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ブルックナー (1824-1896)

CD 交響曲第9番 カール・シューリヒト&ウィーン・フィル(平林直哉復刻)

交響曲第9番 カール・シューリヒト&ウィーン・フィル(平林直哉復刻)

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  • ★★★★★ 

    masato  |  新潟県  |  不明  |  2012年05月08日

     私には,名盤と言われているにもかかわらず,ピンとこないものが3点ありました。バックハウスのベートーヴェンの最後のソナタ,クライバーのシューベルトの『未完成』,そしてこのシューリヒトのブルックナーの9番です。理由はいずれも同じで,“あっさりしすぎ…”。聴後はいつも「もうちょっと思い入れたっぷりに表現してもいいんじゃないかなぁ…」となってしまうのです。  ベートーヴェン以外はいずれも“未完”…そういえば,ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』も“未完”。この名作を読む時はいつも,最後の章「大審問官」はゆっくり・じっくり読んでしまう。「これがこの大作の締めくくり,ドストエフスキーの最後の表現なんだ…」という意識から,ついじっくり読もう,という気持ちになってしまうのです。  未完成作品を聴く時も同じ心理状態で聴いてしまっていないか…ということに気付きました。「これで終わることになるんだから,ゆっくり・じっくり・荘厳でなければ…!」と。ところが,実はまだ続きがあるはずなのです。『未完成』にしろ,この『9番』にしろ,この後,圧倒的な締めくくりがあったはずなのです。だからこそ,“あっけなく”終わる。『カラマーゾフ』も,もし第3部が完成されていたら,「大審問官」をゆっくり・じっくり読むような気持ちにはならなかったはず…。一刻も早く先を読みたくて,つい急いで読んでしまうかも…。  改めて気付きました。クライバーの『未完成』も,シューリヒトの第9も,最後の音が止んだ時,「あぁ…この続きを聴きたい…!」となる。もしかしたら,この感じこそ“未完作品”の理想なのかもしれない…。ヴァントのように「完全に完成された作品だ!」と感じさせてくれるような演奏,クライバーやシューリヒトのように「あぁ…この続きを…!」と感じさせてしまうような演奏,2通りのスタイル,どちらも素晴らしい。  ベートーヴェンの32番…弟子が「2楽章で終わりですか…?なんで続きがないんですか…?」と尋ねたらしい。この作品も弟子にとっては“未完”だった…。ベートーヴェンが弟子に聴かせた演奏,ベートーヴェンが本当に望んだ最後のソナタの姿は,バックハウスのような表現だったのかもしれない…。

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  • ★★★★★ 

    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2012年03月04日

    シューリヒトはブルックナーを得意中の得意としており、近年ではシュトゥットガルト放送交響楽団などとのライヴ録音なども数多く発掘されている状況にある。それらは、必ずしも音質に恵まれているとは言い難いものの、いずれもシューリヒトならではの素晴らしい名演に仕上がっていると言える。もっとも、それらの数々の名演が登場してもなお、シューリヒトのブルックナーの代表的な名演との地位がいささかも揺らぐことがない名演が存在している。それこそは、最晩年にウィーン・フィルとともにスタジオ録音を行った交響曲第8番(1963年)及び第9番(1961年(本盤))であると考えられる。このうち、第8番については、近年のヴァントや朝比奈などによって確立された悠揚迫らぬインテンポによる演奏とはかなり様相が異なった演奏であり、早めのテンポと、随所においてアッチェレランドも含むテンポの振幅も厭わないなど、むしろドラマティックな演奏に仕上がっていると言える。シューリヒトがブルックナーの本質をしっかりと鷲掴みしているだけに、名演との評価にはいささかも揺らぎがないが、近年のヴァントや朝比奈によるインテンポによる名演奏の数々に慣れた耳で聴くと、若干の違和感を感じずにはいられないところである。これに対して、本盤におさめられた第9番については、悠揚迫らぬインテンポを基調とした演奏を行っており、第8番の演奏のような違和感などいささかも感じさせないところだ。ブラスセクション、とりわけホルンの朗々たる奥行きのある響きの美しさは、これぞブルックナーとも言うべき崇高な美しさを誇っており、正にウィーン・フィルによる美演をも最大限に活かした神々しいまでの本演奏は、シューリヒトとしても最晩年になって漸く到達し得た至高・至純の境地に達したものとも言えるのかもしれない。 各フレーズに込められたニュアンスの豊かさには尋常ならざるものがあるとともに、その端々から漂ってくる豊かな情感には、最晩年の巨匠シューリヒトならではの枯淡の境地さえ感じさせると言えるところであり、演奏の神々しいまでの奥行きの深さには抗し難い魅力があると言える。第3楽章においては、もう少しスケールの雄大さが欲しい気もするが、第1楽章と第2楽章については文句のつけようがない完全無欠の崇高の極みとも言うべき名演奏であると言えるところであり、後年のヴァントや朝比奈と言えども、第1楽章と第2楽章に限っては、本演奏と同格の演奏を成し遂げるのが精一杯であったと言っても過言ではあるまい。いずれにしても、本演奏は、シューリヒトのブルックナーの交響曲の演奏でも最高峰の名演であるとともに、ブルックナーの交響曲第9番の演奏史上でも、第1楽章及び第2楽章に関しては、現在においてもなおトップの座を争う至高の名演と高く評価したいと考える。音質は、1961年のスタジオ録音であり、従来盤では今一つ冴えない音質であった(それ故に、第3楽章のスケールの小ささと合わせて、かつては★4つの評価としていた。)が、数年前に発売されたHQCD盤は、若干ではあるが音質が鮮明になるとともに、音場が幅広くなったところである。しかしながら、今般、ついに待望のSACD化が行われることによって、見違えるような鮮明な音質に生まれ変わったところだ。音質の鮮明さ、音場の幅広さ、そして音圧のいずれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第である。いずれにしても、シューリヒト&ウィーン・フィルによる素晴らしい名演を、SACDによる高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したいと考える。

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  • ★★★★★ 

    若葉マーク  |  不明  |  不明  |  2011年12月31日

    シューリヒトは特段好きな指揮者ではないが、この演奏には恐れ入る。素晴らしいの一言だ。「まるで神のお告げのよう」とある本に記述してあったが、首肯できる。世評高いヴァント/BPOはよくできている演奏だなと思うことはあっても、感動がそこにはない。何が違うのだろか。スコアをルーペで仔細に観察し、その意味を深く理解して演奏しても、即ちそれが名演奏になるのではないということか。このシューリヒト盤は、間違いなくこの曲の演奏のベスト・ワン候補。個人的には、ハイティクの81年のものが最も好きだ。モノラルでもいいなら、ベイヌム/コンセルトヘボウの名演がある。録音も優秀。是非耳にして欲しい。

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  • ★★★★★ 

    黒熊怪  |  千葉県  |  不明  |  2011年06月11日

    この第9の、彼岸の世界から響いてくるような極度の美しさは、尋常なものではない。50年代の演奏と比べると、VPOが完全にシューリヒトに従っていることが解る。フルトベングラーとクナーがこの曲では、録音の状態もあって、本来、期待してよい高みに達していないので、この演奏の価値はさらに高い。シューリヒトという人は、ドイツ精神の純血のごとき、一切妥協を許さない演奏を行うので、アレルギーを感じる人もある。その脂っ気のない淡白なところが若い人には物足りない。しかし、この虚飾を排した、禅の朔と望を描いたような、深さとスケールには、畏敬の念を感じる

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  • ★★★★☆ 

    shef  |  栃木県  |  不明  |  2010年08月01日

    素気ない演奏で、ときに無機的にさえ響くのに、なぜか心に残る演奏。 もっと感情豊かな、あるいは訴える力を持つ演奏は他にもあるし、普段は別のCDを聴く機会が多いのに、なぜか時に聴きたくなり、この演奏を聴くとほっする自分がいる。古女房というわけではないが、構えることなく、自然体で音楽に溶け込む自分がいる。 長年の付き合い、だから高評価というわけではないが、やはり生涯付き合うCDだと思う。

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  • ★★★★☆ 

    shef  |  栃木県  |  不明  |  2010年08月01日

    素気ない演奏で、ときに無機的にさえ響くのに、なぜか心に残る演奏。 もっと感情豊かな、あるいは訴える力を持つ演奏は他にもあるし、普段は別のCDを聴く機会が多いのに、なぜか時に聴きたくなり、この演奏を聴くとほっする自分がいる。古女房というわけではないが、構えることなく、自然体で音楽に溶け込む自分がいる。 長年の付き合い、だから高評価というわけではないが、やはり生涯付き合うCDだと思う。

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  • ★★★★★ 

    ddd  |  福井県  |  不明  |  2010年07月27日

    原木で組んだ「やぐら」のような音楽表現である。 妙な例えだが、面取りのような加工はせずに、節々をそのまま生かしており、本来のブルックナーとはこうあるべきだという自信に満ちた奏者の演奏には圧倒される。但し、音楽に厚ぼったい化粧を求める人には期待外れだろう。

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  • ★★☆☆☆ 

    アマデウス  |  不明  |  不明  |  2010年06月25日

    録音された当時は優れた演奏だったのかもしれないが、今となってはごく並みの演奏。第一楽章は興味をひかれる部分もなくはないが、第三楽章はテンポが不自然なほど速い上、表情も素っ気無く、この楽章のみがもつ崇高深遠な世界へと連れて行ってはくれない。

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  • ★★★★★ 

    古渡 弁蔵  |  北海道  |  不明  |  2010年06月06日

    よかった。ブルックナーを聴くには時間的ゆとりが必要であるが、むしろこの演奏を聴いたとたん、時間なんかどうでもよいと思った。シューリヒトという指揮者は決して華麗ではないが、こんなすばらしいブルックナーを残してくれた功績に感謝です。響きがすごい!ウィーン・フィルの底力を見せ付けられた。

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  • ★★★★★ 

    カラジャン  |  山口県  |  不明  |  2010年01月14日

    はじまったとたん、いったいこの演奏はなんだ!という一種異様な雰囲気に、この先繰り広げられる長丁場のこの曲に、名演の期待感が広がる。 先日発売されたシューリヒトとベルリン市立歌劇場Oとの同曲がたいへん良い出来だっただけに、オケがVPOに代わってさらなる名演を予想してはいたが、ここまで良いとは思わなかった。 このCDは、シューリヒトの代表的なベスト盤に入れてもよいのではなかろうか。

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  • ★★★★★ 

    一人のクラシックオールドファン  |  芦屋  |  不明  |  2009年02月24日

    私はLPセラフィム海外盤で聴いていました。シューリヒトという指揮者は所謂ドラマチック造りは余りしない演奏家なのか、又 彼自身何か私個人の見方で禅僧のような容貌からか・・・勿論無関係は承知で・・仕上げられた演奏はこの指揮者に言い古された枯淡というか水墨画を見る思いを抱いてしまうのも事実です。多分割りと明哲さと簡潔さが聴く者に作用するのでしょう。このブルックナー9番は同じVPOとの8番同様どの一音も揺るがせには出来ない出来上がりで殊にVPOのサウンドがシューリヒトの先述の芸風を逆持ち上げしている様な最高盤と思います。

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  • ★★★★★ 

    のうえ  |  京都  |  不明  |  2009年02月03日

    ブル9を語る時には必ず引き合いに出される演奏。VPOとは思えない鋭さ、キレはシューリヒトの独壇場だ。この曲の性格を考慮してかVPO独特の弦のポルタメントはあまり目立たないが、金管と木管がここぞという時は絶妙のバランスで鳴り響く。3楽章の録音レベルが少し大きくなっている気がするが クライマックスは95年の朝比奈をも凌駕するような迫力だ! ブル9ファンなら買いの一枚!

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  • ★★★★★ 

    k.o  |  静岡県  |  不明  |  2008年11月26日

    シューリヒト!この人はなんという魅力的な演奏をするのだろう!!バッハ、ヘンデル、モーツァルト、ブラームスそしてブルックナー・・録音こそ少ないが彼の演奏は私には外す事が出来ない盤となっている。そしてこの9番こそ間違いない最高傑作である。この弦の美しさ・・。どうして今はこのような人がでてこないのだろう。つまらない時代になったものだ・・。

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  • ★★★☆☆ 

    KM  |  Hakata  |  不明  |  2008年11月24日

    これは、かなり個性的なブルックナー9番なので、同曲の代表的演奏とは言えないだろう。この演奏への評価はリスナーの好みによって賛否分かれると思う。ちなみに、私は、好きじゃない。理由は、ブルックナー9番は極力指揮者のクセを排除すべきだと思うから。シューリヒトの9番はクセがありすぎる。

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  • ★★★★★ 

    味噌カツ  |  名古屋  |  不明  |  2008年08月31日

    枯れたような演奏だけど素朴で美しく、何度聴いても決して飽きない。第2楽章についてはこれを超えるものが無いのでは?強めのピチカートやシューリヒトならではの躍動感が素晴らしい効果を発揮している。終楽章なんかはかなり速いが、出鱈目じゃなくてしっかりと歌っているのもさすが。VPOの音色もまた素晴らしい。やや響きの薄い録音だが、演奏の解釈を踏まえると決して悪くないと思う。音質は割と良好だし。

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