文学部唯野教授 岩波現代文庫
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とある白いうさぎ | 所在地 | 不明 | 2012年01月16日
大学教授をしつつ小説を書いていることを必死に隠そうとする、そんな唯野教授の物語。 本書は、各章ごとに文学批評理論のタイトルが与えられ、前半は唯野教授とその周辺の物語、後半は彼がタイトルにある理論の講義をすると言う体裁で進んでゆく。 物語は大学での不思議な慣例を爽やかに喜劇化している印象で、少しでも雰囲気が想像できれば、笑いながら読めることだろう。 講義の方は、専門的に内容を解説することを念頭に置いたものではない割には、真面目に書かれている印象。 門外漢にも解りやすい解説となっているが、文学理論の勉強を目的として本書を手に取るのは不適に思われる。(全体が小説という体裁なので、文献目録等を欠いていたりするため) 何れにせよ、小説としてもちょっとした教養書としても文句のない出来で、一世を風靡したのも納得の一冊。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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