤と異なり、セリフのみの箇所をすべて省略しているが、音楽として鑑賞するには、この方がちょうど良いと言えるのかもしれない。それでも、長大な当劇音楽を、CD1枚におさまる75分程度で演奏したというのは、テンポ設定としても、やや早めと言えるのかもしれない。とは言っても、若さ故の上滑りするような箇所は皆無であり、むしろ、緩急自在のテンポ設定を駆使した演出巧者と言った評価が相応しいと言える。第4〜第5曲にかけての畳み掛けるような劇的な表現は、実に堂に行ったものであるし、第8曲の有名な山の魔王の宮殿にての、ゆったりとしたテンポは、あたかも豹が獲物を狙うような凄みがあり、猛烈なアッチェレランドは圧巻のド迫力。合唱団も実に優秀で、最高のパフォーマンスを示していると言える。第9曲の威容はあたりを振り払うような力強さであり、第10曲の壮絶な迫力にはほとんどノックアウトされてしまう。それと対照的な第12曲のオーゼの死の情感豊かさは、この指揮者の表現力の幅の広さを大いに感じさせるのに十分だ。その後に続く音楽も、ここに書ききれないくらい素晴らしいが、特に、第13曲の爽快な美しさ、そして第21曲の帰郷は、圧巻の迫力であるし、第19曲や第26曲のソルヴェイの歌、子守唄は、北欧音楽ならではの至高・至純の美を誇っていると言える。独唱陣も合唱団も実に上手く、本名演に華を添えているのを忘れてはなるまい。本盤が、昨年の管弦楽部門でのレコード・アカデミー賞を受賞したのも当然のことであると考える。

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