ミサ曲 ナガノ&ベルリン・ドイツ交響楽団
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Tan2 | 神奈川県 | 不明 | 2021年03月13日
世の中が豊かさを享受する中で、ベトナム戦争が泥沼化して、法律上は人種差別が撤廃されたもののキング牧師が暗殺されるなど、信仰や社会正義の価値感が揺らぎ、ヒッピーなど若者の現実逃避が増える中で1971年に作曲された問題作である。この「ミサ〜歌手、演奏者、ダンサーのためのシアターピース」は、バーンスタインが熱烈に支持しながらも暗殺された故ケネディ大統領の名を冠してワシントンDCに完成した複合文化施設「ケネディ・センター」のこけら落としのために作曲された。作曲を依頼したのはジャクリーヌ夫人であった。 バーンスタイン自身はユダヤ教徒なので、カトリックの「ミサ曲」を作る意図はなく、ラテン語のミサ典礼文と英語の「寓話」を組み合わせるという、ブリテンの「戦争レクイエム」の手法を取り入れて、信仰の危機とそれを克服することによる人間性に対する信頼と復活を呼びかけるものを作ろうとしたように思う。 その意味で、この曲「Mass」を「ミサ曲」と呼ぶのは間違いで、「ミサ」を題材にしたシアターピースであり、宗派を超えた「大衆、庶民」という意味もかけているはずだ。 最も正統的なのが自作自演盤であるが、そのアメリカ的ごった煮感をよく再現しているのはオールソップ盤のように思う。 それに対してこのケント・ナガノ盤は、ドイツのオケであることもあり、クラシック風の優等生的な演奏である。それでは面白くないかといえばそんなことはなく、この曲が持つ普遍的、全人類的な意味や、アメリカを超えたグローバルな捉え方、21世紀から20世紀の音楽を客観的に眺める観点からは面白く聴ける。それだけ多面的な曲であるということなのだろう。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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にゃおにゃお金 | 市川市 | 不明 | 2006年01月06日
自分にとって2005年購入の幾多のCDの中でも最も印象に残ったのがこれであった。何しろ曲が最高に面白い。「ミサ」というイメージからは相当に乖離しており、それ故に物議を醸した作品ではあるが、バーンスタインの多才ぶりを遺憾なく発揮した名曲である。これまで自作自演盤だけだったためか、有名な割にはあまり実際に聴いた事のある人は少なかったように思うが、ナガノの指揮も良いし、一人でも多くの方に聴いて頂きたい逸品だ。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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