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ベートーヴェン(1770-1827)

CD ピアノ・ソナタ第3番、第29番『ハンマークラヴィーア』 リヒテル(ステレオ)

ピアノ・ソナタ第3番、第29番『ハンマークラヴィーア』 リヒテル(ステレオ)

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    popai16  |  神奈川県  |  不明  |  2019年08月06日

    当方が知る限り、リヒテルによる「ハンマークラヴィーア」は当録音以外にストラディヴァリウス盤、PRAGA盤。ICA盤の4種類が有る。全て当盤と同じ頃のライヴで各所で集中的にこの曲を弾いていたと思われる。ICA盤は未聴であるが、いずれも大名演と云える素晴らしいもので、これらの偉大で超絶的な演奏に対して凡人の私が優劣などとてもつけられない。ただ録音についてはPRAGA盤が最も明瞭で、ストラディヴァリウス盤はボヤケぎみ、当盤は適度の距離感を伴った聴きやすい良好な音質。古今東西最大の難曲の一つと云われる「ハンマークラヴィーア」。第1楽章はベートーヴェンが長年探求し続けてきたソナタ形式の最も完成された姿。第2楽章は経過句的。第3楽章は晩年のベートーヴェンにしか為し得なかった神々しいばかりの深遠なアダージョ。ここまでは音楽そのものがあまりにも素晴らしい為、誰の演奏を聴いてもそこそこ感動できる。問題は終楽章で、ここで前の音楽の重さを受け止め、この偉大な作品の最後に相応しいインパクト、存在感を示すことが出来ないまま竜頭蛇尾の印象に終わってしまう演奏がいかに多い事か。技巧的にも音の跳躍やトリル、地雷の様に爆発するスフォルツァンドなど多彩で難しく、メゾフォルテであればフォルテ、フォルテであればフォルテッシモ位の強靭さと、どの一音一音をも濁り無くあくまで明瞭に弾ききる超絶的な技巧が求められる。だからと云って遅いテンポで弾くだけでは駄目で、時には音の明瞭度を保ちつつ、疾風の様なスピード感も必要。そして、微細な強弱やテンポの揺らしなど細部に拘り過ぎると却って作品の剛毅でスケールの大きさが損なわれる・リヒテルの演奏はこうした数々の課題をほとんど奇跡的と云える程にクリアしえた稀有のケースであり、しかも、ライヴで、その上三者三様に凄奏を聴かせるに至ってはこれ以上云うべき言葉を知らない。勿論、これらの前提として極度の集中力、緊張感の裏付けが有り、またリヒテルほどの巨匠であってもライヴでの自身の精神の高揚や感興の高まりが有って達成しえたものと思われる。聴き終えた後の圧倒的な充足感、感動の大きさは全く比類なないもので、少なくともスタジオ録音でここまでの高みに達しえた演奏を不聞にして知らない。ただ、ギレリス(モスクワライヴ)R・ゼルキン(ロンドンライヴ)などリヒテルに次ぐ名演である事を思うと、この大作はライヴという状況の中でこそ全うできる作品の様な気がする。御存知の様にリヒテルは晩年には芸風が一変し、それはそれで素晴らしいのだが、そうなる前の最も輝いていた時期の最上の演奏の一つと思う。

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    おっさん  |  神奈川県  |  不明  |  2010年05月30日

    何種類か残っているリヒテルの29番の録音のうち、私は最高だと思う。こういう演奏に出会うことはもうないだろう。でも彼自身が気に入っていたかどうかは疑問。機会があれば彼自身のコメントを調べてみたい。モンサンジョンの本にあるかもしれない。

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